ズタボロな僕と泣き虫ミーナ
前回ロナに負けたコウヤその心中やいかに?
僕はボロボロだった、全身に走る激痛と痣は僕を更に惨めにした。
悔しかった、辛かった、本当ならもっと色々出来た…… 違う……僕は明らかにロナを甘く見ていた。
僕に全力を出さないとでも無意識に思っていたんだと自分を見つめ直す……悔しい……悔しいよ。
二階にある僕の部屋にゆっくりと足音が近づいてくる。
僕はこんな姿を見られたく無くてドアと反対向きに身体の向きを変えると布団を慌てて被った。
ドアが少し開き隙間からランプの光が部屋をうっすらと照した。
その細長い光に対して僕は早く居なくなってと心の中で願った。
こんな事は初めてだった。
そしてゆっくりとドアが閉まり足音が1階へと降りていった。
僕は卑怯だ……全てから逃げようとしてる……自業自得じゃないか……あはは……
そう考えたら無性に悔しくてやるせなくて、どうしたらいいか分からなくて、色々な感情が溢れだして止まらないや……
僕の中で感情がいっぱいになり限界を越えた。
「うわぁぁぁぁん……ううぅぅぅあぁぁぁ」
悔しさ、辛さ、そして言葉に出来ない悲しみと寂しさ、その全てが大粒の涙となり流れ出した。
包帯を濡らし溢れだしたその大粒の涙は一晩中流れ続けた。
僕の声は下まで響いていたに違いない、寧ろ気遣って部屋に来なかった母さんとソウマには感謝した。
泣きつかれた僕は其のまま夢の中に吸い込まれるように眠りに堕ちた。
意識が体外魔力と繋がり何時もの様に大樹の枝へ誘われていく。
意識を覚ました時、僕はミーナの膝の上に寝そべっていた。
「ごめん、ミーナ!」
慌てて起きようとした僕をミーナが止めた。
「今はいいよ、君はいっぱい頑張ったんだから、今はゆっくり休みなさい」
暖かい言葉に自分が更に惨めに感じた。
「僕は……僕は頑張って無い、何も出来ないまま負けたんだ」
僕の言葉にミーナは頷いた。
「そうね、貴方は、ぼこぼこにされたわ、ズタズタのボロ雑巾みたいにされて、今は腐ったトマトみたいになってるわ」
ミーナの容赦ない言葉が突き刺さるように痛かった。
「でもね、君はやれば出来る子なのよ?私はそう思うわ、だから今腐るには早いわ、まだまだ貴方には未来があるのよ?」
「僕に未来があるのかな、こんな弱い僕が頑張って母さんを幸せに出来るのかな分からないよ、僕なんかに何が出来るんだよ!」
僕の弱々しい言葉を聞きミーナが僕の頬っぺたを思い切りツネッタ!
「いたひ!いたひよ!うまくひゃべれないよ」
「今の君の言葉は聞くに値しない!何が母さんをよ!自惚れないの!君のお母さんを幸せにする前に先ずは君が幸せになりなさい!自分が幸せじゃないのに他の人を幸せにするなんて!傲慢な考えは改めなさい!」
ミーナに凄い勢いで言われ僕は返す言葉もなかった。
「君は出来る子よ自分の幸せも手にいれて欲しいの……お願いだから、自分なんかなんて言わないで」
ミーナは何故か泣いていた。
ミーナは精一杯の罵倒をコウヤに浴びせる事で立ち直って欲しかった、それ以上に今のままのコウヤを見るのが悲しかったのだ。
「ミーナごめん、泣かないでよ、僕が悪かったんだ、お願いだから泣かないで」
母さん以外の涙をこんなに近くで感じるのは初めてだった。
況してや体外魔力がある今、くしゃくしゃに泣くミーナの顔が見えてしまう。
「ミーナ!僕がミーナも泣かないで済むくらい強くなるから、だから泣き止んで」
「また、君は他の人の事ばかりなんだから……」
「違うよ、僕は僕自身も幸せするし!ミーナも母さんも泣かないように強くなるから」
そう言い僕はミーナに全力でスマイルを見せる。
そして気付けば朝日が大樹を照らし始めた。
「そろそろ私は行かなくちゃ話せてよかったわ、コウヤ」
ミーナも少し笑顔を見せてくれた。
「僕は一番下からでも、頂点を目指すよ!見てて!ミーナ」
ミーナは頷きニッコリと満面の笑みを浮かべてくれた。
僕の新たな目標は自分も皆も幸せになる世界を造るに決定した。
「朝日が暖かくて最高だ、今日も頑張るぞぉぉ!」
僕の戦績は10戦4勝1引き分け
混合授業……残り2回
僕の戦いは此れからだ!
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