アサミ=クレストラ=ランタン3
いつもありがとうございます。
主人公に負けないくらい涙もろい作者です。
今回もパンプキンのお話しです。
パンプキンは手懸かりの無いまま、何年も旅を続けた。時には人間の町に足を運び、亜人達の集落にも行った。しかし、男と“時の超越者”は、見つけられなかったのだ。
パンプキンが魔界を旅立ち既に20年と言う時間が過ぎようとしていた。しかし、パンプキンは捜すのを辞めなかった。
もし、男が時の超越者を身に付けているならば、むしろ噂が広まるはずだからだ。
そして、アサミの死から、25年、遂に情報を手に入れた。ある山の中に何時までも歳をとらない不気味な男が暮らしていると言う話だった。
パンプキンは直ぐにその山に向かった。実を言えばこの手の話は過去にも何件か耳にしていた。
調べに幾度に人間の噂など、信用に値しないと思い知らされてきた。
しかし、パンプキンが今回向かった山に住む者は10年前に山に籠ってから姿が変わっていないと言う、パンプキンは其れを信じ、確かめる事にしたのだ。
そして、山の中で男を発見する。25年前に逃がした変わらぬ後ろ姿、間違う筈がなかった。
パンプキンは言葉を交わす前に攻撃魔法を発動する。両手に別々の炎を作り出した。
赤い紅蓮の炎と青い氷炎の炎
其れを全力で撃ち放った。
男は其れに気付いた。もし僅かでも、気づくのが遅れていたならばパンプキンの念願は叶っただろう。しかし、男は攻撃に気付いた瞬間に笑ったのだ。
不適にそして、まるで待ってたと言わんばかりに、にやけたその表情はパンプキンの怒りを更に掻き立てるものだった。
男はパンプキンに向け喋りかけてきた。
「いきなりだな、噂を聞いて俺のロストアーツを奪いに来たのか!」
男の言葉にパンプキンは怒りを通り越していた。
「お前のだと? ふざけるな…… 其れは私がアサミ=クレストラ=ランタン…… 愛する娘の16の誕生日に贈ったモノだ」
其れを聞き、男は表情を変えた。そして、男は自身が住みかにしている洞窟に向かって走り出した。
其れを追うパンプキンしかし、男はパンプキンの予想しない行動に出たのだ。
洞窟に入った男は直ぐに出てくるとその表情は勝利を確信した者の表情であった。
パンプキンは男に攻撃魔法を再開する。しかし、撃ち放った攻撃はそのままパンプキンに跳ね返ってきたのだ。
「これは!」
驚くパンプキンに男は言った。
「あはは! 俺が何故ワザワザ、あんな噂を流してるかわかるか?」
「噂をワザワザ流した? つまり罠ですか」
「少し冷静になったみたいだな! カボチャ頭、お前の娘から頂いた、このロストアーツ“時の超越者”を狙って来る奴が次から次に現れだしてな」
男は最初の頃は只、逃げ回るだけであり、毎日命を狙われる恐怖により夜も眠れない生活を送っていた。
そんなある日、“時の超越者”を奪いに来た人間の攻撃を避けようとした時、相手の攻撃が止まって見えたのだ。そして、男は避けたいと願えば時間がゆっくりと流れる事を知ったのだ。
男は其れに気付いた瞬間、狂気に走った。襲撃してきた人間を捕らえると、時の超越者の力を試す為に何日も拘束したのだ。男が気付いた時の超越者の能力。
1、自身が時間の停滞。歳をとらない、体も老いない。
2、時間の感覚を麻痺させる。最初は数秒だったが、コントロール方法を理解し数分から数十分、時間をスローにすることが出来る。
3、無機物の時間操作。使い手が生命体だと認識しなければ、時間を最大で24時間操作できる。途中解除不可。
4、時間を越える。時間の狭間に入ることにより別の時間に飛ぶ能力。ランダムなので、自分が何処に飛ぶかはわからない。
これが男が25年の年月で手に入れた時の超越者の能力であった。
そして男は語った。
「しかし、使い方が分かれば、後は簡単だった! 襲い来る奴等を返り討ちにしてやった。中にはロストアーツを所有している奴もいたお陰で!今では私は無敵だ」
男はパンプキンの攻撃をロストアーツにより跳ね返していたのだ。男が数多のロストアーツを所有していることを理解すると魔法による攻撃を止めた。
「わかりました。ならば私もロストアーツを使いましょう。そして娘との想いでの品を返してもらうぞ! 人間よ」
パンプキンはポケットから、巨大な鎌を取り出した。
そして鎌に付いているスイッチを押す。鎌が少し振動しているのが男にもわかった。
「カボチャ頭、そんな鎌で今の私を倒す気か? あはは! まぁいい、其れも私のコレクションに加えてやろうじゃないか!」
パンプキンは構えを取りながら男を睨み付けた。
「名前をお聞かせ願いますか…… 今から私が殺す男の名を知っておきたのです」
男は笑って答えた。
「フルネームは魔族には教えられないが、ユハル!そう覚えておけ、カボチャ頭、お前が最後に聞く名前だ!」
二人は間合いを縮めながら今ぶつかり合おうとしていた。
次回、決着出来ればと思います。
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