とある宗教の黒い闇
後編
三人称書くの久しぶり過ぎて辛かったです後日書き直します
後半一人称
「俺はアレだよ、アレ。もうそういう領域過ぎてるから。そんなこと言ったら前のはどうなの、元同僚くんたちいたでしょ」
「同僚?なんの話です?検体は検体じゃないですか。てか領域ってなんですかそれ〜」
薄暗い部屋に笑い声が響く。
笑い話しながらその後も2人は、扉がノックされる音が響くまで作業を続けていた。
「あれ?なんだろ。今日……あ」
「あ、ってまた何か忘れてたんですかぁ〜?開けますよ?」
白い服の男が部屋の扉を開け、ノックした外の人物を中へ入れる。入ってきたのは同じ真っ白な衣服に身を包んだ男だった。
「エルピス様。お時間です。……正確に言えば遅刻です。皆さまお待ちしております」
「うわぁ〜怒られる〜。ま、いっか。どこまで進んだ?」
「5段階目、って感じですかね」
「結構いったね、じゃあいいや、終わりにしよう。壊しちゃったらもったいないし」
2人が話している間、新しくきた男はそのまま何も言わず立っていた。
エルピスが機械を操作してから立ち上がる。駆動音がだんだんと収まっていった。
「行こっか。ごめんねぇ、待たせて」
「いえ。不利益を被るのはエルピス様ですので全く問題はございません」
男の返事にエルピスは肩を竦め、もう1人の男は口を押さえて笑っていた。
3人の男が部屋から出て行く。
●●
エルピス様は凄いお方だ。
何が凄い、ってそれは見ればわかる。
まず、全部。全部だ。全部凄い。実力、権力、なんでもあるし。ここに来て今の地位に着くまでたったの数年しか経ってないってのも凄い。エルピス様の立場が、数年で着けるような地位でないのは自分だってよくわかる。でもその権力は自分がしたいことを好きなようにするために欲しいって言ってたのも凄い。
そのしたいことっていうのがいつになってもわからない。
他の人よりエルピス様に近い位置にいるっていう自覚はある。長い時間2人でいることも多いし、前は1人でしていたという実験の手伝いもさせてもらえるようになった。
でもわからない。
上に絶対的に従ってる訳でもないから、この実験だって上に言われたからっていうのと自分のしたいことが合ってるからしてるんだろうし。したくないことはしない、それか出来ませんでした〜失敗しました〜ってしてるから。
本心のわからない人だな、とは思う。他人のことなんてただの駒、使えるから使ってるって感じで。あ、使えなくなったら即捨てられるよね。自分だってそうだ。いつ、自分がしていることをされる側になるのか、ってエルピス様といる時はいつもビクビクしてる。
ビクビクしてるのを隠すように、口調が軽薄になるんだけど。
それは癖でもあるか。いつもそんなだからエルピス様の前でも同じようになる。いつもと変わらない、大丈夫だと思い込むみたいに。
エルピス様はここにいる時と外にいる時とで話し方が違う。どちらが素なのかはわからない。どっちも素だと思うけど。
ここしばらくの間エルピス様はここへ来ることはほとんど無かった。少し前はしょっちゅう転移で来ていたのに。
そう、転移だ。エルピス様は光属性のお方。ルス教においてそれほど素晴らしいことはない。髪色も金で、まさに至高の光、という感じがする。地位はそれのおかげもあるのか?万能の光属性でも、転移には代償が必要だという。
その代償はどうなっているのかと聞けばエルピス様は笑顔で『え?そんなの検体に任せてるに決まってるじゃん。あんな辛い思いする意味ないよね、すぐ治るとはいえ。あ、その検体見る?いつもいつもそれの反応が面白くてさぁ、そこに転移するんだけどそろそろ壊れたかな?いつもの保管方法で保たせてるけど最近それじゃ間に合わないくらい転移してるからなぁ。腐る前に処分しなきゃね。ま、闇なんてこういうのに使われるのが────』以下省略。延々と話されていたから。
同感でしかなかったからその時の話を聞くのは苦ではなかったな。
闇だなんて穢らわしい。教会へ入れることさえしたくはないし、見たくもない。だけどこれも主のためになる。ルス教が広まるのなら、主も喜ばれるから。
だから今日も仕方なく、最も穢らわしきものを目に入れる。
ただ1つ、それが恐怖に染まった表情で壊れて行く様を見るのはいつになっても素晴らしいことだと思う。
書き直しても変わる気がしない
散々もう一つの作品『三人称』で書いていたのに少し書かないだけでこれとは……
すみません、努力します。




