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海の魔物3

 魔導銃から放たれた1発の魔弾。


 クラーケンの瞳に目掛けて撃ち出されると瞬く間に魔弾から氷の線が伸びていく、魔弾から身を守ろうと触手で魔弾の弾道を塞ぐクラーケン、魔弾は触手にめり込むように突き刺さると触手から無数の氷柱が姿を現しクラーケンの全身が一瞬で白く凍りつく。


 クラーケンの動きが停止したことを確認したコウヤは刀を手にクラーケンの触手を貫いた。


 小さな亀裂が入ると次第に亀裂がクラーケンの全身に伸びていき、一瞬泡が舞い上がると、瞬く間に粉々にくずれさったのである。


 コウヤはクラーケンの体を魔弾で瞬間冷凍し、更に亀裂を入れることで粉砕したのである。

 クラーケンは最初のコウヤの一撃がダメージ特化の攻撃であった事から触手で受けたがコウヤはそうなる事を予想し最初の一撃を食らわせていた。


 クラーケンが粉砕され、軽くなったアトランティスは浮上速度をあげて一気に海面へとその姿を露にする。


 急ぎアトランティスへと合流しようとするコウヤ。

 しかし薄暗い海底からコウヤ目掛けて突進してくる存在がいた。


「よくも、私のペットを……赦さないよ!」


 海中に響く声にコウヤが気づき足元を見ると長い黒髪に下半身が大蛇のような姿をした女がコウヤ目掛けて海中を移動してきたのである。


 コウヤは一瞬焦るも、冷静に女へと魔導銃を向ける。


 引き金を引こうとした時だった。


 無数の魚達が狂ったようにコウヤを襲い、渦を作るようにコウヤの周りを泳ぐと女をコウヤの視界から遠ざけたのである。


「これはッ!」コウヤは次の瞬間、女がいた位置に向けて引き金を引く。


 眩い閃光が魚達を吹き飛ばしながら海底に向けて撃ち放たれる。


 しかし、コウヤは自身の手に巻き付く凄まじい力に気づかされる。

 コウヤが引き金を引いた瞬間に巻き付いたのであろう女の大蛇のような下半身はコウヤの腕をへし折らんと一気に締め上げていく。


「ッうわあぁぁぁッ!」と叫ぶコウヤ、腕は骨が折られ力が抜けたように垂れ下がっていく。


 コウヤ叫び声に笑みを浮かべる女は笑いながらコウヤの体へと自身の体を絡めていく。


「あはは! 私の勝ちだ。陸だけで暴れていれば良いものを私の狩り場にまで手を出すから痛い目をみるのさ!」


 そう語る女は次第に力を込めながらコウヤの全身をじわりじわりと締め上げる。


 全身の自由が失われたと確信した女は更に力を込めていく。


「終わりだよ! お前を潰してからあの忌々しいアトランティスを海の藻屑にしてやるよ!」


 女に対して「何故、人類を滅ぼそうとするんだ……」と尋ねるコウヤ。


「あぁ? 簡単さ、古い人類の役目は終わったんだよ! 私達、新人類が全ての世界と時間を手に入れる、邪魔な存在は消すのみなんだよ!」


 そう語る女はコウヤを締め上げる、そんなコウヤは自身の砕かれた腕に回復魔法を掛けて再生しよいと考えていた。


 コウヤは不意に女を見て喋り始める。


「本当に死ぬか生きるかの2択しかないのか……共に歩む事を考えなかったのか」


 コウヤの質問に体を小刻みに震う女は妖艶な笑みを浮かべる。


「懐かしいわぁ……貴方は変わってる。昔、私にそう言ってくれた人が居たわ……蛇の下半身を手にする前の話よ。でも現実は裏切られた……私は悟った。世界は食うか食われるかなんだと、だからお前を食い潰さして瑠璃色の王の伝説は終わらせる!」


 その瞬間、コウヤは回復を終えた。


 全身を締め上げる女の体を即座に凍らせたのである。


 コウヤはうつ向くように頭を下げると全身に力を込めて女の大蛇のような下半身を砕くとバランスを失った女が海底へと沈んでいく。


 皮肉にも女から流れる血液は自身の操っていた大量の魚達を興奮させる事となる


「ごめん、「食うか食われるか」っていってたよね……今ある現実が答えだよ」


 女は笑いながら其を受け入れるように両腕を大きく開き、死をうけいれたのであった。


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