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隠し攻略ルートは悪役の私!? 〜乙女ゲームの悪役に転生しましたがヒロインから女神と崇められています〜  作者: 絡鎖
第3章 悪役の私の兄が世界的な宗教をひっくり返す。(予定)

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第19話 推しと私と危機感と。

真ん中らへんに短く三人称あります。

夜。昼間あんな風にわちゃわちゃしてて進めるわけもなく、野宿になった。大所帯で野宿。最初の見張りはセネルとエスペラールでした。


まあ兄さんの結界があるから見張りはなくても問題ないんだけど、人の目で見てた方が安全なこともある。


ほんと大人数。人増えた。ナラルさんにノア、私。後からミーシャ、兄さん。そしてチャラ男、セネル、エスペラール。計8人。倍以上。最初3人だったのに。ナラルさんとノアからしたらもっとか。2人だったもんね。


で、だな。


「……あつい」


セネルとエスペラールの見張り番が終わり、今はノアがしている。


そして私は兄さんとミーシャに抱きつかれて寝ていた。


おとといノアと寝たのが理由だと。まだ収まってなかったのか……。それを見たミーシャがじゃあ私も!と言い出し、反対側の隣につく。挟まれた私。暑い。


寝れないです。


兄さんの体温が結構高いんだな。あれか、余分な肉はないけど筋肉が多いからみたいな。


ミーシャはその、まああれですよ。私にはないものを持ってるから。ミーシャ曰く、『ラフィほどじゃないです〜』だとさ。ラフィは、フィオのこと。確かにフィオも結構あったなぁ……はは。


これはもう、見張りで仕方なかったって言って離れるしかないよね。


でも私の番はチャラ男の後!ノアが終わって、チャラ男がやって、その後なんだ!まだまだ時間がある。


少しは寝ておきたいですね。


暑さを意識しないようにして寝よう……。私ならできるさ。







●●






「【我が光において命ず。均衡を崩し、内から蝕むものよ】」


仄かな光が動く。どこか歪み、燻んだ光だった。


「【汝我が手中にて消え逝く】」


その光は、あるところまで行くとその中まで入り込み消えた。


「これも神の意志」






●●








「もしかしなくても絶対そうなんだろうけどさー、一応?聞くよ?」


「何を」


「え?だから、ルス教が追ってるのってローズちゃんたちってことを」


ああ。そういうことか。


…………………………。


いやなんで知ってるの。


「だったら、何」


「アハ、合ってた。怒んないでって。別にだからどうしたい〜とかじゃないし?ただ確認したかっただけ」


「貴方はそれをどこで知ったんですか?」


別に怒ってはない。もしそれで何かする、もしくはルス教に告げ口する、とかだったらやばいなって思っただけ。


後ろを歩いてたノアが話に入ってくる。チャラ男と私の間に入って。有難い。兄さんは今ナラルさんと話してるから私の隣にはいない。


「え〜、考えたらわかるって〜。ホラ、魔法について調べてるって言ったじゃん?それで最近ルス教の司教がいる教会に行ったわけ。そこで話をきっ……危ないなぁ、それ閉まって?」


ルス教の司教がいる教会。それを聞いた途端ノアが短剣を素早く取り出し、チャラ男の首元へ当てた。目が怖い。


これ今歩いてるんですね。それで突然ノアに刃物突き付けられて驚き立ち止まらないチャラ男もチャラ男だけど、利き手じゃない左手で短剣を引き抜き、ピッとチャラ男の首数ミリ手前に持ってくるっていうことをしているノアもノアだと思う。ノアが立ち止まってたらチャラ男の首はやばいことになってましたね。


「理解しているはずだ。貴方は光。ローズは闇。ルス教は闇を悪とし、世間的にも闇属性の者は闇というだけで忌避されます。だが貴方は?至高とされる光、面倒なことになると言っていたのにルス教の教会へは行く。あそこは光属性の者は何としてでも取り込むという性質がある。闇を何としてでも潰すのと反対で。なので光属性の者が教会などに行けばすぐにわかってしまうはずです。その人物が光属性の者だと」


僅かに短剣の刃の角度を変え、ノアは続ける。残る右手はいつでも魔法を使えるように準備して、私の前で広げられている。


「さて貴方の目的は?なぜここにいるのです」


あれ?これって私も戦う準備するべきなやつ?前にいる5人は今の状況に気がついていない。


「あー……降参降参、剣を下ろして。いやぁ、そんなつもりないって。今言ったのも、光について調べ物したいってのも嘘じゃない。ちょっとした実験をしたくてさぁ。教会に行ったのも本当だよ?君たちだってできるだろ、魔法を薄くするのは。魔力って言うべきなのかな?光だと感知されずに行くことくらい、どうってことない」


ニコニコとした笑顔のまま、そう、チャラ男は言った。信用ならんな、チャラ男だし。……でも、何かするつもりならもっと前にしてるか。チャンスはたくさんあったし。


ノアがチャラ男に鋭い視線を向けたまま、短剣を下ろす。私はこんな時なのにノアのそんな表情に興奮してきてしまった。


はぁ〜〜〜。


いつもはさ、優しい表情なわけ。穏やかで、すぐに笑いかけてくれて。でも今は!見てこのキッ、って真剣な顔。視線だけで切れそう。このギャップですよ、前世の私がノア最推しになった理由って。今でもだけどね!はぁぁぁああ、久し振りに推しがしんどい。


「僕は貴方を信用しない。シンが黙っている内は僕も黙っておこう。彼はローズを一番に考えて動くし、今回のことでも適切に状況を判断して最適な指示を出す。だから僕は彼の判断には従う。正しいから。ただ、彼も完璧じゃない。ローズは恵まれているから彼以外にも彼と同じようなことをする者はいる。役割を変えて。鉄壁の守り、心の安らぎ、影での支え。なら僕は貴方を一番警戒しておきましょう」


……え?チャラ男ってなんかそこまでヤバイ感じなの?私危機感なさすぎ?鈍感?そんなに?


「…………ははっ。俺そんなに信用ない〜?なんで?ミーシャちゃんにも嫌われてるし、今度はノアくん。え〜、酷いなぁ、もう。俺何かしたぁ?」


ちょっとじゃなくウザいだけかなぁ。


私が思うチャラ男はほんとにそれだけ。後は個人的に苦手。


うーん、わかんない。あの兄さんだってチャラ男がここにいること許してるんだし、心配ないと思ってた。ミーシャはめちゃくちゃ嫌ってるけど。なんかなぁ。シーナがいれば何か違うのかな?珍しくここ数日見ない。


チャラ男が来てから見てないんだ。兄さんだって時々シーナのとこ行ってたのに行ってないし。何してんだろ。


「秘密を持つのはいいことですが。開示具合、間違えてますよ」


表情を緩めることなく、ノアはチャラ男を一瞥すると私の背を押し前へ進む。


あんなこと言ってた後でチャラ男が後ろにいる状態で進むってなんか怖いんだけど。これいいの?


「……ノア、どうしたの」


「すみません、突然。何て言うんでしょうね、勘……みたいなものです」


チャラ男が後ろにいるし、あんまり言えないか。



ああ……それにしても私は危機感がない。


だって、ノアのあの敬語のない長い言葉を聞いてただけで興奮度が上がってるんだもん。

あらすじ加筆しました。

よろしければご覧ください。

今の3章と、4章予告…みたいなものです。

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