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隠し攻略ルートは悪役の私!? 〜乙女ゲームの悪役に転生しましたがヒロインから女神と崇められています〜  作者: 絡鎖
第3章 悪役の私の兄が世界的な宗教をひっくり返す。(予定)

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第39話 私にできることってないですよね。

「思ってた通りだ。ただの狂った宗教ってだけじゃなかった」


「これだけ行方不明者がいれば何かあるとしか思えないねぇ。大きな騒ぎになっていないのが不思議だよ」


「本当に不思議なんですよ、この前話したお姉さんなんて婚約者が居なくなったのに普通にしてましたし、いなくなったのにルス教が関わってるってわかってるのに怪しむことすらしてないんです。お子さんがいなくなったっていうおばさんも同じでしたね」


「何か変わった共通点でも、と思いましたが何も無いように思えました」


「シスターさん達も同僚が消えた、などと話している事もありましたがそれについて疑問を抱いているような感じはしませんでしたね」


夜になり、みんな帰ってくるといつもその日のことを話し合う。何があったか、良い情報は手に入ったか、どんなことを感じたか。これからどうするのか、明日は何をするのか。


ま、私以外の人が、なんだけど。


この時間は本当に居た堪れない。だってただ黙って兄さんの隣で座ってるだけでさ。何か有益な情報があるわけじゃないし。何にも出来ないことをよぉく感じることができる時間。


「いなくなった奴らが何か握ってることは確かだな。いなくなった理由、は……まあルス教への不満とか疑問だろうな。それを上に直接言いに行き、消えた。消された、が正しいか」


「ええまあ、それは正しそうです。シスターさん達もそういうようなことを言ってましたからね」


「嫌ね、不満は改善すべきでしょう?疑問は解消すべきでしょう?普通はそうよ。妄信的に頷けないのならいらない、なんて間違ってるもの」


私はただ聴いてるだけだ。何か考えてアドバイスするとか、こうじゃない?みたいなことを言うこともない。


何もできない自分が申し訳なくて悲しくて。泣きたくなりますね。そんな資格も無いですが。


「当分はそれ中心に調べる方が良さそうだね。ミーシャ、さっきの婚約者とお子さんがいなくなった人覚えてるかい?話を聞きに行こう」


「大丈夫です、覚えてます!」


私も何かしたいな。何か役に立てることをしたい。このままみんなに任せっぱなしだと私のメンタルがやられるよね。役立たずという思いによって。


でも今の私にできることってなんだろう?兄さんの側から離れるわけにはいかないし。勝手に行動して迷惑かけたらもっとまずいし。


なんもないな。


「これはまずいぞ……」


私のせいでこんなとこ来てるのになんもしないで終わってしまう……っ!


「ローズ、どうした?」


「ううん……何でもない」


「本当に?」


わざわざ『何かしたいの。力になりたい』なんて言って余計に迷惑かけるなんて物語のヒロインっぽいことはしない。あれって主人公悩ませて大抵邪魔になってるだけよね。断ると私も何か手伝いできればって思ったのに!みたいに逆ギレし出すのもいるし。


私はそんな愚かな人間じゃないんでね。自分で考えて、本当に迷惑にならなさそうなものを実行しますね。心配なら兄さんに聞くし。多分。


「本当に。何でもない。遮ってごめんなさい。続けて」


「お姉様、何か悩んでるのなら言ってくださいね?お姉様のことですし、抱え込むなんてことはしないと思うんですけど……」


「悩み事!?やっぱり、この国にいるのが心配だからか!?外に出られないから!?いつ見つかるかヒヤヒヤだから!?ご、ごめんな、気がついてやれなくて……でも大丈夫だ、あと少しだけ我慢してくれ。あと少しで全部綺麗さっぱり終わらせてくるから」


悩み事ではあるけどそんな大きなことじゃない。


ていうか私、これじゃ迷惑かけてるのと変わんないな。何やってんだ。これもアレです、『ううん、私は大丈夫、心配しないで!』って言って後で何かあるやつ。同じことしてるよ私。


「本当になんでもないから!外に出られないのは自分のせいだし、私より兄さんが嫌なんじゃないかな、って思ってて。兄さんが大丈夫っていうなら心配することはないって思ってるから……本当に、大丈夫。焦らないでゆっくりで大丈夫だし」


まあ本当に大したことじゃないしね。……みんながコイツ何もしねぇな、みたいなこと思ってない限り。お、思ってたら何か言うよね、思ってないよね!?


「ローズのせいじゃないだろ。仕方ないことなんだし。それに俺はローズと居られるのならどこに居ようと苦じゃないし楽園だから心配するな。うん、うん。大丈夫。大丈夫だ。安心しろ」


「まぁ、ゆっくりやってあまりいいことはなさそうだよ。シンくん、攻めると前に言っていたけど具体的な案はあるのかい?」


柔らかな笑みを浮かべて兄さんは私の頭を撫でる。ミーシャは少し表情を動かしたけど、他の人は何の反応もしない。慣れか。


「うーん、人数さえわかれば俺の考えてるのでいけると思うんです。問題は、抵抗力が未知数ということ」


「うんうん、どんなことをしたいのかは大体想像できたよ。それはやめておきなさい。無茶すぎる」


私には全くわからない。

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