表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
亜人と歩む ~瑠璃色王のレクイエム~  作者: 夏カボチャ 悠元
第三部 光の先に見える物
262/362

時空島再び、悪魔の微笑み

 ミカソウマ迄の航海に神経を研ぎ澄ますランタン指揮の調査部隊がミカソウマに辿り着いたのは三日後の事であり、ランタンは自身の使い魔の力を借りることで向かい風と言う状況にも関わらず早々と帰還に成功していた。


 船に積まれていた要らぬ家具や砲弾に大砲等を捨てた事により速度を上げ、風魔法とヴァイキングの海流魔法が船を通常の5倍にもなる速度を可能にしていたのだ。


 ミカソウマの港に到着したランタン達の調査船の報告を受けたコウヤが港に出向くと険しい顔のランタンとマトンの姿があり、コウヤの背筋に嫌な悪寒が走る。


ランタン(パンプキン)、マトンさん。アルバーンは? それにこんな早くの帰還って? いったい何があったの」


 質問をするコウヤに対して、ランタンは急ぎ主要メンバーを集めるように口にする。


 事態が解らないままであったがランタンの言葉にコウヤは直ぐにシアン大陸内に散らばる国々の王と自身の側近達をミカソウマの城に集める事を決める。


 全ての王達が集まるまで早くても4日程掛かる現状にランタンはミカソウマに身を置く者達とコウヤに自身が目にしたアルバーン本国での光景を話す。


「アルバーン本国……いえ、アルバーンの全ては海底に沈みました。私達、調査部隊は船を島から遠ざけた位置に停泊させ一晩を過ごし、難を逃れましたが、アルバーン本国で夜を明かしていたならば、全滅と言う最悪の結果を余儀なくされたやも知れません」


 魔王軍の将軍であるランタンの言葉に室内に居た全ての者が動揺を露にしていた。


 ランタンは自身の事を過小評価はしない、そして敵に対しても同様に評価をくだすからであり、ランタンの口から全滅と言葉が発せられた事実は聞いたままの事が現実に起きていたであろうと皆は考えていた。


「つまり、敵として確認できたのは巨大なゴーレムのみで、ボルトとテルガの部隊と同じ敵ってわけだよね」そうランタンに確認するコウヤ。


「分かりかねます、実際に話は似ていますが、アルバーンは完全に地図から消えました。更に聞いた話より、遥かに巨大なゴーレムであった事を踏まえれば、同一か否かと言う質問に即答しかねます」


 ランタンの返答が返されると話し合いは後日となり、シアン大陸の王達と共に議論する事となる。


 話し合いが終わった後、コウヤはアルディオ達が世界に対して本格的に攻撃を開始した事を本能で感じていた。


 そんな不安が渦巻くミカソウマに新たな問題が浮上する。


 アルバーン本国のあった海域に時空島の反応が現れたのだ。

 しかし、その反応は過去に例を見ないほどに巨大であり、急ぎコウヤは体外魔力を使い、アルバーン本国の海域を確認する。

 成長し体外魔力の威力が増した分、集中力と精神力を要求される事から、遠距離の体外魔力を避けていたコウヤであったが、時空島の異常な反応に無理を承知で海域の様子を確認する。


 コウヤの目に写る驚きの光景に精神が不安定になり、ミカソウマへと戻されたコウヤの体外魔力、額から流れる滝のような冷や汗は誰の目にも事態が悪い方向に動いた事を予期させていた。


 体外魔力から目覚めるコウヤ。


「アルバーンの海域に時空島が降りてきてる! アルバーンを襲ったのは時空島の土台にする為だったんだ! 嫌な予感しかしない、ランタン。直ぐに大陸全ての防衛の準備と攻撃の用意をお願い、敵は目と鼻の先に拠点を手にしたんだ!」


 コウヤの決断にミカソウマ国内は騒然となる。


 時空島が姿を現し、世界に対して全体を露にした例は存在しない。

 今ミカソウマを襲う新たな事態に誰もがどうするかを悩んでいた。


 時空島は島と言うには余りに巨大であり、アルバーンの島国全てが土台となりやっと収まるほどのサイズであった。

 その日、ひっきり無しに現れる時空島の反応はミカソウマの新たな驚異となる。同時にアルディオの本当の目的が確実に動き出した瞬間でもあった。


 時空島の地に集結するアルディオと部下達、その中にはブラッドマン、クウヤ=ヤナギ、レイシア=ラオリムと言ったアルディオの幹部達の姿もあり、時空島の切れ目から次々に悪魔達も姿を現していた。


 男の悪魔が一人、アルディオに近づいていく。

 見た目は黒いスーツ姿であり、にんまりと作られた様な笑顔は優しさよりも不気味さを感じさせる。

 ゆっくりとした身のこなしでアルディオの前に歩み寄ると、アルディオは静かに会釈をする。


「実に見事ですね、アルディオ。我々の期待通りによく此処まで上手く立ち回れたモノですね。実に素晴らしい」


「いえ、私は仕事をしたまでです。今からが本当の仕上げになりますので、気を引き締めて挑ませて頂きます」


 アルディオの答えに満足そうに笑みを作ると鼻唄を歌いながら海を眺める悪魔。


「此れが我等が世界、実に美しい……この世界で我等は新たな歴史を刻む! さぁ始めようじゃないか! 世界に住む古き者達に我々の感謝の気持ちを伝えよう、動物の謝肉祭と洒落込もうじゃないか! アハハハハハっ!」


 雄叫びのような笑い声が時空島を包み込むように発せられる。

 声に反応するように開く無数の空間、中から次々に悪魔の大軍が姿を現し列をなしていく。


 ミカソウマ進軍迄の秒読みがスタートする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ