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ワールド……ゼロの世界3

 互いに考えがまとまらないまま時間は過ぎていく、そうして迎える5日の朝。


「ミーナ、見てよ。花から魔力が生まれてる。土も草からも! やったんだ……僕達は帰れる糸口を見つけ出したんだよ。此のままいけば、いつか皆の待つミカソウマに戻れるんだ!」


 無邪気に喜び今にも踊り出しそうなコウヤの笑み。


「いつかって、いつになるんだろう……皆の生きてる時代に本当に帰れるのかな……」


 希望が見えた矢先の言葉にコウヤは喜ぶのをやめるとミーナの肩を確りと掴みそれから抱きしめる。


「大丈夫だよ、今までもずっと頑張ってきたんだ。だから、大丈夫。一緒に皆の元に帰ろう。きっと皆、心配してるよ」


 不安だったのだろう、ミーナは自信の言葉がどれ程、愚かな発言であったのかを考えると涙を浮かべ子供のように泣きじゃくる。


 その日から、ミーナの不安を少しでも和らげようとコウヤは必死に防壁を広げる。

 無理をしない程度の範囲で体外魔力を使い、自身の魔力を“時空王”へと蓄えていくコウヤ。


 そして二人の生活にも新たな変化が訪れていた。

 土が浄化された事で植物魔法から作られる果実や野菜が口に出来るようになったのである。


 その日の昼食、調味は塩のみであるが、コウヤは20年ぶり水や氷以外の物を口にする。

 コウヤは自身の口の中に広がる野菜の甘み果実の酸味と甘みを堪能する。


 大地に落ちる涙は感謝と嬉しさの現れであり、ミーナはそんなコウヤの姿に役にたてたと喜びが溢れだしていた。


「本当に美味しい。食べれるってこんなに嬉しいんだね、本当の意味で生きる厳しさを知って、今生きてる喜びを改めて噛み締めてる気分だよ」


「本当に噛み締めてるのよ、まぁ、噛み締めてるのは野菜だけど。あと何れくらいしたら、鳥とかが生まれるのかな?」


 二人の会話に活気や活力が戻り出すと、そこからの日々は徐々に明るく前進していく。


 ミーナの植物魔法が加わる事で浄化される範囲は大幅に変化し、コウヤは防壁を広げながら、水脈の浄化に蓄えた魔力を使う事を決める。


 いくら土を浄化しても水脈の浄化が出来なければ多くの汚染が再発する。

 その為、一定の範囲の水脈の形を変化させ、浄化して繋げるという方法に切り替えたのである。

 体外魔力の補充量を考えれば後にいきてくるとコウヤとミーナは考えたのである。


 この日から二人は5年もの間を生存範囲の拡張に費やす事になる。

 その間に自然界の微生物達は急速な変異をとげる事になる。


 元の環境を生き残った昆虫達は新たな生命によって死滅し、新たな生命のサイクルが出来上がると次から次に進化と変化が昆虫の中で起き始める。


 毒された汚染の地に生きる昆虫が姿を現し始め、それと同時に汚染の地に毒を撒く植物が群生する。


 汚染から毒に姿を変え、独自の生態系はその牙を何も無い土地に伸ばし平らげるように毒草が花を開き花粉を飛ばし新たな毒の大地が形成されていった。


 其れは次第に浄化を開始されたコウヤ達の元に忍び寄る事となるが、コウヤとミーナはその事実にまだ、気づいてはいなかった。


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