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亜人と歩む ~瑠璃色王のレクイエム~  作者: 夏カボチャ 悠元
第三部 光の先に見える物
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戦場を生きる者達

更新が早すぎると言われてまして、少し日にちをあけてみました(。・ω・。)

 新たなる魔界の進む道を考える魔王コウヤ=トーラス。その横には魔王軍総司令ランタン=パンプキン、副司令ヴァルハーレンの姿があった。


 アグラクトでの戦闘でシアン=クラフトロを失った事実は魔界に大きな混乱を及ぼすと皆が危惧していたが、コウヤを含めたアグラクト壊滅作戦“レクイエム”に参戦した者達の協力により大きな混乱には繋がらなかった。


 アグラクト壊滅から一年が過ぎ、死者の魂に祈りを捧げる祭りがコウヤの発案で行われる事になる。

 祭りの名は“レクイエム”は偉大な魔王と戦士達の死を忘れない為にそう呼ばれるようになる。


 コウヤの慌ただしき過ぎ去っていく日々の中で行われた死者の為の祭り、涙を拭い、皆の前にだった瞬間にコウヤは感じていた、シアンの見ていた景色を、シアンの感じていた皆の視線を、全ては魔王である事実の元に見える景色は余りに膨大であり、その視線は余りに熱く問い掛けてくるように向けられる。


 コウヤが口を開くと新シアン大陸|(旧バライム大陸、旧セテヤ大陸)の民が一斉に口を閉じ、コウヤに視線を向ける。


「皆、聞いてくれ、アグラクト壊滅作戦“レクイエム”から十二の“月のない日”が流れ“始まりの月の日”を迎えた。今より死者の魂を癒す祭り“レクイエム”を開始する。……その前に皆で死者に祈りを捧げる“ネームルハッカ” ……」



「「「ネームルハッカ……」」」



 全ての者が悲しみを感じながらも、魔族から見れば“新たな幼き魔王は立派”だと誰もが口にする。


 そんな姿を8人の妻達|(ミーナ、ラシャ、キャスカ、ディアロッテ、シャーデ、ベルミ、キュエル、カカ)も誇らしげに見つめ、その凛々しい姿を目に焼き付けている。


 世界の変化は人間達の生活に大きな変かをもたらしていく、人間達の中にはアグラクトに反抗してきた国も多く、アグラクト滅亡の知らせは、多くの進軍していたアグラクト兵の士気を下げ、アグラクト兵達は帰る母国を無くし散々に世界の島国に姿を消していた。


 そして、新たなるカラハ大陸をめぐる大陸内戦争が勃発し瞬く間にアグラクトの支配下にされていた国々が争いを開始していく。


 その戦禍を力で捩じ伏せようと近隣の村や街、名を失った隣国を支配しようと力を振るっていたのは“クレアルバディア共和国”であった。


 アグラクトと同盟を組み、密かに戦力を蓄えていたクレアルバディア共和国はアグラクト滅亡から、一年の間を交渉に力を入れる。

 事実は交渉と言う名の脅迫であり、力を振るう前に新たな戦力増大に力を入れていったのである。


 旧アグラクト跡地に新たな国を作ろうと考えて動いていたキリシマとレジスタンス“ルークス・ステラ”(星の輝き)のメンバーはそれを受け入れずに戦闘になり、今も国境に互いの限られた戦力をぶつけ合っていた。


 クレアルバディア共和国が限られた戦力のみで、即座に戦力投入できなかった理由として“デノモルグルド帝国”残党の存在があげられる。


 各地に潜伏していたデノモルグルドの残党が長い年月を得て新たなる国を手に入れようと立ち上がったのだ。


 各地に部隊を送り、戦力を分散していたクレアルバディア共和国最大の誤算であったと言える。


 その渦中に猛攻を振るっていたデノモルグルド残党と呼ばれる者達は人では無かった。


 白い肌に尖った耳、金や銀の髪を持つエルフの集団であり、リーダーはダークエルフの王であった。


 カラハ大陸の辺境の地に草木の乏しい砂の都“スラムルダン”と言う国がある。


 人間の王が支配していた砂の都がダークエルフに襲われたのはアグラクト滅亡の直後であった。


 アグラクトですら容易には攻撃をしなかったのは、スラムルダンの王率いる魔導士部隊の存在にあった。


 アグラクトからの攻撃を何度も防いできた小さき強国こそがスラムルダンである。


 そして、その小さな小国を手にしたダークエルフの名は“エデル=ガルデン”と言う青年であった。


 エデルはアグラクト滅亡を成し遂げた、コウヤ=トーラスに触発され立ち上がった存在であった。


 元はデノモルグルド帝国の奴隷戦士であり、ダークエルフとエルフの奴隷部隊の隊長を任されていた。

 隊長とは肩書きであり、事実は突入や突撃の際に先頭に立ち戦わされる言わば切り込み隊長であった。


 そんなエデルはデノモルグルド帝国消滅の際に数人の部下に逃亡作戦を持ち掛け、騒ぎに乗じて作戦を実行したのだ。


 各地のエルフの里に身を隠した元奴隷部隊は人間への復讐を胸に誓い、密かに同志を募るとアグラクト滅亡の翌日にスラムルダンを襲撃した。


 人間とエルフの魔法には圧倒的な差があり、騎士の乏しいスラムルダンにエデル率いるダークエルフとエルフの混合部隊である“キマイラ”と戦う術など有りはしなかった。


 数を力により、凪ぎ払う戦い方に慣れていたエデルにとって、余りに簡単な勝利であり、それは新たな野心の引きがのとなったのである。


ーーーーーー

ーーーー

ーー


ーー砂の都“スラムルダン”


「赦せないや、英雄コウヤ=トーラスの手にしたアグラクトの地を人間が支配しようとするとかさ!」


 そう語る黒い肌に尖った耳、鋭く光る眼をしたダークエルフの青年こそ、クレアルバディア共和国の危惧する残党部隊の指揮官にして、ダークエルフとエルフの王 エデル=ガルデンであった。


 その怒りはクレアルバディア共和国、そして、キリシマの指揮するルークス・ステラ(星の輝き)へと向けられていく。


 コウヤと共に戦ったキリシマの存在を知らないエデルは真っ先に旧アグラクト跡地に向けて部隊を進行させる。


 それと同時にキリシマ達に向けられるクレアルバディア共和国の部隊。


 キリシマ最大の危機が訪れようとしていた。


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