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亜人と歩む ~瑠璃色王のレクイエム~  作者: 夏カボチャ 悠元
第三部 光の先に見える物
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ミカソウマ……繋がる道

 時空島では、指揮官であるチェルバランの戦闘離脱による戦意喪失と敵前逃亡が起こり始めており、悪魔兵達がチェルバランの帰還を知ると次々に時空の亀裂を作り出し時空島から姿を消していく。


 コウヤ達に対する激しい抵抗が止み、追撃戦の様相をていした戦場で数人の悪魔を逃亡前に生け捕りにする事に成功していた。


 時空島の戦いは敵大将の逃亡と言う形でミカソウマが勝利を手にする。

 しかし、コウヤはアルディオと敵大将であるチェルバランを討てていない事実に険しい表情を浮かべていた。


「クッ、また……何時までこんな事を続けるつもりなんだ、アルディオ……」


 コウヤがそう呟いた時、一人の捕まった悪魔兵が笑い出す。


「あはは……お前らは直ぐに終わる! 本国“シャーパン”がお前らの全てを無にかえるんだ、せいぜい今の自分を楽しめ」


 戦闘を終えた兵士達の怒りが一斉に悪魔兵に向いていく。

 兵士達の手には剣や斧といった得物が握られ、悪魔兵を八つ裂きにせんと、いきりたっていた。


 皆の怒りが頂点に達しようとした時、ランタンが不意に大鎌(デスサイズ)を悪魔兵の首すれすれに突き付ける。


「や、殺るならやれよ! どうせお前達の()()は無になるんだ!」


 無言のまま、ランタンは徐にロストアーツ(カード)を取りだした。

 ランタンと悪魔兵だけの目に見えない世界が突如広がっていくとロストアーツ(カード)から現れる(いびつ)な黒い影に悪魔兵は冷や汗を流した。


 周囲には何が起きているのかが分からず、悪魔兵の表情が次第に恐怖で(ゆが)んで行く光景に皆が驚きを露にする。


「悪魔兵の貴方は恐怖は感じないと思いましたが? おっと、違いましたね……貴殿方の司令官殿は我等が王である魔王コウヤ=トーラスを恐れて逃げ出したのですからね?」


 そう口にした瞬間、悪魔兵の目の前に広がる影が膨らみ破裂する。

 破裂した影が悪魔兵の全身に付着した瞬間、無数の手が影から姿を現し悪魔兵の体の中に入り込んでいく。


「ギャアァァァ、なんだ! クソっ……クソッ! 入ってくるな……うわぁぁぁ……」


 コウヤ達の目の前で爪を立てながら踞り全身から血を流し断末摩のような叫び声をあげる。

 次第に掠れていく声を前にランタンが喉元を鷲掴みにすると大柄な悪魔兵を軽々と宙に持ち上げる。


「貴方は今、何が見えているのでしょうか? 人ならば悪魔を見るのでしょうが、貴方達のような存在が見る悪夢は想像できません。多くの仲間達が犠牲になり、戦争だと割り切るには余りに大切な者達を私は喪いすぎました」


 ランタンはそう語った瞬間、手にしていたロストアーツ(カード)の中心を指で挟み強く押し付ける。


「うぎあぁぁぁぁーー!」


 悪魔兵が糸の切れた人形のように動かなくなり、両手は下を向き手は拡がったまま、微動だにしない。


 何が起きたのか理解できないコウヤはランタンに近付き触れた瞬間、悪魔兵が目の当たりにした全てを理解した。


 コウヤの目に写った光景は悪魔兵の全身を手が無造作に貫き、貫通した手は抱き締めるように顔、体、爪先に至るまで全身を包み込んでいた。


「ラ、ランタン……これって!」


 コウヤの声にランタンはゆっくりと振り向くと悪魔兵を下に放り投げる。


「コウヤさん……もし、ソウマさんが生きていたなら、こんな時、もっといい考えを皆に与えてくれたのでしょう。私は自分の遣り方しか知りません……軽蔑をいたしますか?」


「ランタン、僕はランタンを信じてる。ソウマだってきっと……ううん、今を生きる僕達に全てを委ねると思うんだよ」


 静かに頷いたランタン、其処から自我を失い言われるがままに質問に答える悪魔兵から情報を引き出していく。


「貴方達の目的はなんですか?」


 ランタンの質問にゆっくりと口を開く悪魔兵。


「オレ……達は……チェル……バラ……ン……様の……命令…………資源……を奪う……」


 皆が耳を疑う最中、ランタンは更に質問を続けていく。


「貴方達の国は何処にあるのです? どうすれば行けるのですか」


「“時の支配者”……繋がり……れらは……時を……渡っ……きた」


 ロストアーツ(時の超越者)と似た言葉にコウヤは動揺した。


「最後に我々の存在と言った意味を教えて頂きたい」


「チェル……ラン様は……敵の……過去を……滅……せる……敵は……存在を……消さ……る……」


 途切れながら語られた言葉、敵の存在その物を根本から消し去る事実を知ったコウヤはランタンの顔見て頷いてみせる。


「僕達の過去が危ないって事でいいんだよね……」


 コウヤの言葉にランタンは頷き、口を開きある可能性を語る。


「既に我々は次元から逸脱した存在なのやも知れません。本当に過去の我々が消されているならば、今居る私達は別の存在と言う事になります」


 ランタンは過去を変えられていない可能性、更に変えられていたとしても今の自分達が存在している事実をコウヤに伝えた。


 コウヤは目を瞑り深く息を吸い込むと、息を吐き出して真っ直ぐと前を向く。


「過去に行けるなら……行こう! 僕達は皆、大切な人を失って来たんだ。もう諦めたくないし、繋がりが無くても見捨てられないよ!」


 ランタンはコウヤの言葉にある問題を口にする。


「しかし、見たところ、この“時の支配者”と言うロストアーツは一人用みたいです。他の悪魔兵達も同様に同じ物を所持していました」


 コウヤはランタンに向けてある提案を口にした。


「海底から、クウヤって島人のロストアーツを回収する」

 

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