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愛すべき人……

皆さんいつもありがとうございます。

最近、ほのぼの系を忘れがちな作者です。


今回もダークな感じになってしまったような、いないような、

読んで確かめて貰えれば幸いです。


多分ほのぼの系ダークファンタジー

人獣転生★ボクが世界をこわします☆よろしくお願いしますね。(〃^ー^〃)

 ラシャに案内された王宮は今までに観たこともない建築様式が用いられていた。


 王宮の高さは三階程の低さで有るにも関わらず、横に広く作られた壁は終わりが無いのではないかと疑いたくなる程であり壁は更に森の奥まで続いていた。

 壁の周りには樹々が縦横無尽に枝を伸ばし壁を数多の植物達が彩り、その間から射す太陽の光が葉に残された水滴に反射して美しい緑と光の世界を作り上げていたのだ。


「ふわぁー綺麗!」


 余りに鮮やかな光景にコウヤは王宮に眼がくぎ付けになっていた。そして、ソウマ達も知らない建築様式に驚きを隠せずにいた。


「何してるの? 早く中に入りなさいよ、せっかく来たんだから…… 仕方ないから持て成してあげるわ……」


 ラシャはそう言うと、王宮の中に招き入れた。そこには大きな扉が1つだけある部屋になっていた。

そして、ラシャが扉を開くとその先に、綺麗に整頓された中庭が広がっていた。


「うわー綺麗! 見たことない花が沢山ある」


 最近の日々を振り返れば逃げる為に必死で花を見たり草木に触れることを忘れてしまっていた。この一瞬だけでも少し全てを忘れたいと密かに考えてしまっていた。


 そして、テーブルに着くとパンプキンは何時もの様にお茶を入れる。ラシャの指示でメイドのエルフが焼き菓子を持ってくるとティータイムが始まった。


 ラシャは落ち着かない様子の僕を見て少し楽しそうに笑っているように見えた。焼き菓子を食べながら辺りを見渡している僕が可笑しかったのだろう。


 そんな中、ラシャがいきなり立ち上がった。


「あ、そうだ。あなた達に面白いものを見せてあげるわ」


 そう言うとラシャは来るときに使った扉を開いたのだ、しかし不思議な事に扉の先は最初の部屋には繋がっていなかったのだ。開いた先は別の部屋になっていた。開くごとに別の部屋が現れる光景に僕は楽しくなってしまっていた。


「どうなってるんだ? 流石の俺でもさっぱり分からんぞ」


 余りの早業に流石のソウマも完全にお手上げ状態であった。そんなコウヤ達にラシャは、1つの扉から王宮のどの部屋にも往き来できるのだと教えてくれた。


「この王宮の扉の至る所に同じ扉があるのよ、この扉自体が“ロストアーツ”なのよ凄いでしょ」


 次々に王宮の中を案内してくれるラシャは最初の刺々しい感じは全く感じられなかった。

 むしろ無邪気にオモチャを自慢する子供の様な印象をコウヤ達は感じ始めていた。お茶を飲みながらラシャの楽し気な表情を確認するとパンプキンは少しだけホッとしているように見えた。


 ラシャが次に見せてくれた部屋に言葉を失った……ラシャが最後に開いた扉の先には王座があり、其処には骸が腰掛けるようにして座らされていた。


「皆に紹介するわ。私の愛する御父様、バルド=ノラーム国王陛下よ」


 そう言うとラシャは骸の頭を撫でる。余りに異様な光景にミーナとソウマは少し後退りしているように見えたがコウヤはむしろラシャの行動が不思議で仕方なかった。


「何でラシャのお父さんを埋葬してあげないの?」


 疑問はコウヤの口からラシャの耳に向かって飛んでいった。


「皆そう言う…… 何で…… 御父様を冷たい土の中に入れないと為らないのかしら…… 理解できないわ!」


 そう言うとラシャはまるで人が変わった様に冷たい眼で僕を睨み付けた。そしてラシャは何処からかパンドラを取り出したのだ。


「アナタ達も他の連中と同じ私の御父様を冷たい土の中に何か絶対に入れさせないわ!」


 ラシャはパンドラを開いたのだ。


「アナタ達も私と同じ苦しみを知ればいい!」


 パンドラから立ち込める靄に包まれた、そして次の瞬間には、ミーナはカルトネで刺されコウヤを助ける為に急ぎダルメリアに向かおうとしていた道中の中にいた。


「何よこれ、出口は何処かしら?」


 幻覚とわかっていても出口が分からないミーナはその日と同じようにダルメリアを目指す事にしたのだ。必死にダルメリアを目指すミーナの後ろに横たわるコウヤ、ミーナは幻覚とわかっていても死なないで欲しいと願いながら馬車を走らせていた。

 そんな中、現実にはなかった検問がミーナの前に現れた。そして馬車を調べられコウヤを見た兵隊達はミーナを人殺しとして捕らえようとしたのだ


「この人殺しが!獣人など殺してしまえ!」


 兵士の言葉にミーナが反論する。


「アナタ達は存在しない! いいから此処を通しなさい!」


 次の瞬間、ミーナの目の前で兵士がコウヤの心臓めがけ剣を突き立てたのだ。


「コウヤ!」


 幻覚だと理解しながらも血を流し横たわるコウヤを見てミーナの心に悲しみが溢れ出していた。


 しかし、ミーナはそれでも認めなかった。認めれば全てが終わると理解していたからだ。


「コウヤは生きてる! 私と旅をしていっぱい笑った。いっぱい泣いたの!  今も一緒にいるんだから! 邪魔しないでぇぇぇ!」


 ミーナの強い意思に幻覚で作られた世界は音をだし崩れていった。


「我は、この者を無罪とする!」


 パンドラはそう言うとミーナから靄を取り払った。そして、ソウマの元に見せられた幻覚はミカとグランの幸せな姿だった。


 本来ならばずっと続く筈だった光景…… グランが生きて戦争から戻りコウヤを抱っこしている姿だった。現実にはなかった光景だった。


 そしてグランがソウマに近づき握手を求めた瞬間に肉体が崩れだし、さっきまで明るい雰囲気に包まれていた家の中が炎に包まれミカが無惨に倒れていた。


「此れがお前の力なのか、ラシャ=ノラーム、だとしたら悪趣味としか言えないな、俺は全てを受け入れて生きてきた!そして此れからも全てを背負い続けながら生きていく。俺、大切な者を弄び愚弄するなァァァァ!」


 そう言うとソウマはミカとグランの亡骸に近づき二人に話しかけた。


「コウヤは大丈夫だ、ちゃんと一人前の男にして見せるからな、あとグランお前は死ぬべきじゃなかった。いつか、あの世でまた酒を酌み交わそう、友よ」


 そしてソウマの幻覚も崩れていった。パンドラは偽りの無いソウマの心を無罪としたのだ。


 そして、コウヤもまた靄の中にいた。


ーーパンドラの力なのだろう?


 コウヤはカルトネの自分の部屋の中にいた。依然、ダルメリアがコウヤを試した試練に似ていた。迷わずにコウヤは出口を探す。1階に降りるとミカが料理を作っていた。幻覚だとわかっていたけれど、普通に料理を作る姿に知らぬ間に涙を流していた。包帯のない素顔でミカを見れたことがこんなにも嬉しいと思わなかったコウヤは泣いた。


 そしてミカが歩いてくる。直ぐに警戒したが、目の前で優しく微笑むミカの顔を見て動けなくなってしまっていた。そしてミカはコウヤを抱きしめた。

 抵抗できないまま、ミカの懐かしい匂いを感じながら力が抜けていく。しかし、コウヤを抱きしめていたのはラシャだった。


 幻覚から解放されたばかりのミーナとソウマは体の自由が聞かず、ただ見ている事しか出来なかったのだ。

「コウヤァァァァ! 駄目よ目を覚まして!」


「コウヤ! 俺達の声を聞くんだコウヤ!」


 ミーナとソウマは必死に叫んだがコウヤには、届かなかった。そしてコウヤにラシャの持つ短刀が背中から突き立てられ様としていた。

コウヤがどうなるのか……そして狂い始めたラシャとの今後の展開と未だにティータイムを一人楽しむパンプキン!

次回も宜しければ読んでくださいね。


(〃^ー^〃)皆様に感謝です。


読んでいただきありがとうございます。

感想や御指摘、誤字などありましたらお教えいただければ幸いです。

ブックマークなども宜しければお願い致します。

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