馬車に揺られて、大陸国家
ミカソウマからバーバリアン郷である地下都市までの領地をシアンから正式にコウヤの領地と成ることが決まった。
その日、同時に新たな問題がコウヤを悩ませていた。
コウヤに与えられたのは、あくまでバランケまでの領地という事であった。
「参ったな、バランケの先の海まで行きたいのに」
ベットに横に成りながら、シアンからの手紙を手に悩むコウヤ。
「ダメだ、やっぱり直接会ってお願いしてみよ!」
コウヤは後日シアンと直接会って話をする事を決めると静かに眠るのであった。
そんなコウヤのベットに忍び寄る影が二つ。
「よく寝てる……無防備な王がどうなるかを今からタップリと教えてやろうじゃないか……」
影は静かにコウヤの部屋の中に入るとコウヤの眠るベットに向けて足音を殺しながら進んでいく。
全身を黒いベールで覆うようにして、物音を一切発てない身のこなし、まるでアサシンを思わせる様に静かにコウヤへと歩み寄っていく。
「コウヤ、今日こそ……」
影がそう口にした瞬間。
「何者か何故! コウヤの部屋に忍び込んだ」
真っ暗な部屋の中、二つの影が鉢合わせしたのだ。
互いに確認できるのは暗闇に光る互いの目だけであり、両者は即座に構えた。二つの影に緊張が走る。
「な・に・を! してるんですか貴女達!」
影を掴まえて睨み付けたのはディアロッテであった。
「ディ、ディア! 此れは……コウヤの身に何もないかと師匠として心配になってだな」
一つの影の正体は、キャスカであった。
「そうじゃ、妾も疲れているであろう、コウヤが良からぬ者に襲われないようにと様子を見に来たのじゃ」
そして、もう1つの影はラシャ。
「キャスカ様……ラシャ様……」
怒りに身震いをするディアロッテ、キャスカの格好は黒いレースを下着姿に纏っただけであった。
ラシャも同様に少し透けかけた服装に全身黒装束と言う忍び衣装であった。
更にキャスカとラシャの苦し紛れの言い訳がディアロッテの怒りの炎に新たな油を注ぎ込んだ。
「いいから、此方に入らして下さい! そんなに刺激が欲しいのでしたら朝まで! 話し合いにて、キツい刺激をこのディアロッテが心を込めて御二人に差し上げます!」
ディアロッテに連れていかれるキャスカとラシャ、そんな二人がコウヤの部屋から出される。
それを確認したシャーデがコウヤの部屋に忍び込む。
「コウヤ、おやすみ」そう言い頬に口付けをするシャーデは嬉しそうにコウヤの部屋を後にするのであった。
部屋の扉が閉まる音に慌てて眼を覚ますコウヤ。
「あれ、おかしいな? 確かに物音がしたんだけどな、やっぱり体外魔力を切って寝るのは控えようかな」
部屋を一旦見渡すと再度コウヤは体外魔力を発動しながら眠りにつくのであった。
体外魔力を使い眠るコウヤの意識は魔界に移動したダルメリアの元にいた。
「なんか、久々だなぁ、なんか色々在りすぎたな……」
誰もいないダルメリアの大樹の天辺に座り込むコウヤ。
「懐かしいね、コウヤ」
コウヤの後ろからミーナが声をかける。
「前にもあったよね、僕がまだ、カルトネ村にいた頃にさ」
「そうね、最初は驚いたわ、でも……あの日の事は忘れない、私とコウヤだけの特別な思い出だもんね」
コウヤとミーナは久々の夜の会話を時間を忘れて楽しむのであった。
「ミーナまたね。明日はシアン様に会いに行くから、そろそろ行くね」
「おやすみなさい。コウヤまたね」
夜が更に深くなると同時にコウヤとミーナは互いにベットに戻るのであった。
眠るコウヤの額を朝日が照らす。
コウヤと魔王シアンのテーブル上の戦いが始まる眩しく輝く太陽が昇る朝がやって来たのだ。
「よし! シアン様に会いに行こう」
「コウヤ殿、準備が整いました。馬車にディアロッテ様が御待ちです、出発致しましょう」
荷物の積み込みが終わった事をコウヤに伝えるボルト。馬車に乗り込んだコウヤはディアロッテとボルトと共にバライム大陸国家である、魔界へと馬車を走らせるのであった。
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