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第二十五話

 ダルヴァが連れてきた二人組はダークエルフの男女で、男性プレイヤーはジェイス、女性プレイヤーはゼネドラというらしい。

 どちらも銀髪に透けるような白い肌という、一般的なダークエルフのキャラクターメイクである。

 ジェイスは黒檀製の軽装胴鎧の上からゆったりとした黒いコートを羽織っている。

 武器になりそうなものは身に着けていない。

 おそらく魔術スキルをメインに伸ばしている魔術師だろう。

 両手首で輝く、大きな宝石の嵌めこまれた腕輪が目を引く。

 ゼネドラの装備は、薄手のボディスーツの要所を黒檀の板で補強した物で、見方によってはうさんくさい忍装束のようである。

 背中に弓と矢筒、腰には二振りの短剣。

 ベルトには見るからにやばそうな緑色のポーションが何本か差し込まれている。

 ゼネドラを一言で現すなら、暗殺者。

 これ以外にはないだろう。


 立ち話もなんなので、晩飯でも食べながら親睦を深める事にした。

 鍛冶小屋の表に設置されている六人掛けのテーブルの向かいにダルヴァとジェイス、ゼネドラが座り、こちら側には現在俺だけだ。

 ジュディには晩飯の用意をして貰っている。

 料理スキルと食材を加工するための刃物、火とフライパンさえあれば大抵の料理が出来てしまうのはゲームならではといったところだ。

 火は鍛冶用の炉でも問題はない。

 炉の上でフライパンを振るう姿はちょっとシュールな調理風景だが、出来上がる料理は絶品だ。

 ジュディのおかげで俺達のゲーム内での食生活は劇的に改善されている。

 動物調教と音楽はともかく、料理はちょっと微妙かなと思っていた過去の自分を叱ってやりたいくらいである。

 メリルはジュディの手伝いだ。

 ゲーム内でもリアルでも料理スキルの無いあいつに手伝える事など何も無いのだが、こっちにいたって話の腰を折るくらいしか出来る事は無いのでジュディに面倒を見て貰っている。

 さすがジュディは高ランクの動物調教スキル持ちだけあって猛獣の扱いは手馴れたもで、周囲をうろちょろするメリルと談笑しつつも、手際よく料理を作ってくれている。


「じゃあうるさいのが戻って来る前に片付けよう。そっちのお二人さんの目当てはこいつか?」

 テーブルの上に樹霊の魂核を転がす。

 ダルヴァに預けた分も含めて四つ全てジュディの物なのだが、当の本人が「記念に一個づつ分けましょう」と言って俺とメリルに一個づつ譲ってくれたのだ。

 何の記念なのか良くわからないが、ジュディの笑顔の前には些細な事である。

「話が早くて助かるよ。そいつは高ランクの木工製品で必要になる生産素材だそうだ。ジョズの奴に見せたら目を剥いて驚いていた。あいつのあの顔を見れただけでもお前らには感謝しないとな」

 ジョズというのは例の、ダルヴァのクランのサブマスターの名だ。

 口ぶりからすると、どうやら普段から相当やり込められているらしい。

「で、何個か必要だっつーんだがジョズの奴は完全な生産特化だからな。代わりにうちの採集班のジェイスとゼネドラを連れてきたってわけだ」

 ダルヴァのクランは生産者が寄り集まった互助組合のようなクランで、クランメンバーの多くが生産スキルに特化しているため戦闘は不得手なプレイヤーが多い。

 しかし生産に必要な素材のいくつかはモンスターを倒さなければ手に入れる事が出来ないので、そのための戦闘要員を何人か勧誘したらしい。

 採集班というのはそんな戦闘専門のメンバーの事を指すのだろう。

「俺達もここ一月程ダークエルフの領地周辺を探し回っていたのですが、何の手掛かりも見つからず仕舞いだったんです。そろそろ他種族の領地に探しに向かおうと思っていた所でダルヴァさんが魂核を持ってきてくれたので、助かりました」

 律儀に頭を下げてくるジェイス。

 それに釣られてか、ゼネドラもかくんと頷くように頭を下げる。

 ジェイスはともかく、ゼネドラは会ってからここまで一言も喋っていない。

 無口なのだろうか。

 俺の視線に気付いたのか、ジェイスが更に深々と頭を下げる。

「す、すいません!こいつ人付き合いが苦手で、初対面の人の前だと何も喋らないんです。初対面じゃなくても殆ど喋りませんけど……とにかく悪気があるわけではないので勘弁してやってください!」

「いや、別にそんなに謝るような事じゃないよ。ゼネドラも無理にとは言わないが、まぁ適当にくつろいでくれ」

 俺が努めて爽やかな笑みをゼネドラに向けると、ぷいっとそっぽを向かれてしまった。

 さすがに傷付くわ。

「おいっ、失礼だろ!すいません!ほんとすいません!」

「いいから、気にすんなって。で、結局二人はわざわざ前線基地まで何しに来たんだ?」」

 謝り倒すジェイスを落ち着かせて、話を戻す。

「あ、はい。良ければ樹霊の魂核がドロップする場所を教えてほしいんです」

「教えるだけでいいのか?古代樹の森にいるトレントだよ」

「えっ」

「えっ、何?」

 ジェイスは話が違うとばかりにダルヴァに呆けた顔を向けている。

「むはは、まぁこんな感じでな、『俺が見つけたわけじゃない、拾ってきた本人に直接聞け。教えてくれるかどうかは知らんがな』って言ったもんだから、簡単には教えて貰えないとでも思ってたんだろうよ」

 しかめっ面を作りながら唸るように呟いた後、悪戯が成功して喜ぶ悪餓鬼のように笑うダルヴァに呆れた視線を向ける。

「そりゃ方々で言い触らされても困るが、情報を集めてきてくれって預けた時点である程度の情報の拡散は織り込み済みだよ。なんで身内にまで隠すかねこのオッサンは」

「まぁお前らは俺の身内のようなもんだろう、こいつらもそうだ。けどこいつらとお前らはまだ身内って程の仲じゃ無いだろう?それにそのアイテムが必要ならどっちみちここには来なきゃならないんだ。それならお前らに教えるかどうかを判断してもらったほうが間違いは無いだろう?」

「言っている事はわかるがお前の態度が気に入らない。ニヤニヤしやがって絶対ジェイスをおちょくって楽しんでるだけだろ。」

「まぁそうだな。からかうと面白いんだこいつ」

 くつくつと笑うダルヴァに、ジェイスは立ち上がって猛然と抗議する。

「また騙したんですか!?ひどいですよダルヴァさぁん!」

「な?」

「確かに面白いな」

「そんな、ガイアスさんまで!?」

 望みが絶たれたと言わんばかりにがくりと肩を落とすジェイス。

 動きに乏しいゼネドラとの対比で余計に感情の起伏が激しく見える。

 これまでも散々ダルヴァに弄られてきたのだろう。

 なんだか可哀想になってきた。

「まぁそうへこむなよ。お詫びと言っちゃなんだが、魂核集めするんだろ?手伝うからさ」

「いいんですか!?」

「まぁ俺達も古代樹の森が今のメインの狩場だから、ついでにな。そのかわりジュディの分の装備も作って貰えるように頼んでおいてくれよ」

「それはもちろん!よろしくお願いします!」

 満面の笑みで一際深々と頭を下げるジェイス。

 なんか犬みたいな奴だな。

 ゼネドラは……猫だな。

 種族がライカンじゃないのが残念だ。

 二人ともさぞ獣耳が似合う事だろう。



「お待たせしました」

 話が纏まった所で、ちょうど晩飯の支度も終わったようだ。

 テーブルの上に次々と料理が並べられていく。

「おお、相変わらず美味そうだな」

 ダルヴァに褒められて恥ずかしそうにはにかむジュディ。

 そしてなぜか自慢げな表情のメリル。

 お前が一体何をした。


 前線基地は僻地故に食料が豊富とは言えず、まともな料理が出てくるのは中央区の酒場くらいの物だ。

 マールの道具屋店などでも食材は手に入るが、そこで手に入る食材は最低限飢え死にしないようになんとか揃えましたといった残念な品揃えなので、決して豪勢なメニューとはいえない。

 だがジュディの料理スキルに掛かれば、どんな食材も食欲をそそる香りを放つご馳走に早変わり。

 前線基地の住人よりは普段の食生活が満たされているであろうジェイスとゼネドラも並べられた料理に目を輝かせている。

 特にゼネドラは先ほどまでのどこかぼんやりとした雰囲気が消えて、待ち遠しいのかそわそわしている。

「あー……まぁとりあえず、食べるか。冷める前にな」

「……ほんとなんかスイマセン……」

「いっぱい食べてくださいね」

 皆で手を合わせた後、料理に真っ先に手を伸ばしたのはゼネドラだった。

 こいつも案外面白いな。



「まぁそういう訳で、これから少しの間古代樹での狩りにこの二人が同行する事になった」

「そう、よろしくね二人とも」

「よろしくお願いします」

 食後のハーブティーを楽しみながら、メリルとジュディに先ほど纏まった事を説明する。

 特に揉める事もなく、あっさりとした物である。

「いえ、こちらこそ足手まといになるかもしれませんが、精一杯頑張りますので。いざとなったら俺もこいつも見捨てて頂いて結構ですから」

 かくかくと無言で二度頷くゼネドラ。

「なあ、俺も一緒に行っていいかな?」

 いかつい見た目からしてとても似合いそうにないのに、案外様になった仕草でハーブティーの香りを楽しんでいたダルヴァが、ふと思いついたように言う。

 突然の発言に、ダルヴァ以外の全員が呆気に取られる。

「正気か?一回でも敵に絡まれたらまず助からないぞ」

「ダルさんチャレンジャーだなー。まあ、来たいなら来たらいいんじゃない?襲われたら助けらんないと思うけど」

「ダルヴァさんは鍛冶師さんじゃないんですか?大丈夫なんですか?」

「いきなり何言ってるんですか!もしダルヴァさんがロストでもしたら俺がジョズ兄さんに怒られるんですかね!?」

 無言で首を振るゼネドラ。

 短い付き合いだがかつて無い程に真顔だ。

「おう……こんなに反対されるとは思わなかったな。仕方ない、別の護衛を探すか」

 これだけ言われても諦める気は無いようだ。

「……世界樹の森に何かあるのか?」

「そういう訳じゃないんだが、樹齢何千年という森なんだろう?せっかくだから拝んでみたいじゃないか。それに案外まだ見つかってない鉱石があったりするかもしれんし、とにかく一度行ってみたいんだよ」

 こいつ、さも今思いついたかのように言ってるが、これは最初から着いてくる気だったな。

 魂核のようなアイテムが他にもあるかもしれないと思っているのだろうか?

 何にせよ自分から行きたいと言い出して俺達は止めたんだから、後は自己責任だろう。

 ロストされても後味が悪いし、気軽に頼める鍛冶師がいなくなるのは困るのでなるべくフォローはするつもりだが。

「仕方ないな。ジェイス、諦めろ。これは連れてくしかなさそうだ」

「はっはっは、悪いなジェイス。ロストしたらジョズに謝っておいてくれ」

「あああああ胃が痛い……」

 胸を押さえて机に突っ伏したジェイスの頭にゼネドラの手が載せられる。

 慰めているのだろうか?


「じゃあ、悪いが俺達はさっき戻ってきたばかりだから、色々と補給を済ませないとならないんでな。一時間後にここに集合でいいか?」

 前線基地に帰ってきてから直接鍛冶小屋に来たので、まだポーションの補給や新しいSAの習得などを済ませていない。

 もう日は落ちているが、前線基地内の商店やスキルトレーナーが寝静まるまでは時間に余裕がある。

 一時間もあれば再び狩りに出発する準備は整うだろう。

「あ、ポーションでしたらゼネドラが毒薬学スキルを上げてますから、買う必要はありませんよ」

 ぷいっと顔をそむけながらも、ちいさく右手でピースしているゼネドラ。

 毒薬学というのは名前は物騒だが、ちゃんと回復ポーションも作成できるダークエルフ限定のスキルだ。

 他種族の薬学スキルとほとんど同じスキルだが、作成出来る通常の回復ポーションの効果が低く毒薬の効果が高くなるらしい。

 毒薬の知識に長けているダークエルフにとって薬と言えば毒薬のことを指すのだろう。

「そうなのか。そりゃ助かるな。装備の手入れはダルヴァに頼むとして、じゃあSAを習えばすぐにでも出発できるな」

「さっきの晩御飯で食料殆どつかっちゃったから、それも買わないとなんないわよ」

「そうか、じゃあまず道具屋だな。それじゃあ三人とも、また後でな」

 相変わらずそっぽ向きつつも、ひらひらと小さく手を振っているゼネドラ。

 少しは打ち解けてきた、と思っていいのか、あれ?




 最早常連となったマールの道具屋で食料を買い付ける。

 料理スキルを上げているプレイヤーは少ないので品切れの心配はあまりない。

 果物や野菜などは調理しなくてもそのまま齧れば空腹度は回復しそうなものだが、ちゃんと料理スキルで調理しないとただアイテムを消費するだけで何の効果も無いため、余計に購入者は少ない。

 他のプレイヤーの多く、耐え難い程まずい保存食で狩りの間の飢えを凌いでいるのだろう。

 ご苦労様と言いたい。

 いつもなら一緒にポーションも買うのだが、幸いゼネドラのおかげで今回は買う必要が無くなった。

 相も変わらずポーションは品薄続きなので、その点だけでもジェイス達の魂核集めを手伝うメリットはある。。

 しかしゼネドラを見ていると素で間違えて毒薬を渡されそうな気がするが、ジェイスがそのへんはしっかり管理してくれると信じたい。

 纏め買い割引と常連割引、さらに普段過剰な値引きに眼を光らせているマールが店の隅で既に寝ているという事で店主のマロウさんは更に割引してくれた。

 有難いのだが値下げ交渉の余地が無くて交渉スキルが上がらないというのが悔やまれる。

 経営は大丈夫なのかと不安になりつつ、食料の補給を終えた俺達はマールの道具屋を後にした。




 お次はSAの習得だ。

 俺とメリルは新しく習得できるSAは無いが、ジュディは動物調教と楽器演奏スキルが90.0に達したので新しいSAが習える。

 動物調教系スキルについては、お金を払って一定値までスキルを上げてくれるスキルトレーナーは前線基地にはいないが、SAを教えてくれるNPCはちゃんといる。

 封印スキルを除くスキルのSAは全ての拠点で習得出来るようになっているのだ。

 前線基地の動物調教系SAのトレーナーNPCは元狩人のノスフェラトゥで、現在は酒を飲むのがお仕事なギルゼンという老人だ。

 かつては凄腕の狩人だったそうだが、愛犬と右足をモンスターに食い千切られてからは昼夜を問わず飲んだくれている。

 人気の少ない東門側の酒場、その奥まった場所にある一番薄暗い席にギルゼンはいつもと同じように座って酒を呷っていた。


「チッ、また来たのか小娘」

「今晩は、ギルゼンさん。またシェニールのお話を聞きにきました」

 シェニールというのは今は亡きギルゼンの愛犬だ。

 シャミルなどもそうなのだが、どうもスキルトレーナーというのはまともな訓練をしてはいけないとでも設定されているようで、ギルゼンの場合はかつての愛犬との思い出話を聞く事でSAを習得する。

 ちゃんとSAが習えるならいいのだが、開発は何を考えているのだろう。

「……もうあいつの事で覚えてる事なんて少ししか残ってねぇよ。聞きたいなら今日の酒代を置いてきな」

「わかりました」

 テーブルの上に数枚の銀貨が置かれるのを確認すると、ギルゼンはぽつぽつと語りだす。

「……シェニールはいい猟犬だった。俺のような男には勿体無い程のな。あいつとの最後の狩りの時、あいつがあの化け物に食われちまった時の事さ」

 ギルゼンはグラスに残っていた酒を一気に飲み干すと、深く息を吐く。

「俺はあの化け物を一目見ただけで死を覚悟したよ。どんなぼんくらだって一発で理解できるくらい奴は別格だった。俺は片足を食われただけでブルっちまって何も出来なかった。しかしシェニールは凄い奴さ。あいつは俺なんかとは違った」

 だんだんと言葉が熱を帯びてゆく。

「所詮あいつはただの犬っころさ。犬の中じゃとびっきりの猟犬てだけの話だ。それなのにあいつは、あの化け物の喉笛に噛み付いたんだ。身体を半分に食い千切られてもなお、な」

 ギルゼンは酒を飲むのも忘れているようだった。

 いつもの胡乱に濁った瞳はギラついている。

「よく覚えておけよ小娘、俺達の相棒ってのはな、主人と認めた奴のためならそういう事が出来るのさ。どんな化け物相手だって怯むことなく臆することなく戦える。俺のようにはなるな、相棒を半分にちぎられて目の前で平らげられて初めて気付くような、愚かな男のようにはな……」

 もう帰れ、と呟いて、ギルゼンは再び酒を浴び始めた。


「勇敢なる猟犬シェニールに乾杯!」

「ひゃあ!ヴェ、ヴェルナールさん!?」

 シェニールの最期に絆されて半泣きになっていたジュディの背後には、いつのまにやら吟遊詩人のヴェルナールがグラスを片手に立っていた。

 ヴェルナールは日が落ちると前線基地内のどこかの酒場に出没する。

 今夜はこの東門側の酒場が彼の仕事場のようだ。

 ギルゼンとヴェルナールは顔を合わせれば喧嘩ばかりしているが、飲み仲間である。

「チッ、うるせえぞ音痴!お前なんざお呼びじゃねぇ!どっかいけ!」

「おお、相変わらず口が悪いなギルゼン。だが勇敢なシェニールに、まさに英雄と呼ぶに相応しい彼に、私は詩を贈りたい。お嬢さん、聞いていかれませんかな?」

「えっ、あ、はい、お願いします」

 差し出された帽子に数枚の銀貨を入れると、ヴェルナールはにこりと微笑んでリュートを奏で始める。

 相も変わらずの音痴だが、不思議と心を揺さぶられる詩が人気の少ない酒場に響く。

 普段はヴェルナールが歌いだすと大声で罵るギルゼンも、今回ばかりは黙ったまま顔をしかめて俯いている。

 歌い終えたヴェルナールが一礼すると、ちいさな酒場は喝采に包まれた。

「ありがとうございます、ヴェルナールさん。素敵な詩でした」

 まなじりの雫を拭いながら礼を述べるジュディに、ヴェルナールはやさしく微笑み返す。

「ありがとう、お嬢さん。しかしこの詩を歌う時は気をつけなさい。英雄と呼ばれる者は時として英雄であるが故にその身を滅ぼすのです」

 ヴェルナールの細められた瞳は、過ぎ去った何かを懐かしんでいるかのようだった。



【動物調教スキルのスキルアーツ【決死の覚悟】を習得しました】

【決死の覚悟】

 効果:ボスクラスモンスターとの戦闘時、ペットのライフが減少するほどペットの全ステータス値上昇。

 ボスクラスモンスターとの戦闘時、ペットの精神系状態異常の抵抗値上昇。



【楽器演奏スキルのスキルアーツ【英雄の賛歌】を習得しました】

【英雄の賛歌】

 効果:英雄の賛歌は指定した対象にのみ効果を及ぼす。

 指定された対象は、三十秒間状態変化【英雄の蛮勇】を得る。

【英雄の蛮勇】の影響下にある対象は攻撃力が二倍になる。

 状態変化【英雄の蛮勇】は三十秒経過後、【力尽きた英雄】に変化する。

【力尽きた英雄】の影響下にある対象は回避力、防御力が半減する。

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