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亜人と歩む ~瑠璃色王のレクイエム~  作者: 夏カボチャ 悠元
第三部 光の先に見える物
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ミカソウマ……最後の戦場1

 時空島の出現と此方の世界への着陸、予想だにしていなかった現実、全ての引き金である悪魔達の笑み、ミカソウマ最大の危機が現実になろうとする最中、立ち上がる戦士達、総力戦になるであろう事態である事は誰の目にも明らかであった。


 コウヤは敵の詳細が掴めぬ状況で戦えば勝機が見えぬ事を理解していた。

 そんな状況を打開する為に自ら先手を取ろうと考えテレパスのコントロールにたけた部隊を編成すると強行作戦を行う為、隊長となるメンバーを会議室に集めていた。


 コウヤを筆頭に集められたメンバー。


 ・ミーナ。

 ・キュスカ=マーブル。

 ・ディアロッテ。

 ・カカ。

 ・マトン=ホゲット。

 ・ランタン=パンプキン。


 コウヤと六人の隊長からなるテレパス保有者の大部隊で時空島に攻撃を仕掛ける事が即座に決定する。


 普段ならばコウヤが絶対に取らない博打のような作戦であったが、現状は他の選択肢を赦さず、皆も苦肉の策でありながらも決行を決断したのである。

 此ほどまでにコウヤが戦闘意識をむき出しで勝利を掴もうとする理由は国を守りたいと願う気持ちと、アルディオへの怒りであった。


 コウヤの決断と強行作戦の隊員が早急に決められていく最中、ミカソウマの港から見張りの兵士こら緊急報告がコウヤのもとに伝えられる。


「コウヤ様! 海上からシアン大陸に向けて巨大な人影! 報告にあったゴーレムだと思われます!」


 集められた隊長達を含めコウヤは緊急報告を聞き、直ぐに港へとテレパスで飛ぶ。


 港から見える遥か水平線の先に現れる巨大な人影、それは横並びとなり巨大な動く壁のようにすら見える。

 巨大過ぎるゴーレムの数に圧倒される兵士達。


「皆よく聞けっ! 今から奴等はこのミカソウマへと進軍してくる。

 僕達が奴等を止めなければ多くの犠牲と共にシアン大陸の全てが海の藻屑となるんだ! 偉大な前魔王シアン=クラフトロの作った国を、大陸を奴等の自由にさせる気は無い! 

 戦える者は武器を取り、魔力が有るものは魔力が切れるまで撃ち尽くせ、僕達の国は僕達全員で守る!

 戦士達よ、立ち上がれ! 最後の戦いであり、敵の目的は僕達の国、ミカソウマだ! 奴等に魔王の国を敵にしたらどうなるか教えてやろう!」


「「「オオォォォオオオ!」」」


 戦士だけでなく、多くの民が声を上げる、絶望の恐怖を希望で塗り替えるように発せられたコウヤの言葉、それを信じ共に歩むミカソウマの国民、総力戦となる覚悟を決めたミカソウマ、それはシアン大陸全土に響き渡り、半日の間に集まれる戦力が大陸中から集結を開始する。


 歩兵をミカソウマへと向かわせ、航空部隊だけを先の戦力として向かわせる国もあれば、歩兵ばかりであるが、防衛に全勢力を向かわせる国など、形は様々であったが1つ言えるのはシアン大陸に協力を拒む国が1つとして存在せず、皆がコウヤの為に立ち上がったと言う事実であった。


 コウヤ達はシアン大陸に敵の上陸を赦す訳にはいかない事実を前に海上での戦闘を決断する。


 敵のミカソウマ到達を日の出から一時間程と予想したランタンがコウヤにそれを伝える。


 タイムリミットは日の出であり、其までに敵を排除出来なければシアン大陸は滅ぶだろうとランタンは口にする。


「タイムリミットはあくまでも予想に過ぎません、敵の速度が上がれば日の出前と言う事も有り得ます」


「話してる余裕すら無いワケだね、敵は正体不明の巨大ゴーレムに兵隊を別の場所に飛ばす能力者、そして、アルディオにブラッドマン、僕達の本当の踏ん張り処なんだよね」


「コウヤさん……何とか勝ちましょう、絶対に……」


「うん、全軍に武器の再確認と戦闘準備を改めて確認して、今回は絶対に負けられないから」


 ランタンは、コウヤに大陸を捨てて皆を何とかポケットの力で移動させる案を口にしようとしたが、最後まで其を口にする事はなかった。

 何処に逃げようが、今止められない敵を後に倒す事は今倒すよりも遥かに難しいと感じたからである。


 海上には、準備を整えたガレオン船団とヴァイキング船団が横並びになり、巨大ゴーレムの壁と同じように広がっていく。

 更に空には各国の飛行部隊が集まり隊列をなしていく。


 ガーゴイルの王であり、四将の一人ギリオンとハーピィーの女王、ヘレミア=トレアが左右に別れて指揮をする事で空の守りを固めていく。


 最後の戦いの準備が整い、全軍を前に空に姿を現したコウヤはただ一言、言葉を発した。


「全軍、突撃ィィッ!」


「「「ウオォォォォッ!」」」  

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