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紡がれる世界4

 開かれた扉の先に広がる鮮やかな花に彩られた会場、テーブルには大量の料理が並べられ、グラスと酒が置かれており、コウヤを待つ多くの仲間達と八人の妻達が既に席に座っている。


 会場に足を踏み入れると同時に奏でられる音楽、それに合わせるように皆が扉に視線を向けると拍手と共に用意された席へと案内されていくコウヤ。


 コウヤが席に腰掛けると音楽が鳴り止み、アイリが挨拶を開始する。


 成長したアイリの姿にコウヤが笑みを浮かべる最中、挨拶が終わると再度音楽が奏でられ、コウヤへと視線が集まっていく。


 王としての挨拶を求められている事に焦りながらもコウヤがその場で立ち上がると音楽が再度鳴り止む。


「皆、こんな時、何て言っていいかわからないんだけど、僕は皆のお陰で今と言う時代に生きているんだと思う。暗闇の世界に光を与え、色を教えてくれた人がいた。誰よりも孤独を恐れる僕を支えてくれる人がいた……僕は一人じゃないんだと今も凄く感じるんだ。だから言いたい、皆……本当にありがとう」


 コウヤは自身がその場で語れる言葉を声にして伝える。


 誰もが暖かな拍手をするとアイリが再度、音楽の演奏を開始させる。


 皆が好きな料理を大皿から取り、食べ始める中、皆の様子を見て微笑みを浮かべるコウヤ。


 そんなコウヤの背後から近付く数名の足音に軽く警戒する。


「おいおい? まさか、威嚇するなんてな、せっかくのパーティーのドッキリが台無しじゃないか?」


 明るくそう声をだし、頭を軽く掻くような仕草をする男。


 コウヤは懐かしいその声に、我を忘れるように振り返る。


「よ、コウヤ。久々と言うべきなのか悩むが、再会できた事実が大切だな」


 背後に立っていた男は紛れもなく、死んだ筈のソウマであった。


「ソウマ……うぅぅぅ……本当にソウマなんだよね」


 喜びと衝撃がコウヤの涙腺を崩壊させると止まることのない涙は大地に降り注ぐ雨のように足元を濡らしていく。


「ああ、泣き虫なのは変わらないな。心配させてすまない。弟子に心配ばかり掛けて、師匠としては失格だな」


 そんな二人を見かねて声を掛ける女性。


「ほら、ソウマさんが最初に会おうとしないから、ややこしくなったのよ? でも、本当にコウヤなのね。ビックリしたわ、でも、間違いなくコウヤね」


 コウヤに優しく微笑み、頭を擦る女性はコウヤの母であるミカであった。


「か、母さん……僕は」


 コウヤは後ろめたさと、謝りたい気持ちで押し潰されそうになる中、ミカはただ、頷き頭を撫で続けた。


 二人はアグラクトで襲われる事となる運命は変わらなかった。

 しかし、襲われた際に運命が変わっていたのだ。


 コウヤ達がミカとソウマの元に駆け付けた際、本来ならばミカは死に、アイリは拐われ、ソウマは瀕死の重傷を負わされている筈であった。


 しかし、世界は変化する。


 コウヤが駆け付けた際にミカとソウマ、アイリの姿はなく、ただ燃え盛る家を目の当たりに記憶がコウヤに重なっていた。


 ミカ達が襲撃された際、その場にいたアグラクト兵を葬り、ミカ達を連れ去った人物がいた、ブラッドマンである。


 ランタンがブラッドマンを仲間にした事でミカ達の未来は変わったのであった。


 その事実をソウマとミカから聞かされたコウヤはブラッドマンの元に移動する。


「ブラッドマン……僕は貴方を赦せなかった……でも、ありがとう」


「構いません。あくまでも私は罪を受けるつもりです。ガンドラ達にも謝罪をしましたが、いつか決着をつけると笑われました。貴殿方は不思議でなりません」


 ブラッドマンの言葉にコウヤはガンドラ達が生きている事実を知る事となる。


 そんな最中、音楽が変わる。

 

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