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瑠璃色の王3

 チェルバランとの激しい戦いが終わりを告げた。


 ミカソウマ軍は大いなる勝利をその手にした事実に戦士達は身を震わせ涙を流しながら喜びと歓喜の雄叫びを叫んでいく。


 この戦いは後の亜人の王、または獣人の王の伝説として語り継がれる事となる。


 そして、勝利を喜ぶ反面で意識を失い倒れたコウヤを心配し集まるミカソウマの戦士達。


「トーラス王は大丈夫なのか?」


「わからぬが、意識は今だ戻っていないようだ……」


 戦士達の間に心配と不安と言う感情が入り交じっていく。


 互いに心配を語る戦士達に対して、各隊の隊長が声をあげる。


 その際に一番声を張り上げたのは“カカ”であった。


「アンタ達ッ! コウヤの部下なんでしょ? なら自分達の王を最後まで信じなさい。狼狽(うろた)える暇があるなら、コウヤの思いを実行しなさい! 今も悪魔達の対応に多くの兵が奮闘してるの。頭がついてるなら今すぐに決断しなさい」


 カカの言葉に下を向く戦士達。それを見てカカは再度口を開く。


「コウヤならどちらを選ぶのか、コウヤならどう切り抜けるか、私達はミカソウマの戦士であり、ミカソウマに生きる民でもあるんだ。誇り高き王の元に生きるなら私の言葉が理解できる筈だ! 皆の心配は確りと伝わる、だから頼むよ、アイツは頑張りすぎるから起きた時、笑って休ませてやりたいんだ」


 カカの言葉に戦士達は涙を拭い立ち上がる。


「カカ様。叶えましょう! 今より悪魔達の誘導と状況を把握し直してきます」


「そうですねカカ様。トーラス王に感謝を口にする、トーラス王が成し遂げた勝利を未来永劫忘れぬ物にせねばなりませんしね」


 カカは優しく微笑み、戦士達と共に戦闘の後処理へと向かっていく。


 そんなカカ達が向かった先は陸にあげられたアトランティスであり、内部へと進む為に予め扉の前で待つように伝えていたアリスとリーに交流する。


「ごめんなさい、待たせたわね」とカカが少し冷たい雰囲気を醸し出しながら口にする。


「あ、いえ……あの私は“アリス=ブラウン”。エデンって言う施設の元科学者よ、よろしくね」


 アリスに続くようにリーも挨拶をする。


「私はリー=イーフォン、同じく科学者と言いたいが、エンジニアって言う方が正しい。アンタは?」


 カカは少し悩んだように首を傾けると徐に口を開いた。


「私はカカ、元はNo.(ナンバー)で呼ばれていた実験体よ、()()とミカソウマの皆のお陰で今は普通に暮らしてるわ」


 カカの旦那と言う言葉に驚きを露にするアリスとリー。


「アンタ結婚してるの! 見た目私より子供なのに!」と取り乱すリー。


「失礼よリー、すみませんカカさん、余りにお若く見えたので」とアリスが慌てて謝罪をする。


 カカは気にした様子はなく、さも当たり前と言わんばかりに冷静に「別に気にしてない」と口にする。


 更にカカはある質問を二人に尋ねた。


「聞いていいかしら? 私達の旦那とアナタ達、二人はどういう関係なの、人間と悪魔と戦ってきたのに何故一緒にいるのか理解できないのよね」


 その瞬間、カカは更に冷たく威圧的に雰囲気を二人に向ける。

 同行していたカカの部隊の戦士達にもその雰囲気が伝わり緊張が走る。


 その問いにリーが苛立ちを露にし両手を組んだ(のち)に片手をカカに向け人指し指を真っ直ぐにカカへと向ける。


「さっきからなんなのよ! 私達はアンタと協力したいの、わかる? 其れを何が「私の旦那とどういう関係」? 意味がわからないし、アンタの旦那が誰かも知らないし!」


 カカはリーの言葉にうっすらと笑みを浮かべると全身から炎を作り出し笑みを無表情に変え、口を開いた。


()()じゃないわ、()()よ……私達の旦那の名はコウヤ=トーラス、ミカソウマ初代皇帝よ。アナタ達の知るコウヤの事だけど? 理解できたかしら?」


 カカの只ならぬ迫力と口にされたコウヤの名に二人は驚きを露にせざるおえなかった。


 リーは勢いに押されながら口を開く。


「変だとは思ってたんだ……悪魔って連中も、コウヤとミーナも進化したと仮定しても早すぎるし、それに戦い方だって、まるで本当の戦争にしか見えなかった……アンタ達はいったいなんなのよ……」


「私達はミカソウマの王と歩む事を決めた存在、数多の種族が一人の王の元に集まり創られた大国の戦士よ、まぁ私は魔法使いだけどね」と口にしながらゆっくりと二人に向けて歩みを進めるカカ。


 その時、カカに向け「はい、そこまで」と止めるように声が掛けられる。


「なによディア、今からコウヤとこの二人の関係を聞くとこなんだけど」


 間を割るように姿を現したディアロッテはカカに向かって注意を開始する。


「カカ、気持ちは分かるわ? でも、今はその話をする為に二人を呼んだのではない筈よ、冷静になってください」


「わかった……ふんッ」と頬を膨らませながら、炎を消すカカ、その姿にディアロッテが“うんうん”と頷く。


 カカの性格を心配したランタンの指示でディアロッテもアトランティスへと同行する事になり、ホッと胸を撫で下ろすアリスとリー、そしてカカの部隊の戦士達。


 そして、アリスがアトランティスの内部に続くハッチの解除作業を開始する。


 未だに沈黙を守り続けるアトランティス、その内部がどうのような状況になっているかを調べるのが今回のカカ、アリス、リーの任務であり、ディアロッテがその監視役となる。

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