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アトランティスへ4

 空気を振動させる代わりに水中を振動させ、声を伝える音波システムの完成が大きく生活水準を変えた事もあり、アトランティスでの生活は快適な者になっていた。


「今からアナタ方、四人にアトランティスの指導者であるマスター“シー=ブレン”に会っていただく、出来れば外の様子や経験した事を伝えてほしいのだ」


 隊長はそう言うとアトランティスの内部へとコウヤ達を招き入れる。


 コウヤ達の居た部屋は言わば、入り口に入る為の準備室であり、アトランティス内部へと続く通路が室内の足元から姿を現すとそこから更に水中を泳いで進んで行く。


 大きく開けた空間に出るとコウヤ達の足下に壮大な景色が写し出される。


 アトランティス内部に造られた光輝く眩い街並みに無数に広がる水草は森や林を思わせるように群生し水中の中を靡いている。

 コウヤとミーナの知らない世界が其処には広がっていた。


 アトランティスの内部には手すりが壁や床に作られており、随時一定の方向に動いており、アトランティス人は其れを利用して水中の中を速やかに移動していく。


 移動の際に注目を集めるコウヤとミーナ、姿が違えば当然であるが、そんな二人を気遣うように隊長と部下達が周りを囲み、軽く微笑んで見せる。


「すまない、皆も悪気はないのだよ。姿が違う者に注目するのは我々人間の悪い癖だ、許してほしい」と語る隊長。


 そんな時、余りに地上とは違う生活空間にコウヤは驚きを口にした。


「凄いや……水中の中をあんなに簡単に進むなんて」


 目に入る全てに興味を示すコウヤ、隊長はそんなコウヤ達を迷わないように誘導していく。


 最初に案内された場所は大きな研究施設のような外見の建物であった。




 室内に入りると数人の白衣を着た研究員が驚きながらコウヤとミーナの元へと泳いでいく。


「作り物ではないよね? 濡れた毛が皮膚から直接……本物だ!」と白衣の男が声をあげて喜ぶと他の白衣姿の男女も同様に驚きを露にする。


 興奮冷めやらぬ白衣達に隊長が声を掛ける。


「すまないが登録を急いでくれ、シー=ブレン様の元に急ぎ案内をせねばならないんだ」


 その言葉に冷静さを取り戻した白衣達。


「失礼いたしました。“ファルネオ様”、実に興味深い御二人に我々は理性が吹き飛んでおりました」と笑みを浮かべる白衣達。


 隊長こと、ファルネオの指示に従い小さな箱を4つ用意する白衣達。


 コウヤとミーナ、アリスとリーの四人は箱に指を入れるように指示をされる。


「箱に指を御入れください、少しチクっとしますが問題はありませんので御安心を」と白衣が簡単な説明を口にする。


 箱の中に指を入れるコウヤ。


 チクっと針に刺されたような微かな痛みが走る。 


 箱に文字が浮き上がると、白衣は名前と特徴、更に写真を撮影する。


「終わりました。改めましてアトランティスへようこそ。情報登録が済みましたのでシー=ブレン様の元に向かって頂いて大丈夫です。ファルネオ様」


「感謝する」と口にして早々に話を切り上げるファルネオ。


 コウヤ達が次に案内された場所はアトランティスの中央に位置する巨大な城であり、アトランティスの地下に造られた特別通路から城中へと向かっていく。


 城内では先にファルネオから報告を受けたアトランティス軍の部隊がコウヤ達を歓迎するように出迎えるとファルネオを先頭に城の中へと進んで行く。


 そしてコウヤ達は、アトランティスの最高指導者シー=ブレンの元へと案内されていく。


 城内は中央が吹き抜けになっており、城の中心から上に向かって水流が上がり、その水流に乗るようにしてシー=ブレンの待つ私室まで移動していく。


 着いた先にある扉を開き室内へと案内されるコウヤ達、その先に待っていたのは仮面を被った男であり、その男こそ、アトランティス最高指導者シー=ブレンであった。


 コウヤ達を見るなりシー=ブレン喜びの声が室内にこだまする。


「いやぁ! よく来てくれた、長いこと待ちわびたよ。実に喜ばしい、なんと素敵な日だろうか、初めまして、私がシー=ブレン、アトランティスの指導者と呼ばれている男だ。コウヤ=トーラス君」


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