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亜人と歩む ~瑠璃色王のレクイエム~  作者: 夏カボチャ 悠元
第2章 獣人の森 ダルメリア
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コウヤとミーナが里帰り

いつもありがとうございます。(〃^ー^〃)

 夜が開け、朝日が顔を覗かす頃、コウヤは一人朝食の仕度をしていた。


 ミーナは寝つけなかったのか、やはり何度もうな され目を覚ましていた。その度、背中を擦りながら、「大丈夫だよ」とコウヤは寝ずにいたのだった。普通なら有り得ない状態であったが、コウヤには其れが当たり前の時期が存在していた。


 5歳に成る前まで同じような事がコウヤの(ミカ)にも起きていた。


 ミカは村人に追われる夢を何度も見ていた。そして捕まり、酷い目に遭う夢を見る度に目を覚ましては外を確認して眠る。そんな毎日を送っていた。


「ハア、ハア……」


 ミカが起きる度に聞こえる荒い呼吸。バタバタと家の窓を全て確認し、扉には内側から開かないように通常の鍵の他に2つの鍵を取り付けてられていた。何度も内鍵をガチャガチャと確認する金属音が家の中に響き渡る。 全ての確認が終わるのに、大体15分程の時間が掛かっていた。


 そして、眠りについたミカは起きて、また眠る。 一緒に寝ているコウヤを起こさないように気を使っていたが、余りに頻繁に目を覚まし繰り返されるミカの行動をコウヤは心配していた。


 そして、その日の晩もミカは目を覚ます。何時ものように全ての戸締りと鍵を確認していく。


「母さん、僕も手伝うよ!」


「え? コウヤごめん、起こしちゃったのね。ご免なさい。先に寝てて、すぐ終わるから」


「大丈夫だよ! まかせて母さん」


 引っ越してきたばかりの家の中を気を付けながら窓の位置を手探りで確認し1つ目の鍵を確認した。


 コウヤが1つ終わらせるまでにミカは全ての施錠の確認を終らせていた。


 眼が見えないコウヤであったがミカの役に立ちたいと必死だったのだ。


「母さん、この窓は大丈夫だよ! 僕がちゃんと閉まってるか確かめたからね」


 そう言い笑うコウヤをミカは優しく抱きしめた。仄かに石鹸の薫りが二人を繋ぐと笑いながらベットに向かい歩いていく。


「母さん怖くないよ。僕が母さんを護ってあげるから」


 優しく頷くミカ。そして、コウヤの頬に水滴が1滴流れてきた。


「母さん泣いてるの……どっか痛いの大丈夫?」


「大丈夫、大丈夫よ、コウヤ……ありがとう」


 その日からミカが起きる度に一緒に起きては施錠の確認を手伝うように為っていくコウヤ。


「寝なさい」とコウヤを何回も寝かそうとするミカ、しかし、どんなに眠くてもコウヤは眠らなかった。


 たった1つの窓を確認するだけしか出来ないコウヤであったが必死に杖を使い歩き、鍵の確認をし続けたのだ。

 何回もつまずき転びながらも諦めずに毎日、ミカと同様に起きては施錠を繰り返した。


 気付けば目覚める回数は、徐々に減ってきていた。


 そんなある日、コウヤは一人ベットから起き上がりミカが寝ているのを確認するとベットを抜け出した。ミカを起こさないように、ゆっくりと窓を確認していった。


「母さんが起きた時にすぐ寝れるようにしてあげよ」


 コウヤは、予め家にある窓の位置を確認していた。そして、窓に印を付けるために色紙を窓に貼り付けることを思いついた。


 其れから、どれ程の時間が過ぎただろうか、未だにミカが起きていないのは間違いなかった。


 最後の窓に向かおうとした時だった。誤って杖を床に倒してしまったのだ。


「あ、杖が早くしないと何処だ」


 慌てて杖を探すコウヤはその場で(つまず)き転倒してしまった。


「うわぁッ!!」


 直ぐに声を出さないように口を塞いだ。

寝ているミカを起こしてしまうと考えたからだ。


 だが、ミカは直ぐに声に気づき部屋から飛び出してきた。倒れているコウヤを見るなり慌てて駆け寄っていく。


「コウヤ! 何があったの大丈夫」


 下を向いたまま素直に謝るコウヤ。


「母さんがちゃんと寝られるようにしたかったんだ」


「母さんは大丈夫よ、だから心配しないで、もう大丈夫だからね、ありがとうコウヤ」


 その日から目を覚ます回数が少しずつ減っていき。何時しか目を覚ましても大丈夫になっていった。目を覚ましたミカの背中を擦り『大丈夫だよ』と言うようになっていた。


 いつしかそれもなくなり、二人はロナ達の住む村へと流れ着いたのだ。


 そして永住をきめた。


 コウヤは不思議とそんな事を思い出していた。


「さて、やっと朝食ができた」


 コウヤは、ダルメリアの生活の中で不思議と食材の食べれるか、食べれないかが、直ぐに分かるようになっていた。お陰で朝からキノコのシチューが作れたのだ。


 それからミーナがゆっくりと目を覚ました。コウヤの顔を見るなり、何だかモジモジしながら、何かを言おうとしていた。大きく深呼吸をしてから、コウヤの方を向くミーナ。


「コウヤ昨日はごめんね……」


「いいよ。さあ、ご飯にしようか? 先ずはご飯だよ」


 ミーナはシチューを美味しそうに頬張る。


「美味しい?」


その質問にミーナは満面な笑みで答えた。


「コウヤのシチュー世界一美味しいよ」と笑ったのであった。

ミーナ、コウヤ、両方の思い出が明らかになり、新しい朝を迎えた。


いよいよ、コウヤの短い旅が始まる?


読んでいただきありがとうございます。

感想や御指摘、誤字などありましたらお教えいただければ幸いです。

ブックマークなども宜しければお願い致します。

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