新たなる大陸その名ジュレム2
コウヤとキャスカが居なくなった事実は直ぐにディアロッテとシャーデにより発覚した。
コウヤの部屋に忍び込んだシャーデがディアロッテに「ボルトがコウヤのベットで寝てる」と言い事態が発覚した。
コウヤが居なくなった事実は直ぐにミーナの耳に入るとリンク状態を利用し、コウヤの視ている景色をミーナが確認する。
「有り得ないわ! コウヤは海を視てる見たい、もしかして、拐われた!」
その言葉に一同が騒然とする。
「行きましょう! ミーナさん方角は分かりますか?」
ミーナはディアロッテにわかる範囲で情報を伝える。
海図を取り出したディアロッテがコウヤを最後に確認した昨晩から現時間までの航路を計算し円を海図に書きいれる。
更にミーナが「島が見えるわ、二つならんだ小さな島かしら? 片方からは煙が上がってるわ」と伝える。
「そんな島は一つしかないですね、つまり、コウヤさんの乗っている船はこの辺りです」
海図から進路を予想するディアロッテは直ぐにコウヤを乗せた船がセテヤ大陸を目指している事に気付いた。
「セテヤ大陸に向かっているようですね。周りに他の船が有るか分かりますか?」
「周りには多分居ないみたい、あ! 多分貨物船かしら、沢山の果物が積んであるみたい」
ミーナの言葉にディアロッテは悩んでいた。
もし、本当にコウヤが拐われたのならば、セテヤ大陸内の国がミカソウマと戦争をすると言う意思表示であると取れたからだ。
本来、大陸を越えての戦争は余り望ましくないと言うのが世界の常識であった。
「考えても見失うだけですね、行きましょう、そして、コウヤさんを助けましょう!」
ディアロッテ達はラシャにミカソウマの留守を任せると港に走り出したのであった。
状況が分からないまま、ミカソウマの代理を任されたラシャは事態を理解すると激怒した。
そんなラシャの八つ当たりを受けるボルトと共にコウヤの留守を預かるのであった。
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港に着いた一行は、セテヤ行きの船が無いかを探すが、昨晩のうちに皆、港を出たと聞かされ焦っていた。
「船が無いなんて、参りました」
勢いで出てきてしまったディアロッテが困り果てているとキュエルとベルミがシャーデの元に戻ってきた。
「「シャーデ御姉様」」
「船いたよ」
「風が向かい風でノロノロ」
「「えらい?」」
「よくやった。偉い偉い、うんうん」
報告するキュエルとベルミの頭を撫でるシャーデ。
「船をおうよ! ディア、ミーナ早く此方くる」
全員を港の外の海岸に呼ぶと蟲姫の囁きを使い蟲を呼ぶシャーデ。
「さあ! 集まれぇぇぇ」
その声に海岸に姿を現したのは、巨大な蟹、ビッグシザーと言う狂暴な海の魔物であった。
ーービッグシザー。
名前の通り、巨大なハサミを持った肉食の魔物である。縦に四メートル、横は体だけで八メートル、足を伸ばせば十五メートルを言うに越える巨大な蟹であり、普段は海底の砂の中に身を潜むて獲物を待つハンターである。
ビッグシザーは大食いの為、餌を求めて浮上する事もある。
『海でビッグシザーに出会したなら、明日には奴の腹の中だろう』と言う言葉が漁師達に伝わる程の魔物である。
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「シャーデ……! ビッグシザーじゃない……これも蟲なの……」
「多分、蟹は蜘蛛に類似するところがありますから……」
顔を引きつらせるミーナとディアロッテ、キュエルとベルミも帯びてえいる 。
「早く乗らないと! コウヤ見失う! 乗らないならこの子の餌にするよ」
シャーデの言葉に急ぎビッグシザーの背中に乗る一同は海を進みコウヤの元を目指すのであった。
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大海原を眺めながら、船長に貰った林檎を齧るコウヤとキャスカ。
「しかし、大丈夫かね? コウヤがいきなり消えたら大騒ぎになってるんじゃないか」
林檎を片手にそう語るキャスカを見ながらコウヤが笑った。
「机にちゃんと手紙を置いてきたから大丈夫だよ、二週間で戻るって書いたし」
「コウヤ、二週間も一人で勝手をするつもりだったのか?」
呆れ顔でコウヤに視線を向けるキャスカ。
そんな二人は手紙が発見されていない事実をまだ知らない。
ビッグシザーの大群がコウヤ目掛けて海を猛スピードで移動していくのであった。




