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亜人と歩む ~瑠璃色王のレクイエム~  作者: 夏カボチャ 悠元
第二部 魔界偏 新に掴むべきもの
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魔界めぐりに家探し。

今回は魔王シアンの屋敷で喋りまくりです。

 シアンに全てを話そうとしたコウヤであったが、話しきれる物ではなかった。

 最初に幼馴染みと出逢い。祭りの日にソウマと出逢った事、ミーナとの出逢いダルメリアに運ばれた事、話せばきりがなく、話しただけ思い出が悲しくコウヤの心に突き刺さるようであった。


 そんな中、食事が運ばれてきた。初めて見る料理ばかりであったが、どれもとても美味しく。コウヤ達はその味つけに驚かされた。醤油と砂糖、味噌に塩と色々な調味料の使われた食事であり初めての味が皆の舌を楽しませた。


「どうだぁね? 和の国の料理は気に入っていただけたかぁな」


「はい、あと和の国って何処の事ですか? 聞いたことが無いんですが?」


 シアンが教えてくれた和の国、日の本と呼ばれていたが今は日本と言う。シアン達、魔族は島人の知識を魔界に取り入れた時から島人を無償で受け入れて魔界で暮らしてきた。


 最初は言葉もわからない彼等、島人は生きる残ることすら難しい。その為、時空島が現れるのを察知した時点で魔界から魔族数人が島人数人を背中に乗せて島人の救助と保護に向かう。


 その為、島人の殆んどが魔界に助けられ言葉を学び、活きる術を学ぶ、ある程度の知識を学んだら後は自由に魔界を出るもよし魔界で働くもよしと言う形になる。魔界に残った島人は自分の出来る仕事をこなす。そのお陰で魔界は独自の文化を作り上げたのだ。


「因みに今食べてる料理も島人の“サトウ”が作ってくれたものだ」


 コウヤは改めて魔界の進んだ考え方を目の当たりにした。アグラクトで仕事を探すならば、島人は名前を偽り、目立たぬように働くしかないからだ。


ーー食事が終わる。


「トーラス君、君達は此れからどうするのつもりだぁね?」


 シアンのいきなりの質問にコウヤは素直に答る。


「妹を、アイリを探しにいきます、約束したんです…… だから」


「あてはあるのかね?」


…………暫しの沈黙が部屋の中に広がる。


「一つ提案なんだぁが? 住み込みで私の元で働かないかぁね? 君は、まだ10歳、仕事を探すにしても限られてしまうぅね?」


 其れを受けようとしたが、ミーナとラシャが待ったをかけた。


「待ちなさいよ! コウヤの面倒は私が見るわ!」

「そうじゃ、コウヤは妾の客人じゃ! 状況が変わろうがその事実は変わらぬ」


 シアンは其れを見て笑っていた。


「すまない君達も含めて敷地内にある別館に住んで貰おうと考えたのだぁが? 不満かぁね」


「いえ、むしろお願いします」


 二人の間を抜けて、コウヤがそう言うと話が決まった。


 因みに一緒にきた別の種族、ゴブンリやオーク達も新しい居住地に家を建て始めていた。シアンは皆が思ってた以上に凄まじい早さで仕事をこなしていたのだ。


 全ての案件を確認し急ぎのもの以外は後回しにして、居住地に家を建設させたり、仕事の紹介に、子供達の学校への手続きと驚かされた。


「すまないがランタン、数名人探しに向いてる魔族を見繕って欲しいんだぁよ。トーラス君が私の元で働く間、代わりにトーラス君の妹さんを捜してもりいたいんだぁね」


 シアンの言葉にパンプキンが立ち上がる。


「ならば、私がその任を受けましょう」


 そう言うとパンプキンは部屋を後にした。


「まったく、ランタンの放浪癖にも困ったもんだ」


 シアンはそう言いながら溜め息を吐いた。


「さて、仕事は明後日から開始して貰うとして、今日は此方の屋敷に泊まってくれたまぁえ」


 コウヤ達は各自に用意された部屋に案内された。

 一旦ベットに座り眼を瞑る。シアンに言われて過去の事を話したが思い出せば涙しか出なかった。


「母さん、ソウマ、僕はいきなり色々ありすぎて、いっぱいいっぱいだよ……」


 そんな時“トントン”とドアを叩く音が鳴り、メイドの魔族がコウヤを御風呂に案内した。


 案内された御風呂は大浴場になっており、まるで小さな湖のようにも見えた。


 御風呂場にいるとコウヤの他にもう一人、入っている事に気が付いた。


「よう、トーラス君来たねぇ、体を洗ったら入りたまえ、今日は柚子湯だぁよ! 格別だぁよ」


 言われるまま体を洗い、お湯に入ると見たこともない果実が何個もお湯に浮かんでいた。


「手にとって嗅いでみなさい、いい香りがするんだぁ、和の国の果実でねぇ、世界の何処を探しても魔界にしかないんだぁな」


 シアンに言われ嗅いでみると甘酸っぱい清々しい爽やかな香りが鼻の中に広がっていく。


「トーラス君、さっきはすまなかったぁね、興味があると要らぬ事まで聞いてしまう性分で許してくれ」


「シアンさん、むしろありがとうございます。なんだか、いろんな事が在りすぎていっぱいになってたみたいで、今は落ち着きました」


 そして、二人は柚子に囲まれながら語ったのであった。


「トーラス君、大変だったんだぁね」


「はい、後……シアンさん。どうか、コウヤと御呼びください。トーラスと言われると少し恥ずかしくて」


 笑いながら二人で浴室を後にした。


「コウヤ、明日は忙しいだろうから早めに寝るんだぁよ」


「ありがとうございます。御休みなさいシアンさん」


 コウヤに手を振るシアンの表情はとても穏やかで少し悲しそうであった。


コウヤ達に与えられた別館に何があるのか?


シアンが最後に悲しそうな顔をした訳とは!

次回もよろしくお願いいたします。


読んでいただきありがとうございます。

感想や御指摘、誤字などありましたらお教えいただければ幸いです。

ブックマークなども宜しければお願い致します。

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