ルス教
第三者視点、セリフのみ
そして短いです。
ルス教の話をしよう。
ルス教は、唯一神ルスを崇める宗教だ。光魔法こそが全ての頂点で、至高の存在。
信者数はこの世界の宗教の中では1番。10人いたら4人はルス教信者だ、と言われている。熱心な信者とそこまで熱心ではない信者に分かれるが、信者であることに変わりはない。
世界の大多数の人が思うルス教の信者とは、狂信者だ。
闇は絶対悪。世界のどの人もそういうが、信者たちはそれ以上に闇属性の魔法を忌避する。闇は駄目、残らず消し去らないといけない。
ルス教に伝わる神のお告げにも、『光こそ闇を打ち払うものなり』とある。
現在ルス教は信者獲得と権力拡大のため活動している。本拠地であるアルカーナ国がルス教に乗っ取られるのも時間の問題だと周辺の国々は話している。
ルス教がアルカーナ国の頂点になればすぐにでも戦争が始まるだろう、とも。
アルカーナ国はルス教が国教の国だ。周囲を森に囲まれた国で、秘密が多い。そんなに大きな国ではないが、この国を敵に回せばルス教を敵にするのと同じことになる。
どの国も神を信じる心くらいはある。
だから神に刃向かうのか?と言われれば剣を下ろすしかない。
ルス教が国を持つことは阻止すべきことであり、だがそれは難しいことでもあった。
●●
「下の者たちは、今回のことで疑心感を抱いている者も少なくありません」
「放っておけ。その内そんな声も消える。彼らを捕らえることができれば、な。優先すべきことはわかっているだろう。まだわからないのか、闇を庇い光魔法を使う者の素性は」
「まだわかっていません。何か妨害するものでもあるのか、特徴すらわかっていない状態です」
「特徴すら?おい、光属性の者を残らず駆り出せと言ったはずだろう?それでもわからないのか?」
「光属性の者の実力が高いのか、それとも例の闇属性の者の魔法によるものなのかはわかりませんが行った者たちは魔力を取られていたり、精神を病んでいたりと全て返り討ちにされています。話せる状況でもありません」
「なんなんだ……何が、起こっている……?だがまさか本当に神罰ということはあるまい。あっちはどうなっている?」
「順調です」
光を1番とする宗教でも中身は闇に覆われている。
よくある話だ。
ねぇよ




