最終戦、魔王となる者『シアン対源朴』
「さぁ、始めようかぁねぇ。源朴、今回は手加減はいらないよぉ」
「シアン坊、儂は、まだまだ|手加減してやるつもりだったが、ならば御言葉に甘えようじゃないか!」
凄まじい闘気と殺気を互いに出しながら睨み合う源朴とシアン。
ーー最終試合開始前。
コウヤと源朴の元にシアンとランタンが訪ねてきた。
「いやぁ、最終戦だぁねぇ? 緊張してるかいコウヤ君?」
「シアン様、さすがに試合前ですよ?」
楽しそうに訪ねてきたシアンにコウヤは驚いたと言うより、呆気に取られそうになっていた。
「あはは、だぁね? でも本当に嬉しいんだぁよ、これ本当に、なんせコウヤが最終戦の相手なんだから、私はドキドキして吐血しそうだぁよ」
そんな、シアンを見て笑う源朴とランタン。
「確かに私も驚きましたねえ、コウヤさんが最終戦の相手とは、ですが手加減は致しません。全力で御相手致しますよ」
ランタンの言葉に頷くコウヤ、そんな二人を見て源朴がある提案をする。
「ならば、一人ずつ戦ったらどうじゃ? コウヤ坊とランタン、儂とシアンでやり合おうじゃないか」
「源朴さん、それは……タッグマッチの意味がないような気がしますが?」
ランタンの言葉とは裏腹に目を輝かせるシアン。
「いいねぇ! ならば源朴を倒して私がコウヤと戦えるか賭けようじゃないかぁねぇ」
こうして、互いに一杯の酒を賭ける事になったのである。断然やる気を見せる源朴とシアン。
それに対して、頭を抱えるランタンと何とも言えない表情のコウヤ。
そして、四人は互いのゲートからリングに向かったのである。
ーーーー
ーー
リングの端と端に移動した、コウヤとランタン、源朴とシアンが試合開始の合図を待つ。その光景を見守る観客にも緊張が走る。
この試合で今後、10年間の魔王が決まるのだ。会場には、バーバリアンの王子、ミノタウロスの王など試合に参加した選手達も結末を自身の眼で確認するために集まっていたのだ。
そして、試合の合図が緊張で包まれた会場に鳴り響く。
『シアン対源朴』の戦いが激しく開始された。
互いに手の内を知り尽くす二人は正面から小細工無しに、ただ、がむしゃらに剣をぶつけ合っていく。
一切の無駄の無い源朴の剣さばきに対して、遊び心を取り入れた特殊な(トリッキー)シアンの剣術に皆が目を奪われる。
「相変わらず! 人をおちょくる様な剣じゃなあ、シアン坊!」
源朴の力強い一撃がシアンの懐目掛け、その刃を光らせる。
「なんの、なんの、源朴も相変わらず! オーガ見たいに危ない剣じゃないかぁ、殺し合いじゃないだぁよ?」
首斬り刀を内側に反す事で源朴の刀の角度を変えさせるシアン。
一瞬の攻防が繰り広げられた瞬間に観客は自信の目を疑った。魔眼を使っても追い付けない程の剣速が其処には存在していた。
「お前さんと殺り合うんじゃ! 殺す気で遣らねば倒せんじゃろうて」
「まいったなぁ? 私が死んだら誰が酒を奢るんだぁね、源朴」
不適に笑うシアン。
「なぁに! その時は墓石に儂が一杯と言わずに一瓶、二瓶は馳走するわ」
更に速度を上げて斬り掛かる源朴の猛攻にシアンの顔から笑みが次第に消えていく。
「本気だぁね! 久々に見る鋭い眼光に初めてあった日を思い出すようだぁよ」
「互いに年は取りたくないのぉ、なぁ、シアン坊ォォォ!」
「見た目が変わらないから、私は余り歳をきにしないんだぁよ! さぁて、今からが互いの本気だぁねぇぇぇッ!」
剣筋が見えぬままに斬り合う源朴とシアン、まさに一瞬が勝負をわける様な激しい斬り合い。
魔力を使わないシアンと魔力を使えない源朴、そんな二人が、ただ、ひたすらに剣を交える戦いは、過去の戦魔祭において、例のない一戦であった。
「どうした、シアン坊? なんなら魔法を使っても構わんぞ!」
「御冗談を! そんな事をしたら源朴の刀を目覚めさせるだけだぁよ」
「ふん、昔のシアン坊が懐かしいわい、ならば、剣で儂を倒してみぃ!」
源朴の刀がシアンの横っ腹に剣先が掠った瞬間だった。シアンがそのまま振り抜かれた剣の方向に身体を回転させる。
そのまま源朴の真っ正面に背中を向ける形になるった瞬間に源朴の脇腹をシアンの手に握られた首斬り刀の内側に湾曲した刃先がめり込んだのだ。
「勝負事には、私はつよいんだぁよ」
「ぐはっ、シアン坊、甘いのぉ、ウオリャア!」
源朴がシアンの首斬り刀を押さえるとそのまま、源朴の剣が斜めにシアン目掛けて突き立てられる。
予想外の源朴の行動に戸惑ったシアンは咄嗟に躱わそうとするが自身の首斬り刀が邪魔をして完全な回避が間に合わなかったのである。
「やってくれたぁね……まさかの展開だぁよ」
シアンの横っ腹を左右共に斬りつけ、片方には確りと源朴の刀が突き抜け貫通している。そんなシアンを突き刺した剣はシアンを貫き源朴の身体にまで刃は達していた。
「コウヤ坊は強いぞ! シアン坊……」
源朴は、そう言うと流しすぎた血のせいで意識を失ってしまった。
直ぐにシアンが刀を抜き取り、駆けつけた医療魔導師達が源朴を運んでいく。『シアン対源朴』の戦いはシアンに軍配があがったのであった。
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