第26話 チャラ男はチャラ男としか見てないですね。
短いです
だってお姉様とても楽しそうな笑顔でしたよ?というミーシャの言葉を聞いてノアの言葉にも兄さんの言葉にも納得した。うん、言うわ、私でも。
言うし引くよね。魔法使って魔物倒して、笑ってたら。怖いもん。
「いやぁ、ローズちゃんほんと強いねぇ。その魔法ってどこで知ったの〜?闇属性の知り合い、セネルちゃん以外にもいるの?」
「いない」
魔法は独自のだし、言うつもりはない。ていうか闇属性の魔法、本もほとんどないのにどうやって知れと?
そして“知り合い”はいない。ただ私が一方的に知ってる人ならいるんだけど。貴族の。しかも光と闇の2属性。だから言う必要はない。
「いないのか〜。じゃ、魔法は?どうやってあんなのやってるの?」
なんだろう、いつもならチャラ男、1回目で答えなければそのまま次の話題に勝手に持ってくんだけどな。そんなに知りたい?なんでだろ。
チャラ男が光だからとか?正反対の闇を知りたい、みたいな。ならわかるな。チャラ男の目的は光魔法について知ることらしいし。
まあ言わないけど。
「普通に」
「えぇ〜、普通にそんなのできるぅ?闇ってさ、ほとんど文献無くない?もしかして自分で編み出した独自魔法だったりするの〜?そうだったらそこら辺ちょっとたくさん知りたいなぁ」
独自魔法。確かに私の魔法は独自魔法。普通の水、火、風属性はもう魔法が出尽くしてるから独自魔法なんて編み出したらそりゃものすごく有名になれる。でも私は闇属性。本にも書いてないし、周りにも教えてくれる人がいないのなら自分で作るしかない。
知られてないから自分の使う魔法は全部独自魔法。こう考えたら私結構すごいかも?
「そうすることで私に何か得はある?私、完璧に信用してないからわざわざ自分の手の内晒すような馬鹿なことするつもりはない」
ノアとミーシャほどじゃないけど、チャラ男は胡散臭いし苦手だしで完璧に信用はしてない。できるわけないよね。
もしもの時があるから。
ラクスの時、みたいに。
「うっはー。言われちゃった。受け入れられてないのはわかってるしこれでじゅーぶんなんだけどさ〜、はっきり言われると悲しいなぁ。もっと仲良くなろ〜よ〜」
悲しいなんてちっともそんなこと思ってなさそうな表情でチャラ男はそう言った。私は無視した。




