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亜人と歩む ~瑠璃色王のレクイエム~  作者: 夏カボチャ 悠元
第4章 カルトネ新たな道へ
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Sクラスのトップはムカつく二人

 いきなり会場の全てが砂となり大量の砂の中から自力で生徒達が這い上がってくる。

 コウヤはその場から立ち去ろうと考えていた。此処に自分の居場所を感じられなかったからに他ならない。本当ならば笑って再会したかった筈のロナと戦い……全ては過去に変わってしまっていたのだ。


 しかし、黙って立ち去ろうとしたコウヤにロナが大声をあげる。


「勝手に……勝った気になって帰るんじゃ無いわよーー! コウヤーー! まだよ、まだ試合終了のゴングは鳴ってないわ!」


 そう言うと拳を握りコウヤに向けた。コウヤはどうでもよくなっていた。しかし、今のロナと戦いたいとは思ってはいなかった。


 そんな時、コウヤの中に不思議な感覚が生まれていた。人間が憎い……不思議とそんな感情が心と頭の中に同時に流れ込んできていた。余りの不快な感覚にコウヤはひたいと胸を手で押さえた。


「何を躊躇ためらっているんだ、ロナ=アーマイル。早くやりなよチャンスじゃないか?」


 そう言い現れたのは何とも嫌みそうな顔付きの男であった。


「クレスト先輩……それは……」


 ロナが下を向くと、その男はリングに入ったのだ。


「少し派手な魔法を使えるようだが!そんな大技しか出来ない半人前に負けるなんて?お前達、二人は本当に弱いな」


 その男は戦いでボロボロになった、キャメルとロナを侮辱した。ロナとキャメルが唇を噛み締めロナの口から一筋の血が流れた。


「なら、お前が僕の相手をしろ」


 コウヤは我慢の限界を通り越していた事もあり、相手が誰であろうが構わなくなっていた。

 ただし、先程と少し違うのは体外魔力の見え方であった。


 魔力の量に応じてだろうか、相手の回りの色が薄く色付いて見える。

ミーナは薄い赤色、むしろピンクに近い感じだった。

 ロナは黄色ぽく見え。そして今いきなり現れたクレストはロナより少し濃い黄色だった。


「何で俺が君と戦わないといけないのさ?」


 クレストは、まるでコウヤを下の人間としか見ていなかった。その見下す様な目はコウヤとミーナを見ていた。


「お前が僕より弱いから遊んであげようと思ったんだけど? まぁいいや、本当なら君と戦う筈だったんだよね。逃げて正解だったね」


 それは、コウヤの生きてきた人生の中で一番口の悪い瞬間に違いなかった。


「言いやがったな……やってやるよ。ただし俺はSクラスの1位なんだよ!戦いたいなら、先ずは2位のチェフールを倒すんだな、それが道理だ!」


「構わないよ、二人で来なよ。少なくとも君一人だと勝てないよ!」


 コウヤは更にクレストを挑発する。会場は二人の会話を固唾かたずを飲んで見守っていた。


 しかし、ミーナはそれを何とかして止めようと考えていた、しかし、体の自由が効かなかった。コウヤの意志の強さが紋字を通してミーナに流れ込んで来ていたからだ。コウヤの怒りが憎しみに変わっていく 感覚が痛い程にミーナの中に流れ込んでいた。


「だ、ダメ……コウヤ……」


 言葉すら出せなくなるミーナと怒りのままに戦おうとするコウヤ。互いの心から生まれる哀しみは皮肉にも更なる力となりコウヤに流れ込んでいった。


「とんでもない自信家のようだな? 俺の魔法はロナ何かとは一味違うんだけどな?」


 そう言うと辺りの砂がクレストの魔法で巻き上がりまるで煙幕のように舞い上がった。


「それがどうしたのさ? 僕だって出来るよ、それくらい」


 そんな二人が会話をしていると砂煙がおさまったリングにチェフールが姿を現したのだ。現れたチェフールを見てミーナは驚いた。二人は同じ顔をしていたのだ。


 一卵性双生児いちらんせいそうせいじ彼等は双子だった。互いにニヤニヤと笑いながリングを交差しながら歩くその姿は普段見ている生徒達ですら、どちらがクレストでどちらがチェフールか混乱しそうに為っていた。


 そして二人同時に喋り出した。


「「君に僕たちが見分けられるかい?」」


 双子で同じ言葉を同時に喋るその光景はまるで同じ人物がリングにいるように錯覚させた。


「「わかるわけないよね?アハハ」」


 双子はそう言うとゴングを鳴らすように指示したのだ。


 その言葉に審判も躊躇ためらったが後ろから校長が審判に耳打ちをすると審判はゆっくりとハンマーを手に取りゴングの鐘を鳴らしたのだ。


 クレストとチェフールは同時に左右に別れるとコウヤを挟むようにして上級火炎魔法(ギガノフレイ)を使いコウヤを炎で包み込んだ。二人は更に火力を上げるように強化魔法を発動した。炎は火柱の様に巻き上がり天高く舞い上がる炎は、その姿を生徒達の眼に刻み込んだ。


 誰一人として瞬きをしないまま、リングに釘付けになっていた。双子は笑いながら勝利を確信していた。

 ロナ、キャメル、ガストンの三人そして、その場にいた生徒の殆んどがコウヤ=トーラスの死を連想した。


「や、やめて……」

 ミーナの声を聞き、双子が笑いながらミーナを嘲笑う。


「「アハハ試合中は全て事故になるんだよ!」」


 その声はその場にいた生徒達に絶望を植え付けた。Sクラスに逆らうなんて所詮は無理だったのだと。


 会場は二人の笑い声で溢れていたのだ。

2対1の戦いが始まりコウヤは炎に包まれた。

そして、ミーナの眼にうつるコウヤの姿は


次回も宜しければ読んで下さいね。


読んでいただきありがとうございます。

感想や御指摘、誤字などありましたらお教えいただければ幸いです。

ブックマークなども宜しければお願い致します。

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