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亜人と歩む ~瑠璃色王のレクイエム~  作者: 夏カボチャ 悠元
第三部 光の先に見える物
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コウヤの成長と危ない1日

 朝日が射し込む寝室で眠るコウヤと8人の女性達、そんな中、興奮冷めやらぬコウヤは体の中から凄まじい体温の上昇を感じ、喉の渇きを潤す為、水を飲もうと起き上がる。

 寝ている8人を起こさないよう、慎重に部屋から出た途端、激痛と圧倒的な熱が全身を焦がすように体内を駆け抜けた。


 コウヤは……不味い体が動かない……と声にならない声を口にして意識を失った。


 次に目覚めた時、コウヤは拘束呪文が掛けられた拘束具で手足を四方に拘束されていた。

 首にも拘束具が取り付けられ、ボヤける意識の中で状況を整理する。

 わかったのはコウヤが今居る場所がミカソウマにあり城の地下室に造られていた拘束室だと言うことだけであり、他の目的も何故、拘束されているのかも分からない状況に悩んでいた。


 そんな時、拘束室の扉が開き、真っ暗な部屋の中を炎が照す、そこに姿を現したのは、ボルトでありコウヤの意識が戻ったのを確認すると直ぐに扉を閉め、その場を去っていった。


 それから数分としない間に姿を現したのは剣を装備し殺気に満ちた表情を浮かべたラシャとミーナであり、コウヤは声を出そうとするも喉が焼けたように腫れあがり、声がまともに出せる状態ではなかった。

 全身が筋肉痛のような痛みであり、指すらも簡単に動かせない状況の中、首だけを左右に動かした。


 そんなコウヤに向かってラシャが口を開き状況を理解する事になる。


「うぬは何者じゃ、ミカソウマの王であるコウヤ=トーラスを何処に連れ去った! 妾が冷静なうちに喋れ奏すれば楽に殺してやる」


 ラシャは目の前に居るコウヤをコウヤだと認識していなかった。


「甘いわよ、私が絶対に喋らすわ! 貴方も奴隷なのは理解してる、かなり強力な術式が書いてあったし、私のと似てる。つまり、主は魔族かそれに関わる人物よね? 早く話なさい!」


 状況が解らないコウヤは困惑していた。


ーーーーーー

ーーーー

ーー


ーー2時間前。


 コウヤが意識を失い倒れた時、既にコウヤの肉体に変化が起きていた。身長が一瞬で伸び、手足もそれに比例してそのサイズを変えた。声にしても筋肉痛にしても全てはこの急成長が原因手あった。


 そんな中、目を覚ましたラシャはコウヤが寝室に居ない事に気づき、取り敢えず部屋を出たその時に急成長し、髪は腰の下まで伸びた状態で仰向けに倒れているそれを発見した。

 しかし、見た目が違う為にコウヤであると認識されず、更に城の何処にも姿が見えない事から只の賊ではなく、拐われたと推測がたち、拘束室に運ばれたのだ。


 今、ミカソウマはコウヤ=トーラスを捜すために全力を注いでいた。


 そして、今、地下の拘束室にコウヤと知らずに拘束されている事実を知るのは三人のみであり、ラシャとミーナはボルトに口止めをしていたのだ。


 皆が一斉に押し寄せれば、少なからず相手にチャンスを与える事になる。その為、拘束室の外にある二重の扉をボルトが外側から見張り、中では二人のみが訊問する事に密かに二人で決めたのだ。


ーー現時刻。


「さぁ……喋りなさいよ。私のコウヤを何処にやったの? もし、コウヤに何かあれば、あなたの主人も只では済まさないわ」


 絶体絶命の中、ラシャが剣を振り上げる。


「ミーナよ、こやつは今のままでは話さぬだろうし、余り気分のいい物ではない故、見ない方がよいぞ?」


 ラシャが腕に向かい狙いを定める。目を見れば誰もが冗談やハッタリの類いでない事は直ぐに分かるであろう狂気に淀んだ目を向ける。


 コウヤ自身、腕が無くなると即座に覚悟した。


 その一瞬の間に外で見張りをしていたボルトが「ぎゃあぁぁぁ」と声をあげる。

 二人が慌てて外に飛び出すとシャーデとディアロッテの姿があり、ボルトに対し魔導銃(ライフル)が突き付けられ、シャーデも全身を昆蟲の鎧で多い武器を手にしていた。


 中から出てきた二人の姿を見たディアロッテが怒りに震えた声を口から放つ。


「クーデターのつもりですか? 私はもしそうであるなら、手加減は致しませんよ……」


 慌てて訳を話し中に通す二人、しかし、シャーデが「間違いなくコウヤだ」と拘束されているコウヤを見て呟いた。ディアロッテも姿が変わったコウヤに驚いていたが、獣人にすら嗅ぎ分ける事が出来ないフェロモンを昆蟲の力で嗅ぎ分けるシャーデの言葉に疑いの余地はない。


 コウヤ自身も頷き、ペンを口にくわえると、名前を書きマルをする。


 拘束を解こうとするシャーデ、しかし、ミーナがそれを止めた。


「リンクもライエスも通じないのよ! 拘束具には奴隷用の呪方が施してあるから大人しいだけで、いきなり暴れだすかも知れないわ!」


 その言葉にディアロッテが一言。


「本物のコウヤさんも奴隷の証がありますよね? つまり、全ての魔力を今遮断されてるんじゃないですか……」


 ミーナの顔がひきつり出すとラシャも下を向いていた。


 拘束を問答無用で外されるとコウヤの体に突如魔力が循環し一気に皆の知る魔力が溢れ出した。


 即座に送られるライエス『酷いよ、本当にひやひやしたよ』とミーナに送られてきた。


「コウヤだわ……」


 ラシャの凍り付いた表情とミーナの青くなった顔を見てディアロッテが頭を抱えていた。


 コウヤの声が出るようになったのは夕暮れを過ぎてからであり、声は少しだけハスキーボイスになっていた。


 全身が成長し顔は少し大人っぽくなり、身長は170㎝を軽く越えている。幼さを残しながらも間違いなく青年へと姿を変えたのだ。


 その姿に皆が最初は目を疑ったが喋り方や性格、更に魔力と全てがコウヤであると認めた。匂いは少し変化していた今までの香りを甘いジュースに例えるなら、珈琲のような大人の香りになったと言える。その為ミーナはコウヤだと判別出来なかったのだ。


 コウヤ自身も戸惑いを隠せなかったが突如現れたランタンが「成長を時の支配者が認めたのでしょう」と言いきっかけを尋ねると皆がコウヤの口を一斉に塞いだ。


「仲が宜しいようで安心しました。コウヤさん、無理はいけませんよ? ヨホホホホ」と意味深な言葉を残し去っていった。


 その日、コウヤは更なる力を手にしたのだ。


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