26話
出場口につくとちょうど試合の終わったところでした。
結果としてはマルスが勝ったらしい。相手は二年で最強らしいのだがやっぱりあの投げシールドが決め手だったらしい。さすがに鍛えている男子なので前の試合ほどの重症にはならなかったようだが、おかげで少し試合開始が遅くなってしまった。
ちょうどよかったといっていいのかどうか。
試合会場に上がるといまだざわざわしている。
対戦相手のジョーダンも少し困惑しているようだ。
「どうする?こんなんでも試合するか?」
「まあ、雰囲気はしょうがないでしょう。それにマルスにちょっと痛い目に遭わせてやりたいのでさっさと終わらせましょう」
「さっさと終わらせるのは確かに同意できるな」
二人で構える。ジョーダンが構えるのは槍。槍術スキル持ちなのかね?
手の内を見せてこなかったのは好意が持てる。こちらは剣しか使っていないし間合いの面から考えても明らかに俺対策なのだろう。
まあどっちにしてもこっちには剣しかないんだけどね。
こちらも構えて試合開始
リーチが長い、とはいえ突いてくるのをかわし懐に入る。が、石突でディフェンスに入る。
やはりスキルかも知れないな。でもそこまでかな。今度は突いてきたものをそのまま剣で滑らせて受ける。
拳に剣が直撃する。間合いが近いのが敗因ですよ
長槍は片手では使えない。そのままラッシュで勝利できました。
「そんな戦い方ってのもあるんだな」
ジョーダンは面白そうに言ってきた。怒られなくてよかったよ。昔なんかの漫画であったんだよね剣は早くても拳を狙えばってやつ。
「邪道だよ。あまりできる技ではないよなぁ」
申し訳ないね。きちんとした打ち合いでもよかったんだけどあまり手の内を見せたくなかったんだよね。
控室に戻ろうとしたらドロシーがいた。
「どしたの?なんでここに?」
「次の試合の出場口がこっちなのよ」
ああ、基本ボクシングみたいに対角で出るからな。同じ方からは出れないだろう。
「でも本当はこっちから出るのはファムだったんだけどね」
あ、ジト目で見られた。あはは。
「笑ってごまかさない!何やったの?あの子が怒るなんて見たことないわよ」
「あれ?本人から聞いてないのか?」
「うん、聞いたけどすごく怒ってて、教えてくれないの」
「うーん、そこまで怒らせてたのか」
鑑定入れただけなんだけどな
アンバーに頼んで今ドロシーのステータスを見てもらう。
ドロシー・シャロン(13歳)
LV 25
HP :302/355
MP :472/499
ATK :70
DIF :84
MATK:195
MDIF:220
INT :65
【N】 水魔法 LV2
【SR】 風魔法 LV5
剣術 LV4
って、なんで一週間で2もレベル上がってるんだ。
「どんな感じだ?」
「何のこと?」
「今、ファムにしたのと同じことしたんだが」
「何もないわね」
これじゃ伝わらないな。
「とりあえずステータス鑑定をかけてしまったんだよ。試合中に。で、おそらく集中を乱したから怒らせたんだよ」
「ラウル、鑑定できるの?」
「言ってなかった?まあ体力、魔力しか読めないけどね」
ごまかしておく、そもそもステータスに反映されない技能だった。まあドロシーくらいなら問題ないか
「まあ、よくわからないけどきちんと謝っておきなさいよ」
不思議な顔してドロシーは試合会場に行く、戻るのもなんだしついていくか。




