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亜人と歩む ~瑠璃色王のレクイエム~  作者: 夏カボチャ 悠元
第3章 外の世界 カボチャな魔族パンプキン
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別れの時、カボチャな友達。

 馬車の中で大きく深呼吸をする。着替えたばかりのシャツの感覚が既に体に馴染んだ頃、コウヤの長い昔話も終わりをつげた。そしてダンジルでの出来事もミーナに伝えるために語り終わった。


 少し長話をし過ぎたのが分かった。馬車が砂漠を抜けて既にアグラクト手前のザカン荒野にまでその距離を進めていたからだ。

 ワットと、変わらぬ速さで走る使い魔の熊牛クマウシ達のお陰で予定から3日程遅れていたが確実にカルトネに近付いていた。


 そして、ザカン荒野が終わりを告げると其処にはアグラクトの王都が見えた。パンプキンが馬車を停る。

 そして外にコウヤとミーナを降ろすとパンプキンは少し悲しそうにそれでいて温かく笑った。


「コウヤさんミーナさん。どうやら此処で御別れですね」


 いきなりの発言に二人は困惑した。しかし直ぐにミーナは理解した。


「確かに……魔族は王都の門を渡れないわね。残念だわ」


 そう口にするミーナは、少しだけ悲しそうだった。短い間だったが、一緒に旅をしたパンプキンは掛け替えの無い大切な仲間に成っていたのだ。


「そうだ! パンプキン指輪が有れば大丈夫だよ。ほら此れさえ有れば姿を変えられるよ」


 嬉しそうに指輪をパンプキンに渡そうとしたがパンプキンは其れを受け取らなかった。


「アグラクトの門には特殊な結界魔法が使われているんですよ。姿をどんなに変えようが直ぐに見破られてしまいます。残念ですがコウヤさん御別れなのですよ」


 その言葉に二人は頷くしかなかった。


「其れにもう、ミルクのストックが無いのですよ。人間界に粉ミルクは有りませんからね。魔界に急ぎ戻らなければ、この子が干からびてしまいます」


 パンプキンは赤子の為に魔界に戻る必要もあったのだ。それは色々な理由と事情が重なりあった結果だった。


「コウヤさんミーナさん無事にカルトネに辿り着けるように祈っています」


 コウヤは別れる前にどうしてもパンプキンにお願いしたいことがあった。


「パンプキン! 僕と友達になってよ、それから……コウヤさんじゃなくて、コウヤって呼んでよ……こんなお別れは寂しすぎるよ」


「そうよ、呼び捨てで構わないわ。パンプキン……私も友達になってあげるわ。その方がパンプキンも私達の事忘れないでしょ」


 ミーナも少し照れくさそうにパンプキンにそう言うとパンプキンは二人に微笑んだ。


「そうですね、コウヤ、ミーナ、その申し入れ有り難くお受け致します。しかし、いい年をした魔族が友達と言われると、こんなにも照れるもなのですね。長生きはするものです。ヨホホホホ」


 そしてパンプキンは二人にある魔法を掛けた。“ライエス”パンプキンが二人に使ったのは離れた場所からでも話が出来る魔法であり、島人と共に考えた新しい魔法であった。


 “ライエス”は声が振動により空気を震わせる事で相手に伝わると言う島人の知識を応用して、相手と自分に対して微量の電魔法を体内に宿らせる事により、

 お互いの位置を把握し更にその電気を互いに飛ばし合うことで体内の電気を交換させるその際に電波に変えた物を一緒に送ることにより会話を行える魔法である。


 ただ、一度でも体内の電気を失うと再度“ライエス”を掛けなければ使用出来ない。


 此れにより、三人は何時でも会話が出来るようになったのだ。勿論送る際に相手を確りとイメージする必要がある。イメージが曖昧だと電波は相手に届かないからだ。


 そして、パンプキンとの別れを済ませるとパンプキンは直ぐに馬車と牛熊をポケットにしまった。


「其れでは、御元気で! ヨホホホホ」


 パンプキンは、まるで流れ星のような速さで空の彼方へと消えていったのだ。


 其から二人はワットに跨がり、アグラクトの門の前に移動した。門の周りには王都に入る為にかなりの数の商業人や旅人達が列を成していた。


 そんな光景を目の当たりにした二人に声を掛けてきた人物がいた。


「あれ、おーい! 僕ちゃん達じゃないの! お父さんとはぐれたのかなぁ?」

パンプキンと赤ちゃんとの別れ。


そしてコウヤ為に声を掛けてきた人物が!


次回はアグラクト!コウヤの目的地カルトネ迄、あと少し!


読んでいただきありがとうございます。

感想や御指摘、誤字などありましたらお教えいただければ幸いです。

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