港が完成したら、祭りをしよう2
食の祭りの開催日、次々に姿を現しす料理人達、そして祭りの話を聞き集まった亜人や島人達でミカソウマ国内は活気に包まれていた。
祭りはミカソウマ全体を会場として三日間開催される事になり、ミカソウマ中が唐揚げと料理の香りに包まれていた。
「あはは! 凄いや。色んな御店があるよ」
祭りには勿論、屋台もあり魔界からも数多くの店が出店している。それはバライム大陸でも戦魔祭以外に類を見ない程の大規模な祭りへと発展していたのだ。
各種族が出す唐揚げはどれも不思議な物ばかりであった。
セイレーンの出す唐揚げは、フィッシュバードと言う魚味の鳥の唐揚げであったり、ハーピィーの出す唐揚げは何故かグレイトスタンプの豚の唐揚げだったりと種族で使われる食材が異なっているのが更なる魅力となっていた。
中でも島人の揚げるホロホロ鳥と呼ばれる鳥の唐揚げが人気が出ていた。
味は濃厚で普段から蜂蜜と野菜を好む事もあり、肉は柔らかく骨まで食べられるうえに、ニンニクと胡椒、更に濃厚な卵黄を絡めて揚げられた唐揚げは絶品であった。
同時に強烈をが出来たのは、バーバリアンの丸ごと唐揚げであった。
巨大なダッシュバードンと言う陸上を猛スピードで走る獰猛な鳥を油で揚げただけの唐揚げである。
しかし、味は日々鍛えられ脂が少なく、サッパリとした味わいであり、バーバリアンの使う油は胡麻油であった事もあり人気を呼んだのだ。
祭りには喧嘩も絶えなかったがバーバリアンと獣人達がそれを仲裁し、それでも聞かない場合はキャスカとコウヤが止めに入っていく。
祭りでの怪我人は無く、順調に進んでいく。祭りも三日目に入り最終日となる。
シアン達がコウヤにある差し入れを持参して現れたのだ。
「凄いねぇ、実に素晴らしいじゃないかあぁね。うんうん! 実に見事だぁねぇ」
そう語るシアンが花火を持ってきたのだ。
シアンは祭りの最終日に間に合うように、魔界の花火職人に大量の花火を作らせていたのだ。
「祭りの最後は花火だってきまってるらしいんだぁね。だから、ドーンと差し入れだぁよ!」
シアンはそう言うと花火師達に川沿いに花火を設置させると祭りを楽しんでいた。
祭りの大詰めになり、コウヤに緊張が走る。
最後の祭り終了を告げる瞬間、心臓が高鳴り、緊張も高まっていく。
ーー頑張れ僕! 最後は確りと決めないと!
「皆さん。今回は三日間の祭りを楽しんで頂けた事を嬉しく思います!」
そんなコウヤにミーナが小声で『ミカソウマの王、コウヤ=トーラスです』が抜けていると口にした。
「……! ミカソウマの王として、これ程の大規模な祭りを開けたことは嬉しい限りです。コウヤ=トーラスが王として初めて行った祭りとして皆様に覚えてもらえたら幸いに思います」
苦し紛れに何とか名前を入れる事に成功したコウヤが安堵の表情を浮かべると、それを見てミーナ達がクスクスと笑っていた。
祭りの挨拶が終わると花火が打ち上げられた。
花火に彩られながらミカソウマから、次々に馬車が夜道を掛けていく。
馬車につけられたランプの光が別々の方向に移動する光景はまるで地上に咲いた花火の様であった。




