馬車に揺られて、大陸国家2
はい!皆様いつもありがとうございます。
少年時代となったコウヤも一年がたち12歳に知らぬまになっているんです。
なので少し成長したコウヤを此れからもよろしくお願いします。
馬車に乗り魔界に着いたコウヤ達はシアンの屋敷を目指していた。
魔界にあるシアンの屋敷に辿り着くとマトンがコウヤ達を出迎えた。
「お久しぶりです。マトンさん」
「コウヤも元気そうで何よりだ、シアン様がゲストルームで御待ちだ。付いてきなさい」
マトンの後ろについてゲストルームに向かう、扉が開かれた先にシアンと全身を薄いピンクの羽毛で包んだ女の姿、その後ろに同じような格好の青い羽毛の女が二人部屋の中に居た。
ーー誰だろ、初めてみる人達だな?
コウヤ達を案内し終わるとマトンが部屋を後にする。
「コウヤ、厄介事になる。気を付けろ」と、小さな声でコウヤに呟いてマトンが部屋を出た。
部屋の中にはシアンと羽毛の女が三人、コウヤとディアロッテにボルトの七人が居る。
「いやぁ! コウヤ=トーラス。よく来てくれたぁね。嬉しく思うよ。さて、本題に入ろうかぁね」
シアンがそう言うと七人の内、四人がテーブルに腰かける。
ボルトと青い羽毛の女が立ったままに互いを警戒し合う中で話し合いが開始された。
「最初に自己紹介をしておいてくれ、互いの名前くらいは、知っとかないとまとまる話も、まとまらないからぁねぇ」
シアンの言葉にコウヤが先に自己紹介を開始した。
「初めまして、ミカソウマのコウヤ=トーラスです。此方はディアロッテとボルト」
「御初に御目に掛かります。ミカソウマのディアロッテです。以後お見知りおきを」
「自分はボルト=レンチであります。ミカソウマの王、コウヤ=トーラス様の警護を任されて下ります」
ミカソウマ側の挨拶が終わると次に羽毛の女が自己紹介を開始した。
「私はハーピィーの国、ケランバータの王、ヘレミア=トレアだ。そして、後ろの二人が私の部下のキュエルとベルミだ」
後ろの二人が軽く会釈をする。
「さて、コウヤ=トーラス殿、本題に入らせて貰おう」
ヘレミアはコウヤにそう言うとある地図を取り出した。
「我らハーピィーの領地は海に面したこの海岸全域も含まれます。そして、ミカソウマが新たに手にしたバーバリアンの国とも言える地下都市からは目と鼻の先になります」
地図に描かれた領地の間は橋一つを跨いで別れていた。
「ミカソウマの王よ、今回、海までの土地を所望したそうですね、間違いはありませんか?」
ヘレミアの視線がコウヤに向けられる。
「間違いありません。確かに僕が欲しがったのは事実です」
ヘレミアの表情は重くなり、その言葉に愕然とする。
「我らは狩猟種族だが力の差は理解している。ミカソウマは我らの国ケランバータを滅ぼす気なのかを聞きたい」
ヘレミアの言葉に驚かされるコウヤは首を横に振る。
「そんなつもりありませんよ! それに海岸までもがケランバータ国の領地だと知らなかったんです。本当にすみませんでした」
あっさりと謝るコウヤに驚かされたヘレミア達は混乱していた。
戦魔祭の準優勝者であるミカソウマの王コウヤ=トーラスの名を魔界で知らない者は居ない。
シアンとランタンに認められし幼き強者であるコウヤの噂には、尾鰭が付ついて魔界中に広まっていたのだ。
『コウヤ=トーラスを敵にすれば必ず国が滅ぶ』
『ミカソウマを一人で人間から略奪した狂者』
『剣星を操る男』
『酒池肉林の覇者』
『女ったらしで、力で全てを奪い取る凶王』
ヘレミアから次々に口に出される噂にコウヤは溜め息を吐いた。
「僕ってそんなに悪人に見えるのかな?」
コウヤの言葉にシアンが笑う。
「アハハ、いやいや、少なからず当たってるじゃないかぁ? 特に『国を滅ぶ』なんて事実だぁね」
「シアン様、笑いすぎですよ、それにこんな噂があると此れからも勘違いされるんだろうな、はぁぁぁ」
そんなコウヤを見てヘレミアが口を開いた。
「我らは本当ならば今回、ミカソウマに私の部下であり、娘であるキュエルとベルミを捧げ、ミカソウマと同盟を結ぼうと考えていました」
ヘレミアはそう言うとコウヤに頭を下げた。
「我らは滅ばされる訳にはいかない、先祖の遺した森と土地を失う訳にはいかぬのだ」
「えっと、僕が欲しがったのは海岸より奥にあるこの部分だったんだよね」
コウヤが地図で指差したのは、確かに地下都市からケランバータの一部の土地を経由する道であった、しかし、ケランバータからは反対側に位置していた。
「ならば、橋からそちら側の土地をミカソウマに献上すると言う事で同盟を結んで頂きたい、お願いできますか、ミカソウマの王コウヤ=トーラス」
ヘレミアからの提案をコウヤが受け入れると直ぐにシアンが立会人となり、ケランバータから土地の所有権がミカソウマへと移動された。
「ありがとうございます。ヘレミアさん」
「此方こそ、同盟を結べた事を嬉しく思います。不束な娘でありますがコウヤ=トーラス様の元に二人を御預け致します。どうかよろしくお願いしますね」
コウヤの答えを待たずしてそう言うとヘレミアはシアンとコウヤに頭を下げて窓から大空高く飛び立っていった。
「「よろしくお願い致します。コウヤ様」」と同時に喋るキュエルとベルミがコウヤに微笑み掛ける。
ディアロッテがコウヤを睨みながら「帰りましょうか、王様」と言い話し合いが終わった。
マトンの言葉の意味をディアロッテの反応で理解した。
コウヤは帰りの馬車の中でディアロッテからの無言の圧力に苛まれる事になった。そして、コウヤの服の下にある瑠璃色の石には人知れずに新な色が刻まれていた。
読んでくださりありがとうございます。(*≧∀≦*)嬉しいです。




