戦魔祭本戦、魔王を目指す者達5
題名を『人獣転生★ボクが世界をこわします☆ 亜人と瑠璃色の王の伝説★暗闇の世界から始まった物語☆』から『亜人と歩む~瑠璃色の王のレクイエム~』に変更しました。
これからもよろしくお願いいたします。
「降参しろ、直ぐに傷を処置しないと本当に死ぬぞ、コウヤ」
両刃刀を構えたマトンがコウヤに対して最後の警告をする。
コウヤはうっすらとマトンに対して笑った。
「マトンさん、以前言いましたよね?『腕が無くなるのが怖いか』って、それよりも、今……参りましたって言っちゃいそうな自分の方がずっと怖いし嫌です!」
マトンの眼に写るコウヤの眼はまだ輝きを失っていなかった、寧ろまだ遣れると自身に言い聞かせ、無理に身体を動かしているようにマトンには見えた。
「成程、既に戦士か、ならば! 死なないように手を抜かれるのは戦士として辛かろう、本気で行かせてもらう!」
“アシスト”が全身に掛かり更に毛を逆立てるマトンは地面を一気に踏みしめると其のまま動けないコウヤに突進して行く。マトンの巨体がコウヤに触れる直前にコウヤが防御魔法を発動したのだ。
「〔砕けない意思よ岩となり形をなせ〕“ロックシールド”」
「そんな物で俺を止められるかァァァ!」
マトンが両刃刀を走りながら前方に一振りした瞬間、マトン目掛けて“ロックシールド”が斜めに伸びてきたのだ。
マトンが加速したまま、ロックシールドに激突した際に凄まじい粉塵がコウヤとマトンの間に舞い散る。
「まだだ……まだ俺は止まらんぞォォォ!」
粉塵を吹き飛ばすマトンに対してコウヤがリボルバーを向ける。更に“ファクト”を使い周囲に浮遊する粉塵を火薬に変えるとコウヤはリボルバーの引き金を引いた。
“ドゴォォォオオオーーーーンッ!!”
マトンの周囲に飛んでいた火薬に引火した炎が爆音と共にマトンを包み込んだのだ。
「コウヤァァァ! ま……まだ……だ……」
炎の中に両刃刀を構え立つマトン。
「マトンさん、終わらせましょう……僕も限界みたいです」
コウヤが痛みを堪えながら走り出すともう殆んど意識が無いであろうマトンが両刃刀を振り上げる。
「“テレパス” “アシスト”! マトンさん行きます、ウオリャァァァアアア!」
コウヤが炎の中に“テレパス”で移動する。
其のまま刀の刃を逆さに持ち変えてたコウヤは“アシスト”を全身に掛けると全力でマトンの体に刀を叩き込んだのだ。
「がはっ……」
マトンの巨体が倒れると審判が試合終了を告げる。
「勝者! コウヤ、源朴ペア!」
「「「オオオオオオォォォ」」」
優勝候補の一角であったマトン=ホゲットの敗北は会場を大きく沸かせる結果となった。
試合終了後、マトンは直ぐに治療室に運ばれた。
本来なら、ロックシールドとの衝突の時点で肋骨と鎖骨が砕けており、両刃刀を振り上げる動作一つで意識が飛ぶほどの激痛が伴っていた筈だと医師が口にした。
「マトンさん、大丈夫かな……」
マトンに対して手加減が出来なかった事実を悔やむコウヤにディアロッテと源朴が声をかける。
「マトン兄さんなら大丈夫です、寧ろ此処からは敗北は赦しませんよコウヤさん」
ディアロッテがそう言うとグッとコウヤの手を握り締める。
「安心せぇ、ディア。マトンの分も儂とコウヤ坊が奮闘しちゃるわい」
そう口にした源朴はディアロッテにマトンの事を任せると、コウヤをつれて刀の技を幾つく教えるのであった。
コウヤの経験とスタイルに合ったものを短期間で教える源朴。
そんな中、ミーナの試合も勝利で終了した。
ダルムが負傷したが傷は深くないと言うことだった。
ミーナとダルムが対戦したのは、キャスカとシャーデが戦ったバーバリアンの仲間であった。
更にバーバリアンが遣られる寸前に「魔王はバーバリアンの王の物」と口にしたと言うのだ。
獣人だからこそ聞こえた言葉であった。
コウヤは自分達の他にもまだ化物のように強い存在がいると感じたのであった。
第二回戦が全て終わり、マトンとディアロッテが一番最初に姿を消した。
そして、明日の第三回戦、第四回戦が開始される。
明日の第一試合は、ラシャ、アルカ対シアン、ランタンの戦いになる。
魔界の王と禁忌の森エレの女王の戦いである。
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