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チェルバラン……最悪の始まり6

 全てを語るNo.ゼロに対して、納得がいかないと言わんばかりにカカは質問を問い掛ける。


「意味がわからない。何故、其処まで分かる? 感情、気持ち、思考、全てがまるで経験した事のように聞こえるんだけど?」


 静かに口を開くNo.ゼロ。


「人の脳に蓄積された記憶や経験をデータとしてディスクに保存した後、新しく造られた肉体に保存されたデータがインストールされる。今この体の中で多くの記憶が蠢き、新たな体と脳に全ての経験と知識を託そうとしているんだ」


 No.ゼロに対して掌を向け、身構えるカカ。


「アンタがチェルバランになる可能性がある以上、私はアンタを始末する方向で行動するわ」


 緊迫した重苦しい雰囲気と張り詰めた空気が全てを包み込もうとする最中、ディアロッテとラシャがカカを止める。


 カカの前に一歩踏み出すディアロッテ。


「はい、そこまでにしましょう! 私達の目的は調査と発見したモノを持ち帰る事にあります。No.ゼロを持ち帰りコウヤさんの指示を待ちましょう」


 その言葉に激怒し、詰め寄るカカ。


「何故だ! こいつは……私と同じでコウヤを狙う恐れがあるんだぞ!」


「よいではないか? コウヤを狙えば大義名分が立つのじゃ、それに妾達が食い止めれば良いだけじゃ。カカも遅れを取るような事はないじゃろう?」


 ラシャの言葉に対して「無論よ」と答えるカカ。


 話が決まり、No.ゼロはコウヤの待つミカソウマ軍の元に連れられて行く事となる。


 外は既に日が暮れ、辺りには冷たい風と死臭が漂っている。


 No.ゼロは異様な香りとアトランティスの外に作られた大量の墓に絶句する。


「こ、此れは……何で墓がこんなに?」


 No.ゼロの言葉にカカは一言。


「アトランティスの生存者はアナタだけよ、No.ゼロ」


 膝から崩れ落ちるように地べたに手を突くNo.ゼロ


「なんで、こんな事に……僕は今、何を見ているんだ……」


 その夜、No.ゼロは自身の記憶に描かれた未来な光景と今の現実が違っている事実と本来ならば、チェルバランが世界を支配し、後の世界にて、世界を浄化するべく戦いを始める事実を語り。


 その戦いの最中、討ち取られようとしていたチェルバランは最後の賭けに転じる、ロストアーツの試験品を使い時間を逆行する事に成功したのである。


 チェルバランは、いつ朽ちるやも知れぬ、肉体をアトランティスのカプセルに入る事で再生させていった。


 その際にチェルバランはミスを犯したのだ。


 其れこそがアトランティスの存在であった。

 人類はアトランティスの発見により、未知の力と言うべき、ロストアーツのデータを手にする事となる。


  その際に幸いにもチェルバランの再生カプセルはコントロール出来ないように設定してあった為、見つかる事はなかった、しかし、不運にもトラブルが起きたのである。

 チェルバランが再生を遂げたのは再生カプセルに入ってから2000年もの時間が過ぎ去った後であった。


 世界にはロストアーツの技術により、大きな変化が起きていた。


 病は無くなり、人々は苦しむ事を忘れ、争いの存在しない世界が出来上がっていたのである。


 世界は幾千の争いの後に、【神と称される王(ロストアーツ使い)】達により、平定される事となる。


 世界はそれにより王制となり、王達は争いを禁じ、荒ぶる者には容赦なき罰を与えた。


 チェルバランは世界の仕組みを知ると不敵に笑みを浮かべた。


 其処からチェルバランの世界に対する戦いが繰り返される事となる。


 しかし、チェルバランは幾度となく敗北をその身に刻まれていく。


 世界の王の筆頭であった存在こそが【瑠璃色の王】と呼ばれる存在であり、敗北を経験する度にチェルバランは時代を遡るも復活を遂げた際の時間までしか、戻ることは叶わなかったのだ。


 チェルバランは力を蓄える道を選び、自身も王となる事に成功する。


 そして、世界は争いの後に【海の神】と呼ばれるロストアーツ使いにより、海底に沈む事となる。


 その戦いでチェルバランは時間逆行を可能にしていたロストアーツを砕かれる事となる。


 本来ならば其処で全てが終わる筈であった。


 しかし、チェルバランはある計画を思い付いたのだ。


「時間軸に干渉できたのならば、次元を超えられる……私の望む世界を手にしなければ……」


 チェルバランは更に次元を超え別の時空の世界へと向かうロストアーツを作り出したのだ。


 その名は【時空島】


 全ての時空をねじ曲げ繋げる事により、チェルバランは数多の種族を1つの世界に集め、箱庭を眺めるように楽しんだのだ。


 その際に異端と呼ぶべき力を身に付ける者が現れ出す。


 其れこそが【紅眼】と呼ばれる存在であった。ロストアーツ使い達に、ひけをとらない実力と新たな世界の混合により生まれた魔力を自在に操る能力を手にした存在である。


 チェルバランは自身の箱庭に強すぎる強者は存在ないと考え、世界に紅眼を疎ましい存在だと思わせる事を思い付く。


 最初の生け贄として選ばれた存在こそ、悪魔として語られた【紅眼の魔導師ザハール 】であった。


 チェルバランは紅眼のザハールと娘のリンクに気づき其れを利用したのだ。


 目の前で娘を殺す事でザハールの感情を暴走させ、更にロストアーツを使い威力の拡大をさせたのだ。


 その威力は国1つが滅ぶ程であり、ザハールともう一人の娘を戦わせ最後の最後まで人々に恨まれる存在へと変化させる。


 後の紅眼達が力をつけぬように……


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