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悪魔は微笑む1

 コウヤ達、ミカソウマの一団がアトランティスを去った後、アリスとリーはアトランティスでの生活を開始する事となる。


 そんなアリスはリーにある疑問を投げ掛ける。


「なんでアトランティスだけが無事なんだろう……」


 その言葉にリーは首を傾げ、言葉を返した。


「何を言ってるの? 危うく人類が全滅するところだったんだよ!」と強めの口調で語るリー。


「だからだよ、何でアトランティスだけはコウヤ達が合流してから襲われたんだろう……私達のエデンやマチュピチュ、他の施設もそう、何でアトランティスだけがコウヤ達が合流してから襲われたの、どうしても引っ掛かるの」


 多くの人類が地上から消え去った事実を前に疑問が次から次に頭に浮かび、浮かんだままを口に出していくアリス。


 リーはそんなアリスに両手を伸ばし抱き締める。


「わかるよ、コウヤとミーナが行っちゃって不安なんだよね、大丈夫だよ。私がいるから。アリス、だから無理に考えないで」


「違うんだよ。リー、よく考えて! アトランティスが海底に居たとしても、あの怪物なら難なく沈められた筈なの……何かが引っ掛かるのよ」


 アリスに対してリーは溜め息を吐くと「相変わらずの頑固ねぇ、わかったわ。でも、騒ぎはごめんよ?」と片目を閉じながら再度溜め息を吐いて笑みを作る。


 アリスはリーが止めるのも聞かずに、アトランティスの内部のコンピュータにハッキングを掛けると其所から更に地球の回り周回する衛生にハッキングを掛けたのである。


「話が違うじゃない!」小声でアリスに怒りを露にするリー。


「ちょっと待って、あと少し、あ、駄目 だわ……衛生のシステムに入れない」


 そんなアリスを見かねたリーは仕方ないと言わんばかりにアリスから小型パソコンを奪う。


「こう言うのは、相手が先に防壁としてプログラムを造るから其処に罠を仕掛けるのよ! 見てなさい!」


 即席で作られたウィルスプログラムが衛生に送られる。

 プログラムが一瞬シャットダウンした事を確認すると、リーは次々にウィルスプログラムを送信していく。


 そして、同時にワクチンプログラムを送信していく。


 ワクチンプログラムの助けを借りシステムを護る衛星は次第にワクチンプログラムを自動受付するようになっていく。


 するとリーはワクチンプログラムと偽り、ハッキングプログラムを送信する。


 画面に写し出される衛星からの画像を確認したアリスはリーに抱きつくと「ありがとう! リー」と子供のように喜びを露にする。


「いいから、ほら早く調べるわよ! 衛星にハッキングなんてバレたらアトランティスに居られなくなるわよ」


 アリスは急ぎ衛星に録画された画像にアクセスするとエデン襲撃のあった日にちから各衛星の画像を同時に確認していく。


 其処にはアトランティス以外の施設への度重なる攻撃の様子や施設崩壊の生々しい映像が録画されていた。


 そして、マチュピチュ墜落の日の映像を見たアリスとリーは目を疑った。


 アトランティスの頭上を無視するように飛行し遥か彼方に浮遊するマチュピチュへと向かう悪魔達の姿が其処には映し出されていたのである。


「なんで、どう考えてもさ、浮上してるアトランティスを無視するなんて可笑しいよね……」とアリスが呟くとリーも頷きその意見に賛成する。


 そんな時、アリス達の元に近づく足音、慌てて回線を衛星から切り離す二人、そんなアリスのパソコンに写るアトランティス内部の映像。


「リー、これ見て!」


「アリス、今は……え?」


 二人が目にした光景はアトランティスの内部の会議室にある椅子に腰掛け、ある物を手に不敵に笑みを浮かべる男が一人とその足元に苦しそうに胸を押さえて踞るシー=ブレンの姿が写し出されていたのだ。


 直ぐに画面をアップにして音声をオンにする二人、男の手にはコウヤ=トーラスと書かれたのDNAの入った容器が握られている。


「ふっふっふっ、アハハハハハ、実に簡単に手に入った、全くもって有り難い話だ、コウヤ=トーラス。お前の絶望に歪んだ表情を見れなくて大変残念だったが、お前の……いや、瑠璃色の王の血が我が手に舞い込んだのだから良しとしよう。全ては我が食肉際の為にな……アハハハハハ」


 常軌を逸した笑みを浮かべる男、それは紛れもなくファルネオ本人であり、アリスとリーは画面越しにその姿と顔が変化する光景に息を飲んだ。

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