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運命の選択4

 燃え上がる森の中を駆け抜けていくコウヤ達、遥か先に墜落した鉄の大地が爆音をあげると空からは真っ赤に熱された大量の鉄の雨が縦横無尽に降り注ぐ。


 大地に降り注いだ鉄は土を焼き、コウヤ達の足を次第に熱していく。


「早く抜けないと! ミーナッ! アリスッ! 掴まって、一気に飛ぶよ!」


 コウヤに確りとしがみつくミーナとアリス。

 足に神経を集中させ、地面を踏み込むと森の外へと凄まじい速度で移動する。

 振り落とされないように確りと掴まるアリスの手が次第に痺れ、コウヤの腕から振り落とされそうになった瞬間、コウヤの動きが止まり、アリスとミーナを支えるように体勢を屈めると、その場にしゃがみこむ。


「もう大丈夫だよ。森を抜けたから」とコウヤの言葉に安堵の表情を浮かべたアリス。

 その足は震え、その場にヘタレ込んだまま動けなくなっている。


 アリスはコウヤとミーナの顔を再度見上げると「死ぬかと思った……来てくれてありがとう」と涙ながらに語った。


 コウヤ達はそれから更に森からの移動を開始する。

 野宿をしたポイントまで移動をする中、遠く見える森が次第に焼け野原へと変化していく。


 ポイントに到着すると森で何が起きたのか、そして、空で激しく燃えていた鉄の大地がいったいなんだったのかを尋ねようとするコウヤ。


 ミーナがコウヤの肩に手を当てて首を左右に振る。


 その日、疲れきった表情で眠るアリスであったが、何度も魘されては目覚め、その度に悔やんだように涙を流しては意識を失うといった状況が繰り返されていた。


 朝まで魘される姿にコウヤは自身が壊すことは出来るも癒す事は出来ないと言う事実をまじまじと感じていた。


 ミーナはコウヤを見て声を掛ける。


「全てを何とかしようなんて傲慢よ。いいのよ、君は立派に頑張ってるんだから」


 ミーナは悔しそうな表情で悩むコウヤを見てそう口にする。


「ミーナ、僕は大丈夫だよ。それに僕の方が今は年上なんだよ?」


 不思議そうにコウヤの言葉を聞き考えるミーナは自身が20年の年月が過ぎている事実を思い出すと笑みを浮かべる。


「そっか、不思議ね、最初は私が年上だったのに同い年になって、そんな君は生徒だったのに私の旦那様になってるなんて、あの頃の私が知ったら笑うだろうなぁ」


 二人は互いをパートナーとして歩んできた日々や、其れから出会った多くの仲間達を思い出し笑みを浮かべながら会話を続けていた。


 コウヤとミーナの声に目を覚ますアリス、其れからアリスは森で何があったのかを順を追って語り出す。


 アリスは森から二人が旅立った後、【マチュピチュ】と【アトランティス】からの救援を待つことになり、【アトランティス】は【マチュピチュ】の到着後に合流する事が決まっていた。


 飛行城塞【マチュピチュ】とは超巨大飛行戦闘母艦の名であり、航空戦闘時には本体から18のゲートを使い戦闘機が発進する。

 大空の帝国とまで言われた人類最大の飛行拠点でもあった。


 せして、【マチュピチュ】はアリスの救助とアトランティスとの合流の為、森を目指し移動を開始しする。


 その際も通信は確りと繋がれており、アリスは救助を心待ちにしていた。


 しかし、突如として入る救援要請が全チャンネルから響いた。


『此方! マチュピチュ! 敵襲を受けている。敵、正体不明……戦闘に入るも押されている。救援を求む! 繰り返す救援を求む! 此方! マチュピ……』


 その通信を最後に【マチュピチュ】との通信が途絶え、【アトランティス】からの通信も途絶えていた。


 何が起きているか理解できない状況の中でアリスは通信機に語り続けていた。


 アリスが事態を理解したのはコウヤ達同様に空に燃え上がる【マチュピチュ】をその目にしたからであり、墜落する最中、【マチュピチュ】の周りを飛行していた無数の影が消えるのをアリスは目撃していた。


 そして、コウヤ達が合流するまで、再度全チャンネルに救援を求めたと語ったのである。


 コウヤとミーナが見た鉄の大地はコントロールを失い墜落していく飛行城塞【マチュピチュ】であり、その事実を知ったコウヤは拳を握り、チェルバランが人類の滅亡を本気で再度開始した事実を感じていた。


 再度移動を開始しようと動き出した時、空が光輝き、日光が大地を照らしていく。


 コウヤ達は離れた高台から太陽に照らされた変わり果てた森と遠くに黒く焼け焦げた【マチュピチュ】の残害をその目にする。


 それは新たな戦いの狼煙であり、コウヤ達の直ぐ後ろまでその魔の手が迫っている事実をまだコウヤ達は気づいていなかった。

 

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