新しい家族……僕にまさかの!
アグラクトでアルカ達と別れてから森の入り口まで移動し野宿する二人。
本当ならば夜の内に森を抜ける事も出来たが、森の魔物と呼ばれるモンスターが夜は活動している。
普通のモンスターなら気にもしないが、森の魔物はソウマが監視していたいた程のモンスターである事を思い出し、野宿する事をミーナと決めた。
久々の故郷の薫りが風に乗り全身に吹き付けた瞬間、コウヤはその薫りに懐かしさを感じていた。
それと同時にロナやガストンの事を思い出していた。
「僕が知らない間に4年も経ってるんだよね」
横に寝そべりながらミーナにそう呟いた。
「そうね、コウヤの感覚と現実のズレはどうしようも無い物があるわね」
ミーナの言葉にダルメリアの日々を振り返る。
「皆、僕の事分かるかな?」
「わかるわよ、背は延びたけど雰囲気はあの頃と変わってないわ。危なっかしくて泣き虫で」そんな話をしながら眠りについた。
朝を向かえ心地好い風が二人を優しく起こした。
朝食をパンと干し肉に前日のスープで軽く済ませると二人は森の中を進んで行く。そして森の出口に差し掛かった時だった。
「コウヤ……コウヤなのか!」懐かしい声が聞こえた。
其れはソウマの声であった。
その声は柄にもなく震えていたのが少し可笑しかったが、それよりもソウマの声を聞けたことが嬉しかった。
ワットから降りたコウヤがニッコリと笑う。
「ただいま師匠」
此方に駆け寄りコウヤを抱き抱えたのだ。
「おおお! コウヤ本当にコウヤなんだな! よかった、本当によかった」
まるで自分の事のように喜んでくれるソウマは有ることに気付いた。
「コウヤ……コウヤから感じる魔力、まるで別人の様じゃないか」
ソウマの問いにミーナが口を開いた。
「コウヤは獣人の森のダルメリアの加護と魔族の紋字を受けたの」
ミーナの言葉に動揺を隠せない様子だった。ソウマにミーナは、今までのダルメリアでの話とパンプキンに紋字を書いてもらった話をしたのだ。
その際に奴隷にされないように互いに紋字で契約を結んだ事も話すとソウマは困ったような顔をしていた。
「ミカさんになんて説明するかな、コウヤが魔族と友達で背中に紋字を刻んでるなんて聞いたら、流石にぶっ倒れるぞ」
ソウマはそう言うと少し悩んでいたが直ぐに悩むのを辞めた。
「こうして、無事にコウヤが帰ってきたんだから良しとして貰うように頑張るか! それとコウヤ? さっきから気になってたんだが、その子は誰だ、ミーナさんは一緒じゃないのか?」
その言葉にミーナは震えていた。本人も分かっていたことだが、今のミーナはどう見ても10才にも見えない小さな女の子なのだ。
「……がミーナ」
ソウマに対してミーナが震えた声で喋るが声が震えて上手く出ていなかった。
「やあ! 少女よ。俺はソウマ。コウヤの師匠だ。宜しくな、しかし、こんな可愛い小さい子を旅に連れて来るのは感心しないぞ、コウヤ」
そしてミーナがキレた。すごい剣幕でソウマの横っ腹に跳び蹴りを炸裂させたのだ。
「ぐふっ、な、何すんだ」
いきなりの不意打ちに流石のソウマも油断していた。そしてミーナが凄まじい殺気だった眼でソウマに言ったのだ。
「ソウマ……また私の怖さを1から教えてあげましょうか!」
「まさかミーナなのか!」
其れからはミーナの一方的な展開だった。
「そろそろ行こうよ。母さんにも会いたいしさ、それに会いたい人もいるから」
ソウマも何回も謝る事になり、何とも複雑な再会になった。そしてミーナは、コウヤの“会いたい人”と言う言葉を気にしていた。
そして三人はミカの待つ村に帰ってきた。
村人達は驚いていた。四年前に姿を消したコウヤが戻って来たのだから無理もない。そしてコウヤは皆より少し先に家の前についた。其所には小さな女の子がボールで遊んでいた。
そのボールがコウヤの方に転がってきたのだ。
そしてコウヤの方に走ってきた女の子が僕の方を見て驚いた顔をして声をあげた。
「ママー! 包帯お化けがいる!!!」
その声に家の中からミカが出てきた。
「どうしたの、アイリ、お化けは朝はでないのよ」
そう言いながら庭に出てきたミカはコウヤの姿を見て涙を流した。
「コウヤ……コウヤなのね、本当にコウヤなのね」
「ただいま母さん。帰りが遅くなってごめんね」
泣きながらコウヤを抱きしめるミカを不思議そうに此方を見つめる少女。
ミカからの手紙に書いてあった確めたい事は妹の存在とソウマとミカの事だった。
そして、この子は“アイリ=トーラス”4才になったばかりの妹だ。
コウヤが刺された四年前にソウマは母さんに求婚したのだ。本当ならばそのまま結婚する筈だった。
しかし、事件の後にミカが身籠っているのが分かり出産するかを悩んでいた。ソウマは何があってもお腹の子を守ると女神クライムの名の元に誓いミカはアイリを産むことを選んだ。
ミカはアイリを産むことを悩んだのではない。一人で生むかを悩んだ。しかしソウマは二人で出産する事を選んだのだ。ソウマはミカが紅眼の子を産むかもしれないと呟いた事を覚えていた。
コウヤが居なくなった不安から来る言葉だろうとソウマは考え、二人だけならばミカが安心すると考えたのだ。
ソウマはもし紅眼の子供が産まれたとしても守るとミカに再度、誓いを立てた。そして無事にアイリが産まれたのだ。
そしてコウヤはミーナも含め晩御飯を囲んだ。アイリは少し動揺していたが直ぐにコウヤとミーナになついてくれた。妹ながら、その適応力に驚かされるとコウヤは頷いていた。
ミカが学校の事を尋ねてきた。一旦は休学扱いに成っていたが今月に休学が切れて退学になる事が決まってしまったのだ。
そして、学校では、学年別のクラス対抗戦が行われていた。今日の対戦は強化クラス対ノーマルクラスだそうだ。
特別クラス通称“Sクラス”対“Zクラス”互いに代表選手を二人選び戦う。
強化クラス対ノーマルクラス
・一人一人が対戦するクラス全員参加の対戦
この対戦には意味がある。格差社会に対応するべくSクラスは強さを証明しその強さを見せ付ける為、Zクラスはその為の生け贄として。
強化クラス対ノーマルクラスの戦いは一人一人が戦い勝者が強化クラスに敗者がノーマルクラスに移動する仕組みになっている。
強化クラスとノーマルクラスは入れ替わりが激しい毎年かなりの人数がクラス替えをされる。その為、強化クラスに残るためにそして強化クラスに上がる為に戦うのだ。
「なら、お別れもしたいし、明日行ってくるよ」
「なら私も行くわ! 久々に学校も見ときたいし」
こうして明日二人は学校に行くことを決めたのだ。
帰ったら、新しい父さんと妹が増えていました。
ソウマが父さんとか、少し複雑です。
次回は学校で何かがおこる!読んでくださいね(*≧∀≦*)
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