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悪魔は微笑む2

 アリスとリーはその場で数秒の沈黙を過ごすと直ぐにアトランティスからの脱出を決めることになる。


「り、リー……絶対にあれ、おかしいよ! 何でファルネオさんの顔がいきなり変わるの、意味がわからないよ」


 取り乱すアリスにリーは手をしっかり握り喋りかける。


「落ち着いて、今ならアトランティスは浮上してる。乗り物が有れば脱出できる。でも、確かめないと……シー=ブレンさんが本当に……とにかく、事実が解らないまま飛び出しても、どうしようもない」


 リーの言葉にアリスは首を横に振る。そして震えながら口を開く。


「嫌だよ、だって見たでしょ! シー=ブレンさん動いてなかったじゃない! それにもし、エデンを襲った化け物の仲間なら……私達になんとか出来るわけないじゃん!」


 静かに頷くリー。


「そうだね、もし化け物なら私達には何も出来ない、アトランティスの人達も何も知らないまま死んじゃうかもしれない……私達だけが助かればいいって思うなら今すぐ私達だけで逃げようよ、アリスが決めて。私はアリスに従うよ」


 リーの言葉にうつ向くアリス。


「ズルいよ……リー、変わったね。前なら私を置いてでも逃げてたと思うよ? 本当にズルいよ」


「変わらないよ、少しだけ自分を後回しにするだけ、確認したら直ぐに逃げるし、アリスが転んでも助けたりしないわよ? なんてね」


 互いに顔を見合わせ一瞬笑みを浮かべると互いの顔を確りと見つめ表情を引き締める。


 アリスとリーは部屋を出るとシー=ブレンが倒れていた部屋まで急ぐ。


 アトランティスの内部を進み際にアリスがある事に気がつく。


 硝子のように透き通った天井から見える外の景色、雲の流れる光景と太陽の光、自然な筈の光景に違和感を感じていたのだ。


「ねぇリー、今何時かな、パソコン閉じちゃったから時間がわからないよ」


「時間? 今はそれどころじゃないでしょ、えっと、さっき14時だったから多分、14時半くらいかな?」


 アリスはその瞬間、その場に立ち止まり、天井を見つめる。


 リーはアリスが止まった事に気づき側に駆け寄る。


「何してるの? 急がないと!」と口を開いたリーに対してアリスが天井を指差す。


「あの空、おかしいんだよ。太陽の位置が反対だし、雲の形も流れもループしてるように見えるの……今すぐパソコンを貸して、アトランティスのシステムに入ってみるから」


「ハアァァァーーッ! あんた正気なの! バレたら私達只じゃ済まされないんだよ!」


「今更でしょ、アトランティスから脱出するなら外の様子が知りたいの、あれがもし、何かを隠す為に作られた映像なら、外に何かある筈なの」


 急ぎアトランティスのシステムにハッキングを行おうとするアリス。


「待ちなよアリス、システム本体にハッキングしても防がれる。外部カメラにハッキングを掛けるの」


 リーはそう言うとアリスの横からパソコンを覗き込み指示を出していく。


「さっきも思ったけど、リー、なんか手慣れてない? 私だけだったら絶対に無理だったよ」


「私はエデンでは問題児の部類だったのよ、エデンでは10勝2敗1引き分け、今なら勝率は8割って感じよ。落第しそうになる度に学園のシステムをハッキングしてやってたんだから、任せなさい」


 リーはそう言うとあっという間に外部カメラの一部を操り、外の映像をパソコン画面へと写し出した。


 外は目を疑いたくなるような大勢の悪魔達が飛行し更に海面に頭を出す巨大な悪魔やアトランティスの天井に陣取る者と数多くの種類の悪魔で埋め尽くされていたのである。


「冗談じゃないよ……こんなの、逃げようがないじゃないか」とリーが呟くとアリスは下を向きながら頭を抱えて震え出す。


「なんでよ、なんなのよ! なんでこんなにいっぱい居るのよ!」


 既に囲まれている事実を前にシー=ブレンの死を確信したリーはアリスにある提案を持ち掛ける。


「本気で脱出するなら、今すぐの方がいい、アトランティスが沈めば私達は助からない。アリス、ごめん……偉そうな事言ったけどやっぱり私……」


 アリスは泣きながら、リーの顔を確りと見つめるとゆっくり頷く。


「リーは悪くない……でもどうするの?」


 リーはアリスにアトランティスに来た時に乗った移動型着陸船に乗って脱出する事を伝える。


 船までの最短ルートを検索したリーは同時に船とゲートにもハッキングを掛ける。


 アリスとリーが船のあるドックまで辿り着くと扉の前でリーがパソコンを操作する。


 ガシャンッ……と扉のロックが外れる音がなり、更に中から警報が鳴り響く。


 “ビーッ!” “ビーッ!” 


『警告、警告、ゲート解放、作業員は速やかに安全を確保して移動してください。繰り返します、警告、警告……』


 鳴り響く警報に慌てる作業員達、次々に海中に吸い出される数隻の船、その中をひたすらに駆け抜けるアリスとリーは始めに乗ってきた船の位置を把握していた。


 其れは救出の際に姿を現した機体が収納されている船であり、アリスとリーはバレないように船内に乗り込むと直ぐに残りのゲートを開く。


 アリスとリーの乗った船が海水の中へと進んでいく。


 

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