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亜人と歩む ~瑠璃色王のレクイエム~  作者: 夏カボチャ 悠元
第3章 外の世界 カボチャな魔族パンプキン
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カボチャで魔界な昼御飯4

 コウヤの背中にはミーナと同じ様に紋様が刻まれていた。ミーナが今までに調べてきた物より遥かに完成度の高い紋字で描かれた其れは、ミーナの知る物も含め幾つかの上位契約にもちいられる紋字まで含まれていた。


 ミーナが絶句したのは、これ程の紋字で描かれた契約の術式を解除する事は不可能だからだ。

 コウヤが魔族の物に為った。紋字はそうミーナに語っている様にさえ見えたのだ。


「か……返してよ……コウヤを返してよ! 私なら何でもするから……お願い、コウヤは自由にして……お願い……」


「しかし、私と彼の取引つまり契約は既に結ばれたのです。大変言いづらいですがミーナさんには、どうする事も出来ないのですよ。魔族に取って契約は命を掛けて貫くものですので、どうかご理解ください」そう言い。パンプキンは頭をミーナに下げた。


「さて、三時のお茶にしますか。皆さん起きましたし」


 パンプキンはポケットから湯呑みに急須きゅうす、ちゃぶ台を取り出し、湯を沸かす。


「さあ、一服してください。外の雨も弱まってきましたね? 有り難いですね」


「頂きます……あちっ、変わった紅茶だね?」


「コウヤさん、此れは紅茶ではありませんよ。緑茶です」


 そんな他愛ない会話に苛立ちを露にしたミーナは立ち上がりパンプキンに指をした。


「カボチャオバケ! 私と勝負しなさい! もし私が勝ったならコウヤの紋字を取り除きなさい!」


「いやです!」そう言い、ズズズッとお茶を飲むパンプキン。


「も、もしアンタが勝ったら何でもしてやるわ!」


「結構です!」


「うぅ……何でもするって言ってるでしょ!」


「答えは、ノー!」そう言うとパンプキンはお茶を全て飲み干した。


 次の瞬間ミーナが強行策きょうこうさくに出る。パンプキンに対して“フレイム”を発動したのだ。


 いきなりの魔法攻撃にパンプキンも慌てるが、その攻撃の手を緩める様子は無く、無詠唱のままパンプキンに向けて“フレイム”を12発も連射するミーナ。コウヤとワットもミーナを止めに掛かる。


 その時。何を思ったのかパンプキンがコウヤを捕まえたのだ。


「はい! ミーナさん質問です。このまま私が貴女の攻撃を食らうとして、コウヤさんはどうなるでしょう」


「ちょっ! パンプキン……本気じゃないよね? ミ、ミーナ落ち着いて!」


 しかし、ミーナは構えを解かなかった。


「あら? 参りましたね。コウヤさん……すみません、予想が外れました」


 しかしミーナは泣き出した。


「お願いだから……コウヤを放してよ。何でもするよ、本当だから……」


「ミーナさん? もし其れを受け入れたならば、私はコウヤさんを裏切る事になります。そしてコウヤさんも、更に辛い運命に為るやも知れません」


 そんな重い空気の中、口を開いたのはコウヤだった。


 コウヤはミーナに対して、背中の紋字が間違っていて命が危なかった事。パンプキンがミーナを心から心配していた事。そして、コウヤから取引を持ち掛けたことをミーナに告げた。


「僕が出した取引の条件は僕の背中にもミーナと同じ物を書いて欲しいってお願いしたんだ」


 その言葉を聞き、ミーナは言葉を失った。


「そして、ミーナの奴隷にして欲しいって頼んだんだ」


「最初は焦りましたが、コウヤさんは年齢と違い賢い方でした。奴隷契約に必要な紋字ですが、魔族の力を加えてあれば人間の力では主人を代えれません。更に互いが主人である以上、どちらかが死なない限り誰にも奴隷化されないです。つまり魔族からも人間からも奴隷にされないのです」


 コウヤはミーナを奴隷にするしかないと告げられた瞬間にミーナを他の者に奪われないようにしたいと考えた。パンプキンに頼み特殊な紋字で書かれた契約により互いを主人としたのだ。


 その際にパンプキンはあることを訪ねた。


「私が裏切ると考えないのですか?魔族ですよ」


「母さんが言ってたんだ。同じテーブルで楽しくご飯を食べたら。其れは友達だって!  だから僕はパンプキンの友達。友達を信じないなんて変でしょ?」


「ヨホホホホ。コウヤさんのその純粋さ私は好きですよ。任せてください! 命に代えてその依頼お受けいたします」


 そしてコウヤに対してパンプキンの出した取引の条件。


「もし、私が人間と戦う様な事が在れば、少しでも早く争いが終わるように祈ってください。まあ、人間のコウヤさんにこんな条件は無駄なのでしょうが。そうですね? 麦を仕入れるのを手伝って下さい。私では買えない事もありますので」


 そう言うとパンプキンはコウヤの背中にもミーナと同じ紋字で書いた紙を貼り契約を結んだのだ。


 ミーナは自分の指先を見ると微かに血が出た後を見つけた。


「誤解が解けたようですね。いやぁ、良かった。ヨホホホホ」


「よくないよ! 危うく僕とカボチャの丸焼きが出来るところだったんだよ!」


「上手いこと言いますね。コウヤさん。おや~? 外の雨が上がりましたね」


 外の大雨は小雨になり、最後には雨雲が綺麗に無くなっていた。


洞窟の入り口に夕焼けが射し込み長い昼が終わりを告げた。

長い昼が明け夜が来る。

夜の闇は星と月に照されうっすら輝く夜の空。


ミーナとコウヤ、そしてパンプキンの少し変わった3種族の旅が新たに始まる。


次回!砂漠の中を突き進む!


読んでいただきありがとうございます。

感想や御指摘、誤字などありましたらお教えいただければ幸いです。

ブックマークなども宜しければお願い致します。

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