物流都市にて1
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二人の話を聞いてコウヤの教わってきた歴史、神話や実話全てが人間のいいように語られた偽りなのではないかと考えていた。
二人が同時に嘘を言う理由もないのだから、尚更だ。コウヤが人間であるからなのか、二人の顔を思い出す度に申し訳無いと言う不思議な感情に苛まれる。もしミーナと出逢わなければ、こんな話を聞く事は無かっただろう。
そう考えると、どれ程の人間が誤った歴史を信じながら生きているのか、そしてどれ程の人が真実を知っているのかわからない。
ロナが読んでいた本も、女神クライムの話も皆が知るよくある話で島人以外は皆当たり前のように代々子供に読み聞かせる昔話のような物だった。
そんな事を考えるコウヤの顔を心配そうに見ている二人。
「コウヤさん、大丈夫ですか? あのですね、コウヤさんが気にする事ではないのですよ」
「コウヤは優しすぎるのよね? でもそれが君らしくて、いいんだけどね」
二人と会話をしながら歩みを進めていくと道が開け少し先に高い壁が見える。町を囲むように壁が作られ正面にデカイ門姿を現した。其所から人々が出入りしている。
「ダンジルは、ドグラ砂漠を越える殆んどの者が立ち寄る町ですからね。女神クライム様の像も町の中心に在る筈です」
3人はダンジルに足を踏み入れようとする。そして門兵の男が身分証明書の提示を求めてきた。
「ダンジルに入るなら、身分証が必要なんだよ。僕の身分証とお嬢ちゃんのと、あと、お父さんの分、三枚見せておくれ」
そう言われコウヤは、直ぐに背中を見せようとした。そんな時パンプキンが急ぎコウヤを止めた。
「駄目ですよ。コウヤ、暑いからといって、こんな所で服を脱いだら行けません。失礼いたしました。身分証は私が持っています」
パンプキンはそう言うと、1枚の紙を取り出した。
「こ、これは失礼致しました。どうぞお入り下さい」
パンプキンの身分証明書を見るなり門兵は直ぐに中に通したのだ。初めから親切だったが、パンプキンの出した証明書を見てから更に親切になったのを感じる。
「ねぇパンプキン、さっきの身分証明書って凄いものなの?」
「ヨホホホホ。大人の特権です」
二人はパンプキンをみて首を傾げた。
三人と1匹はダンジルに到着したのだ。
ーー草原の町・ダンジルーー
砂漠のオアシスを抜けるとその先に高い丘があり、一年中多くの花が咲き乱れるその光景は砂漠に生きる全ての者の心のオアシスとも言える。
気候は落ち着いており、砂漠に近いにも関わらず、作物も豊富であり、キャラバンと言った商人達が度々足を運ぶ物流の町でもあった。
『アグラクト王国』に流通する果物や穀物等の殆んどが1度はダンジルを経由している事実が在る以上、ダンジルは物流の都市とも呼ばれていた。
ダンジルは規模こそは巨大だが塀の中は商人の為に整備された広い通りが四方に広がっており。
食料品。雑貨。家畜。薬草と言った形に別れている。
町の奥に居住区があり、ダンジルは町と言うよりは国のような作りをして居た。
「広いな、迷子になったら困るな」
「そうですね? なら迷ったら中央に在る噴水で待ち合わせをしましょう」
「そうね。確かに町の真ん中なら待ち合わせにピッタリだわ」
最初に三人はパンプキンとの約束である麦を仕入れるために食料地区に足を運んだ。
其所には、一生かけても食べれないのでは無いかと感じさせる食材の山がところ狭しに此れでもかと言わんばかりに並べられていた。
肉に野菜、果物やナッツ、このダンジルに無いのは、生の魚介類だけであり、あとは全ての食材が並んでいた。
パンプキンに言われて幾つかの麦を扱う店を探した。
その中からパンプキンはお目当ての上質な麦を見つけると店主と何やら交渉を始めた。暫くして、パンプキンが何やら路地裏に移動し直ぐに戻ってくる。
其所には有り得ない程の大漁の魚が水槽に入れられ泳いでいたのだ。
その荷車に積まれた巨大な水槽にも驚かされたが何より砂漠の町で泳ぐ魚が目の前にいる光景に店主もその場に居た他の者達も眼を丸くした。
そして、パンプキンは水槽の魚全てと麦をそっくり交換したのだ。
水槽に泳いでいたのは海の魚であった。川魚ならば対した交換材料にはならないが海から遠く離れたこの地方に置いて海の魚はそれ1匹で麦一袋の価値がある。
その魚をパンプキンは交換材料にしたのだ。そして何事も無かったかの様に皆が騒いでる間にポケットに麦を全て仕舞いきったのだ。
「ねぇ? あの水槽もポケットに入ってたの?」
「おや、興味がありますか? ならば此方のポケットを覗いてみますか」
パンプキンに言われミーナと共に反対のポケットを覗く。中には有り得ない光景が広がっていた。
「デカイ湖があるーー!」
「ヨホホホホ。つい塩を作るための海をポケットに入れすぎまして魚もまだまだいますよ」
パンプキンはそう言いながらお目当ての麦が手に入った事を喜んでいた。
「よかったね。パンプキン」
「はい、まぁ、この地方で手には要らなければ諦めるつもりでしたのでよかったです」
深くは聞かなかったが、やはり女神クライムの耕した土地以外の食材を使うことを快くは思わないらしい。ダンジルで麦を仕入れられたのは本当に良かったと思う。一段落した頃には、昼を少し回って昼食の時間になっていた。
「さぁ、お昼にしましょうか。私が御馳走致しますよ」
パンプキンに御昼を御馳走になる事になった。ダンジルでの食事にコウヤとミーナは、ワクワクし胸が高鳴った。ダンジルでの初めての食事に二人は笑みを浮かべたのだ。
ダンジルでコウヤ達の初めての昼御飯。
そんな楽しい雰囲気はどこまで続くのか?
次回、ダンジルの昼下がり!楽しいだけでは終わらない……
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