危険な香りの赤き紳士
すみません! 長く休みました(ToT)
風邪を拗らせ、40℃越えた辺りから書くことすらままならなくなってました。
(。・ω・。)ゞ少しですが復活したので更新します。
本当に無言のままに休んでしまい申し訳ありませんでした。
ガンドラの行方が分からなくなったと知らせを受けたコウヤは事態を重く受け止め、全力でガンドラとアルバーンの乗っていた船の捜索を開始する。
祭りは一時的に延期となり、複雑な空気と不安がミカソウマにも立ち込めていた。
コウヤ自身も本来ならば信じたくないような出来事であり、ガンドラの無事を信じて海を、そして、島を調べられる全てを捜索範囲とし隈無く探していく。
しかし、多くの船と人員導入されるも、足取りは掴めず、無情にも時間だけが過ぎていく。
答えの見つからない、もどかしさだけがコウヤの心に絡み付いていく。
「まだ見つからないのか……ガンドラ達の船が消えてから一月だ。何処に居るんだ……ガンドラ」
コウヤ自身もそして、誰もがあえて口には出さないが、答えは絶望的であると言う他なかった。
それでも諦めないコウヤの気持ちを踏みにじるようにして、吹き荒れる嵐、そんな中、大海原を漂っていたガンドラ達の船が見付かる事になる。
船外に傷は無く、島に停泊していたであろう船体に突いた砂は雨風により流され始めていたが、島に停泊していた事実を確実にしたのである。
この事実を知り、コウヤは探索な範囲を更に絞り込む事にしたのである。
ディアロッテに船の見つかった位置からの予想経路を算出して貰いそこに、突風などの大まかな情報を足していく。
ヴァルハーレンの経験とディアロッテの知識から推測された経路に存在する島は全部で5つであり、コウヤ達の探してきた範囲より更に奥に位置していたのである。
コウヤは直ぐに船を用意すると、自分自身も船に乗り込み大海原を突き進んでいく。
5つの島を次々に調べていくコウヤとヴァルハーレンの一行、焦る気持ちを必死に押さえながら島を一つ一つ調べていく。
そして、最後の島に辿り着く間際、島から突如、光の柱が空に向けて撃ち放たれると柱は雲の中に飲み込まれるように姿を消していたのである。
「なに今の、光の柱が」
「分からぬが……もし、敵とするならば、かなりの魔力を所持してる可能性がある。気を抜くなコウヤ!」
ヴァルハーレンの言葉に慎重に船を進めるコウヤ、同行している四将にも緊張が走る。
そんなコウヤ達の存在を歓迎するように笑みを浮かべる一団。
そこにはコウヤ達のよく知る人物であるロナとその隣にアルディオの姿があり、その周囲には武装した部下達の姿があった。
「実に長かったね、どれ程……楽しみにしてた事か彼には分からないだろうな?」
「御兄様、わざわざ此処までする必要があったんですか?」
「なんとも言えないかなぁ?」
アグラクトでの戦闘後、身を隠していたアルディオとロナ。
その二人が動き出した理由……
そして、コウヤ達に接触する為に動き出す部隊の姿もあった。
次第に距離を縮めながら、コウヤ達に迫っていく集団。
そんな最中、コウヤは見つけたくないものを目の当たりにし衝撃を露にしていた。
数人のアルバーンの戦士の遺体が無惨に獣に食い荒らされた残骸を発見したのだ。
「あの肘の形、アルバーンだよね。間違いなく……ガンドラ達はこの島に来たんだ!」
“グッ”と握り拳を作りながらも冷静さを保とうと必死に感情を押さえるコウヤ。
そんなコウヤ達の先から突如聞こえる叫び声、荒々しくそれでいて憎しみに満ちたように叫ばれるその声。
急ぎ駆け付けるコウヤ達の前に姿を現したのは肉体が朽ち果てながら、魂を繋がれたガンドラであった。
「なぁ……ガンドラ……」
「コウヤ……ニゲロ……」
「今……連れて帰るから……出来たら皆も、連れて帰るからさ、少し辛いけど……我慢してね」
その光景は皆がアグラクトの死人を思い出すようであり、コウヤの不安を少しでも減らそうと考えたヴァルハーレンは即座に島に散らばり探索する仲間達を集める狼煙をあげる。
狼煙を確認し向かう前に狼煙をあげるのが決まりとなっている為、若干の遅れが生じるが確実な人数の把握と生存状態がわかる。
敵地である恐れがあり、今回のヴァルハーレンのあげた狼煙は赤色の煙であった。
赤は緊急、敵に位置がバレているであろう事を踏まえたヴァルハーレンの大胆であるが確実な増援方であり、赤の狼煙は返しが要らない。
自分の位置を知らせる代わりに仲間を集める狼煙である。
慌てて集まり始めた部隊を襲撃する集団が複数、更に襲った部隊をまるで人形のように操るアルディオ。
武器を握らせ、顔や見える部分に傷がある者は血を抜き取り、傷を目立たなくさせる。
血の気のない人形のような姿になった部隊がフードを被りコウヤの元へと合流した時だった。
「止まってッ! 血の匂いがする……一人からじゃない、顔を見せて! 今すぐに」
そう口にするコウヤに対して一度は止まって見せた死人達は狂ったように剣振りかざし、一斉に襲い掛かる。
ヴァルハーレンは即座に矛を使い凪ぎ払うと後方より“パチパチ、パチパチ”と手を叩く音が聞こえ、一人の男が姿を現した。
男はスラっとした細身の体に長い手足。全身を真っ赤なスーツで覆い、赤いシルクハットと言う風貌である。
「嫌ぁ、まさか、本当に魔王が釣れるなんて、実に素晴らしい」
「お前は誰だ! ガンドラ達にこんな酷い事をしたのはお前なのか!」
コウヤの質問に対して男は軽く会釈をして見せると長い舌を出し下卑た笑みを浮かべながら顔をあげた。
「失礼しました。余りに魔王としては優しすぎる事実に驚きまして、些か拍子抜け、いえ失礼失礼、私の名は“ブラッドマン”、必要とあらば覚えてくださいませ」
穏やかに語る口調とは裏腹に全身から立ち込める血の匂いはコウヤでなくとも気付くレベルであり、少なくとも敵である事実は揺るがないで在ろう事を確信させる言動は皆の敵意を集めるように一つ一つが計算されているようであった。




