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ぶつかる思い3

 アトランティスの調査は居住区に2日、他のエリアを含めて5日と言う計画で進んでいく。

 居住区の調査は殆どが死者の埋葬となり、多くの人々をカカは火葬する事となる。

 1日目が終わる頃には人だった物は大量の灰と骨へと姿を変り、戦場を戦い抜いた兵士ですら絶望を口にする酷い状況が広がっていた。


 夜になり、食事の用意がされる。

 食欲のない兵達は軽くスープと干し肉を噛じるが、誰一人浮かれて食事を楽しむ者はいなかった。


「うぬら、何を辛気臭く飯を食うておるのじょ!」


 突如現れた大部隊、指揮をする存在はラシャであった。


「ラシャ……何しに来たの?」

 カカはいつもと変わらない態度をみせる。


「ふん、カカよ。そなたの部隊の救援に来てやったのじゃ。しかし、来てみれば、死者の山に辛気臭く飯を啜るうぬらが見えてなぁ」


 その言葉に表情を強張らせるカカの部隊、それに対してラシャの前に出るラシャの部隊。


「皆さん、そこまでです!」


 両者が睨み合おうとした瞬間、“パン、パン”とディアロッテが手を叩いた。


 其れを合図にラシャが部下を後ろに下げ、カカの部隊も1歩後退する。


「無礼な言い回しをした。皆、すまぬ。じゃが、本来は落ち込むべき時では無いことをわかって欲しい。生きているならば、飯くらいは旨そうに食べよ、戦士は完璧ではないのじゃから、食わねば始まるモノも始まらぬぞ?」


 優しくも厳しい口調でそう語るラシャ。


「言われなくても、私の部下達は死者への祈りが済めば飯を人一倍食らい、誰よりも働くわ、心配なんていらない。そうでしょ、皆?」


 ラシャに対して少しひねくれた返しをするカカ。


「俺達はカカ様の為、そして、ミカソウマ王の為にぃぃぃ!」


「「「カカ様とミカソウマ王の為にぃぃぃッ!」」」


 カカの言葉に士気が高まる部隊を見て各自が笑みを浮かべた。


「しかし、妾達も命令でな、ランタンからも「コウヤが目覚めるまでに皆が戻るように」との事じゃ、つまり……カカ、主が帰らねば皆の努力が無駄になると言うことじゃ!」


 鼻高々にカカを指差すラシャ。


「わかったわ、()()()お願いする……ありがとう」


 真っ直ぐにラシャを見つめるカカ。


 ラシャは少し申し訳なさそうに頷くとカカに手を差し出し互いに握手をする。


「その、お願いするわ。カカが指揮を取るんだから、ちゃんと妾にも指示を出すのじゃぞ! よいな!」


 その日からカカ、ディアロッテ、ラシャの三部隊が協力し調査が進んでいく。

 アリスとリーの活躍もあり、アトランティス内部は瞬く間に調べられ、内部に残された亡骸も多く外に運び出され、火葬された。


 予定より格段に早く進む調査、しかし、4日目、残り1エリアとなった時、アリスとリーは頭を悩ませる事となる。


 最終エリアである研究施設の扉がロックされ解除が出来なくなっていた。


「まずいですね……内部からも外からも開けられないようになってます。多分、私達より先に誰かが無理矢理、中に入ろうとした為に完全にロックされたんだと思います」


 真剣な面持ちでそう語るアリス。


 リーも解除を(こころ)みるが外部からの侵入(ハッキング)は全て弾かれてしまっていた。


「これ、全部のシステムから独立してるんだ、外部からのアクセスをまるで受け付けないなんて……」


 リーの言葉に首を傾げるカカ、ディアロッテ、ラシャの3名。


「つまり、壊して入るしかないって事ね?」


「話が早いではないか、今までパスワードだの何だので随分と退屈したからのぅ、派手に妾が扉を開いて見せるのじゃ」


「あんまり派手にやるとよくないですよ? こう言う時は一撃で穴を開けられる私にお任せください!」


 扉を粉砕する事を決めた3名は迷う事なく扉と両隣の壁に対して攻撃を開始する。


 カカは正面の扉を凄まじい炎で溶かし尽くし。

 ラシャは壁に両手に握った刃で丸い穴を開ける。

 ディアロッテも同様に魔導銃の質量を限界まで高め僅な魔力を打ち出すことで壁のみを破壊する。


 3名の強行策に言葉を失うアリスとリー、しかし、最終エリアの内部に足を踏み入れたアリスとリーは更に言葉を失うことになる。


 薄暗い室内にディアロッテが光魔法を込めた魔弾を天井目掛けて発射する。

 光に照らし出された巨大なカプセル型の水槽が室内を埋め尽くし、途中で停止したであろう無数のカプセルの中には人の胎児から成人まで有りとあらゆる世代の人間が液体に使っている。


「何これ、死体……じゃないよね、これってまさか……クローンラボなの……」


 身を震わせるアリス。


 研究データの分析にかかるアリスとリー、そして残されたデータからアトランティスの本当の役割が明かになる。

 

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