計画された足止めロナの微笑み
ほのぼの系ダークファンタジー!の筈です(|| ゜Д゜)最近ほのぼの系なのか悩んでますが!多分ほのぼの系です。
学生達がコウヤとミーナを囲み、そこから次々に後方の学生が詠唱が始まる。
一斉に飛んでくる攻撃魔法は詠唱が終わる度に前の生徒が後方に移動する。
次に詠唱を終了した生徒達が前に出て攻撃、その間に中間の生徒と後方に下がった生徒が詠唱する。 三段階に分けられた攻撃が繰り返しコウヤとミーナを襲い続けた。コウヤは直ぐに防壁魔法を発動しミーナはその防壁を修復していく。
「ハアハア、流石にこの数を防ぐのは無理かもね、防壁だけだと時間のもんだいかな」
「呑気な事言わないで、私も頑張って修復してるんだから」
コウヤは悩んだ。本当に戦うなら手加減をすれば此方がやられる。しかし、Sクラスの生徒なら死なないですむ魔法も一般生徒が食らえば先ず魔力で防御するのは無理だとわかっていたからだ。
そして、その事実を知りながら一般生徒に攻撃をさせているSクラスのメンバーの前に盾のように一般生徒が並べられていた。
「コウヤ、どうするの? 此のままだと、本当にまずいよ」
「く、でも……」
コウヤが悩んだ瞬間、森から飛び出してきたゴブリン達がボロボロの体で生徒達に襲いかかっていった。
「人間! ヨクモぉぉぉ!」
ゴブリン達が現れたお陰で攻撃は一旦収まり、コウヤとミーナは身動きがとれるようになったのだ。
直ぐにその場から移動しようとするミーナはコウヤの手を引っ張り連れていこうとした。しかし、コウヤはその場に立ち尽くしていた。
「コウヤ! 早く、逃げるわよ!」
「…………なんで」
その言葉にミーナはコウヤの視線の先を見ると、ボロボロのゴブリン達を集団でリンチする生徒達の姿があった。生徒達は戦えない状態のゴブリンにすら必要以上の攻撃を加え確実に殺していく。
その優越感に浸る顔はまるで楽しそうに殺しを楽しんで要るようにしか見えなかった。
人間の社会において、エルフや獣人のようにある程度の知力がある種族には余り危害を加えない。
其れは数に勝る人間でもロストアーツや種族の差の前には殆んどの者が太刀打ちできないからである。
しかし、人間は多勢に無勢の状況下ではその本性を露にする生き物である。今もゴブリンと言う下等種族に分類される種族を笑いながらリンチしているのがその例と言えるだろう。
ゴブリンの知力は並みのモンスター以下とされ、人型でなければ種族としてすら、人間に認められなかった筈の種族だからだ。
「なんで……もう、やめろぉぉぉぉ!」
コウヤの声に魔力が伴い空気を振動させた。ゴブリン達は余りの魔力に振るえ。人間達は肌に感じる魔力を理解できずに困惑した。
「やっぱり、化け物だな?コウヤ=トーラス」
Sクラスの元一位、クレストがそう言い前には出てきたのだ。そして、クレストは側に振るえていたゴブリンを指差した。
「此れからお前もこうなるんだよ!」
「ギャアァァァァ」
ゴブリンの断末魔が響き渡る。クレストは無詠唱でゴブリンを一瞬で炎に包み込んだ。他の生徒達が其れを見て笑みを浮かべているのが確認出来る。
「そんなに可笑しいの……ゴブリンだって生きてるんだよ!」
「やっぱり化物様は言うことが違うな、生きてる?違うな、生かしてやってるんだよ。俺達、人間様が優しいからな」
クレストはそう言うと周りの生徒達も頷いたりクスクスと笑ったりしていた。
確かにゴブリンの死を悲しめとは言えなかった。
生徒側にも死者が出ているのも事実だからだ。だが、其れは戦闘の中においての話であり、無抵抗のゴブリンに対してやっていい行動ではなかった。
「ロナ、今すぐ森から出ていってくれないか、此処では戦いたくないんだ」
コウヤはこれ以上の被害を森に出したくないと願いそう口にした。そんな最中、学生達が詠唱を始めたのだ。
「それが……君の答えなんだねロナ……」
コウヤは深呼吸をしてから、声に魔力を乗せた。
「死にたくないなら逃げろぉぉぉぉ!」
その声にゴブリン達が走り出し、周囲にいた動物やモンスター達が一斉に走り出した。
生徒達は恐怖を感じながらも誰一人逃げなかった。
集団心理、人間は本当に自分の身が危うくなるまで団体の中に身を置きたがる。今いる生徒達は逃げれば自分の身が責められ、危うくなると言う疑心暗鬼に取りつかれていたのだ。
更に言えばSクラスが要る状況で敵は二人になった事を優位に立ったと勘違いしている者すらいた。
しかし次の瞬間その優越感は粉々に砕かれた。
「〔大地よ、その力を形にし我に力を貸せ〕“アースハンズ”〔風よ、我が言葉に耳を傾けよ炎の力と重なり新たな形をなせ〕“風弾”」
コウヤは即座に詠唱していた生徒達の足元に土で手を作ると足を掴ませ地面に膝まで引っ張り混んだのだ。そして……風弾を身動きの取れない生徒達のいるその場所に直撃させた。
コウヤが詠唱してから僅か10秒ほどの間に6人の生徒が命を散らした。
その光景に、詠唱していた生徒達が詠唱を中断し震えていた。 格が違いすぎると誰もが即座に理解した。そしてコウヤは辺りを一旦見渡した。
「最後の忠告だよ!森から今すぐに出ていけぇぇぇ!」
生徒達が一斉に走り出した。我先に出口を目指す最中、ロナ達はそのまま森にとどまっていた。
「使えないわね、逃げた生徒は後で粛清するわ。キャメル記録しといて」
ロナ達は生徒達がいなくなっても何一つ困った様子などは無かった。
「ロナ、逃げなくてよかったの、僕は本気だよ!」
「ふふ、大丈夫よ、でも残念だわコウヤ、もう時間切れよ」
森の入り口から先程とは違う足音が真っ直ぐと此方に向かって来ているのがわかった。
ミーナが体外魔力を使い確認した姿は鎧を装着し馬に跨がる無数の人間の姿と指揮官らしき大柄の男、そしてあの校長とそれに従う歩兵の姿であった。ミーナはリンクを通してコウヤに見たままを伝えた。
「はじめから足止めだったんだね。変わったねロナ、僕の知ってるロナ=アーマイルはそんな卑怯な事をする女の子じゃなかった筈だけど?」
「ロナ=アーマイルか……私ね、最近名前が変わったのよ?貴方がいなくなった日に沢山の村人が死んだわ……コウヤが火を付けたのを見たと言う人もいたわ、そして私の母さんも、その日死んだわ……」
ロナはコウヤを仇を視るような鋭い目で睨み付けた。そして喋り続けた。
「でもね、私は選ばれたの……力があったからよ。今は新しいお義父さんが出来たのよ、私の力を理解してくれるの……だから私はコウヤを生きたまま捕まえないといけないのお義父さんに頼まれたから」
ロナは既にその時、狂い始めていたのかもしれない。
次回も近々更新します。(*^^*)
毎日ではなくなりましたが。次回も来ていただけたら嬉しいです。
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