掴むべき未來4
木で作られた扉のドアのぶに手を掛けゆっくりと扉を開く、室内にはチェルバランであろう子供が一人椅子に座っている。
全てが白く塗りたくられた室内は天井から照らされたライトの眩い光が反射し、チェルバランは中央に置かれた椅子に座りコウヤ達を見詰めている。
「誰? 研究所の人には見えないけど」
コウヤ達の姿に動揺する事なく質問を問い掛けるチェルバラン。
警戒心はまるでなく、怯えた様子すらないその姿にコウヤは戸惑っていた。
「僕達は……世界を変える為、ううん……今ある世界を壊すために来たんだ」
コウヤの言葉にチェルバランは頷いて見せると笑みを浮かべながら返答する。
「なら、君も仲間だね。未来から来たって言う変なオジサンが言ってたんだ。世界は壊す為にあるんだって、そうだ! 今から何かして遊ぼうよ。ずっと退屈してたんだ。誰も遊んでくれないからさ」
チェルバランがそう口にした瞬間、外から複数の足音が部屋に向かい凄まじい勢いで近づいてくる。
幼きチェルバランはゲームが開始されたと言わんばかりに手を叩き頬を緩める。
扉が開かれ、次々に亜人を思わせる人間と数多の獣を強制的に合成したかのような生物が姿を現す。
人の体に鳥の頭の付いたガーゴイルを思わせる姿の者や、人の手を無数に生やし犬の顔をした者も存在していた。
「どう! 凄いでしょ。皆、僕の言うことなら何でも聞くんだ。今から君達には僕の合成獣と殺し合いをしてもらうよ。もし、君達が勝ったら僕は何でも言うことを聞いてあげるよ。出来たらだけどね?」
勝利を確信していたチェルバランの挑発。しかし、チェルバランが喋り終わると同時に悪夢は始まったのだ。
源朴とランタンが一歩前に足を出した瞬間、襲い掛かる合成獣達。
「ぬるいな、あくびが出る程に詰まらぬ速さだ。のぉ、ランタンよ?」
「源朴老人、貴方が速すぎるだけですよ。実に相手が哀れでなりません。ヨホホホ」
源朴とランタンの周りから、白い壁に吹き飛ぶ赤黒い血液、叫びすら無いまま、合成獣の胴体が切断され、噴水の如く血液が部屋を赤く染める。
チェルバランが源朴、ランタンに視線を逸らした瞬間、コウヤとカカも行動を開始する。
チェルバランの周りを固める合成獣に対して、コウヤは黒刀を瞬時に振り抜く。
カカはチェルバランが逃げないように入り口を守る合成獣に対して攻撃を仕掛ける。
「あはは、久々だわ……今回は止められる事もないでしょうから、好きなだけ燃やし尽くしてあげるわ!」
入り口から更に室内に侵入しようとする合成獣を一瞬で灰に変えるとカカは火照ったように好奇心で緩んだ表情を堪える。
合成獣に対して容赦の無い攻撃を繰り返すコウヤ達にチェルバランは初めて、恐怖を全身に感じていた。
そして、コウヤの黒刀がチェルバランにむけられたのである。




