第２部　第１章　登場人物紹介

□少年魔王と英雄少女

●ネザク・アストライア　年齢：13歳

　金髪碧眼の美少年。少年魔王。他者からの影響を自分の力に変えてしまう、『何もない』少年。『魔王』として新たな『世界征服』を目指す彼の前には、『ローテーション』という名の途方もない試練が立ちはだかっている。

《主な能力》

・黒魔術系『ルナティックドレイン』

　自分を知る他者から、その色を問わず『真月』を吸収する特異能力。

・白霊術系『ルナティックミラー』

　召喚した『魔』を合わせ鏡のように複製する特異能力。

・魔闘術系『ルナティックアームズ』

　召喚した『魔』そのものを自身の特異能力として身体に纏う特異能力。

・霊戦術系『？？？』

　他者が召喚した『魔』に魔力を憑依させ、強制的に支配する特異能力。

・月召術系『魔王兵装：無月の天魔錫杖』

　星界・月界を問わず、世界全土の『真月』を吸収・増幅し、あらゆる魔法を行使可能な錫杖を召喚する特異能力。

●エリザ・ルナルフレア　年齢：15歳

　炎のような赤い髪の少女。英雄少女。星喚術師（プレイヤー）。月界の『魔』から『星辰の御子』の名で呼ばれる。『世界最高の英雄』を目指す彼女の前には、彼女の心をやきもきさせる『愛されまくりの魔王様』という名の新たな難関が立ちはだかっている。

《主な能力》

・星喚術系『英雄兵装：斬月の降魔神剣』

　月を斬り、魔を降し、星の力を自在に操る神剣を召喚する特異能力。

□その他、学院の特殊クラス

●リリア・ブルーブラッド　年齢：15歳

　白金の髪をツインテールにした蒼い瞳の少女。吸血の姫。北の国家、黎明の国『プラグマ伯爵領』に百年に一度生まれる蒼い血の娘であるが、その正体は霊界第三階位『冥府血統ブルーブラッド』。エリザからの吸血の結果、血は赤くなっている。『マハの花嫁』、『限りなく澄んだ水』などの異名がある。『ローテーション』では、栄えある初日の順番を確保。

《主な能力》

・霊界第三階位『鏡化吸月（きょうかすいげつ）』

　吸血した対象の術の力を一時的に使用可能とする特異能力。

・黒魔術系『黒雷破』または『水鏡兵装：黒雷弓』

　相手の精神を侵食し、肉体を焼き焦がす黒雷を放つ特異能力。

・白霊術系『白炎陣』または『水鏡兵装：白炎装』

　一定範囲内に接近した敵性体を焼き尽くす白炎を放つ特異能力。

・魔闘術系『紅天爪』

　吸血（吸月）の力を有する紅く鋭い刃を肉体に生じさせる特異能力。

・霊戦術系『明鏡止水』または『水鏡兵装：明鏡止水の反射障壁』

　あらゆる力を鏡に映して反射する、『吸血の姫』が誇る最強の盾を生み出す特異能力

※エリザからの『吸血』の結果、彼女の特異能力は『水鏡兵装』へと昇華。

●エドガー・バーミリオン　年齢：16歳

　銀の髪から獣耳を生やし、ふさふさとした銀の尾を持つ少年。魔闘術師（クラッダー）。獣人の中でも特に強靭な肉体を持った銀狼族。五英雄の一人、銀牙の獣王イデオン・バーミリオンの息子にして、『悪魔の弟子』。『星心克月』の才能はないものの、黒霊賢者に師事することで、血を染み込ませた糸による黒人形の魔闘術を身に着けた。変態の弟子であるとはいえ、彼自身は『被虐趣味』も『同性愛嗜好』も持たないノーマルな少年（のはず）である。

●ルヴィナ・ハーティシア　年齢：17歳

　長く白い髪に銀の瞳をした少女。月影一族（エルフ族との混血児）。白霊術師（イマジナー）かつ月召術師（サモナー）。優れた白霊術（イマジン）の使い手でありながら、同時に強力な『魔』を召喚する。清楚で優しげな外見に反し、変態には人権を認めない過激派。

《主な能力》

・月召術と白霊術『白霊戦術（イマジン・タクティクス）』

　戦術級の『魔』の能力のみを白霊術で具現化する固有技。

●ルーファス・クラスタ　年齢：18歳

　黒髪に深緑の瞳、女性的な白い顔に斜めに走る刀傷が印象的な少年。ダークエルフ族。白霊術師（イマジナー）。性質が悪くて都合が悪く、察しが悪くて間が悪い──特異体質（？）を有している。傷のある顔から連想される物騒な印象に反し、ひたすら理不尽に耐えることをよしとする穏健派。

《主な能力》

・白霊術『白霊剣技（イマジンソード）』

　周囲の風を操って自在に身体を動かし、多種多彩な武器を生み出し攻撃する固有技。

・白霊術『並列魔法』

　イメージの力で多数の魔法を同時並列的に処理することで、設置型、遅延発動型などの多彩な白霊術を使用できる固有技

□五英雄

●アルフレッド・ルーヴェル　年齢：26歳

　落ち着いた蒼い眼差しに、癖のある薄茶色の髪をした青年。星霊剣士。白霊術師（イマジナー）かつ星喚術師（プレイヤー）。十年前に邪竜を倒した五英雄の一人のはずだが、最近では意中の女性に素気無くされて落ち込むばかり。

《主な能力》

・星喚術：星具『星霊剣レーヴァ』

　白霊術の増幅媒体ともなる剣を生み出す特異魔法。

・星喚術：星具『星霊楯ラルヴァ』

　防御壁となる菱形の光を周囲に展開する特異魔法。はっきりした形を持たない珍しい星具。

●ミリアナ・ファルハウト　年齢40（？）歳

　白い髪に銀の瞳の女性で、巫女服に身を包んでいる。月影の巫女。月召術師（サモナー）。十年前の邪竜戦争における五英雄の一人。当時は強力な災害級の『魔』であるリンドブルムを駆り、戦場で多大な戦果を挙げていた。『おばさん』は禁句。『息子』のために学校まで抗議に乗り込み、その生活環境までチェックしてしまう少々過保護なモンスターペアレント。

●アズラル・エクリプス　年齢31歳

　黒い髪に黒縁眼鏡をかけた細身の男性。変態……ではなく、黒霊賢者。霊戦術師（ポゼッショナー）かつ黒魔術師（インベイダー）。十年前の邪竜戦争における五英雄の一人にして、『戦場の悪魔』の異名を持つ。同時に、『髭の男性』に強いトラウマを持つ。

《主な能力》

・黒魔術と霊戦術『黒霊術』

　精神を他の器物に憑依させたり、器物に擬似的な精神を与えたりといった特殊な効果の多い『挟間の子』の特異魔法。

●イデオン・バーミリオン　年齢36歳　※本章には登場なし

　銀の髪を短く刈り込んだ精悍な顔つきの銀狼族。銀牙の獣王。魔闘術師（クラッダー）。十年前の邪竜戦争における五英雄の一人。エドガーの父親であり、武骨で不器用、あつくなりやすい武人。その近接戦闘能力は五英雄でも随一だったが、魔王の前に敗北を喫してしまう。現在は、失った片腕の回復を含め、自国領内で療養中。

《主な能力》

・魔闘術『銀牙の獣王』

　爆発的に増幅させた魔力で肉体を獣化モードに変化させ、飛躍的に近接戦闘能力を高める特異魔法。

●アリアノート・ミナス　年齢24歳

　新緑の髪に深緑の瞳をした女性。現在の星界唯一のハイエルフ。白星弓の守護妖精。最強の魔法使い。星喚術師（プレイヤー）かつ白霊術師（イマジナー）。一見すると年若い少女に見えるが、成人した女性である。十年前の邪竜戦争における五英雄の一人。胸のことは禁句。『亡霊船団』から祖国を守る激闘を経て、愛する夫のいる学院に帰還した彼女は、そこで己の『宿敵』と再会することとなった。

《主な能力》

・星喚術：星具『白星弓シャリア』

　白霊術の増幅媒体ともなるとともに、実体のない自然の力を矢の形に固める弓を生み出す特異魔法。

・白霊術：『命萌ゆる新緑の大地』

　ハイエルフの特異魔法。イメージの力で自身とその周囲の味方を大地に還元し、再び具現化することであらゆる攻撃を無効化し、あらゆる傷を回復する。

□月界の『魔』

●暗愚王リゼルアドラ　年齢：不明　

　闇色の髪と紫紺の瞳を持つ美女。今では学院の制服を身に纏うクールな印象の美少女となっている。かつて人々を恐怖と絶望の淵に叩き込んだ暗界第二階位、伝説級の『魔』である……はずだが、あらゆる意味で残念な魔人。『星心障壁』を破壊するという『魔』の常識さえ覆す特異魔法を行使した結果、意識を失う。

《主な能力》

・暗界第二階位『星心黒月』

　星界そのものにすら、『思い込み』の力を作用させる特異能力。

●死霊の女王アクティラージャ　年齢：不明

　『蒼月』が司る霊界第五階位の『魔』。災害級。蒼髪の妖艶な美女。イリナとキリナと共に学院に棲みついた彼女は、夜な夜なミリアナの目を盗んで露出の激しい恰好のまま出歩いており、その姿を目撃した生徒たちから『学院に痴女が出た』と噂されていたりもする。

《主な能力》

・霊界第五階位『屍斬血牙』

　死者の思念を武器化する特異能力。

○霊賢王ミナレスハイド　年齢：不明

　『蒼月』が司る霊界第二階位の『魔』。伝説級。『亡霊船』が破壊された影響で星界に『蒼の気配』が満ちたことにより、その影を顕現。エクリプス国王エルスレイの肉体を乗っ取り、最終的には具現化を果たす。『染色本能』を超えた『支配本能』を持つ『魔』の王の一人。

《主な能力》

・霊界第二階位『絶体王星』

　星界そのものに魔力を憑依させ、周囲のすべてを意のままに操る特異能力。

○冥府の死神マハ　年齢：不明

　『蒼月』。霊界第一階位の『魔』。伝説級。『星心障壁』の罅割れに反応し、リリアの身体を借りて顕現した。『吸血の姫』を『月の牙』として百年ごとに星界に生み出し続ける彼の目的は、依然としてはっきりしない。

《主な能力》

・霊界第一階位『我が蒼き花束』

　『蒼月』の願い。

□その他の学院関係者等

●エルムンド・ギエナビク　年齢：54歳

　外れやすい顎を持つ（？）初老の男性。学院の副院長。学院経営や教育に不慣れなアルフレッドを支えてきた人物。常識人ではあるが、どんなに身分の高い生徒でも特別扱いしないという徹底した方針を持つ優れた教育者。最近になって新たな同胞を得たものの、それ以上に新たなトラブルが舞い込み続け、今も胃薬が欠かせない。

●カグヤ・ネメシス　年齢：24歳

　黒衣黒髪の妖艶な美女。黒の魔女。黒魔術師（インベイダー）。ネザクに星界で最も強烈な『個性』を与えるべく、『魔王』として『世界征服』を目指させていた。かつては得体の知れない魔女と目されていた彼女も、今ではツンデレ気味な美人教師と化している。

《主な能力》

・？？？『わたしの闇』

　彼女が常に衣服のように身にまとっている《闇》。あらゆる魔法を吸収する特異魔法。

●イリナ・ファルハウト　年齢：15歳

　月影一族の双子姫。月召術師（サモナー）。月影の巫女ミリアナの娘で、白い髪と銀の瞳をした一見お淑やかな少女。ただし、その実態は、やたらとネザクに命令をさせたがる奴隷気質の持ち主。ネザクに続く二組目の学院の途中編入生。『ローテーション』では二日目の順番を確保。

●キリナ・ファルハウト　年齢：15歳

　月影一族の双子姫。月召術師（サモナー）。月影の巫女ミリアナの娘で、白い髪と銀の瞳をした一見気品のある少女。ただし、その実態は、やたらとネザクを管理したがるご主人様気質の持ち主。ネザクに続く二組目の学院の途中編入生。『ローテーション』では四日目の順番となってしまい、少々不満な様子。

●シュリ・マルクトクァール　年齢：17歳

　短めの金髪から金の猫耳を生やし、しなやかな金の尾を持つ少女。魔闘術師（クラッダー）かつ霊戦術師（ポゼッショナー）の『狭間の子』。獣人族の中でも敏捷性に定評のある金虎族。学院ではエリックの補佐とあわせ、雑用係などの仕事をする傍ら、聴講生や研修生といった扱いで授業に参加していたりもする。

《主な能力》

・魔闘術と霊戦術『魔戦術』

　本来、非生物にしか作用できない霊戦術を魔闘術のように他者へ作用させる『挟間の子』の特異魔法。月獣を操る際に、その肉体を強化・変化させる。

●エリック・ヴェスターグ　年齢：33歳

　魔王ネザクの第一の騎士。無精髭を生やしていたが、とある出来事がきっかけで髭を剃るようになった。かつてはリールベルタ王国の魔導騎士団に所属していたこともある。自分と似たような境遇にあった『苦労人仲間』のエルムンド副院長と意気投合し、彼の右腕となって働いている。

●ルカ・フローレンス　年齢：16歳

　ブラウンの髪を三つ編みにしたメイド。天性の才能（？）を持つがゆえに、リゼルに弟子入りされてしまった不幸な少女。今では『学食のメイドさん』としての人気を博してはいるものの、ネザクをいじることも忘れてはいないようで、裏ではしっかり暗躍している。

●リラ・レミグランス　年齢：16歳

　短めの黒髪に幼い顔立ちをしたメイド。ルカの親友で、可愛いものが大好きな『学食のメイドさん』。リリアが自分の同好の士（？）であると悟るや否や仲間に引き込み、双子姫との同盟軍まで成立させてしまう手腕は、まさに策略家と言えるかもしれない。『ローテーション』では三日目の順番。

●エレナ・リールベルタ　年齢：3歳（？）

　可愛らしい金髪の幼女。リールベルタ王国の王女殿下。世界征服を目指す魔王ネザクを実効支配下（？）に置いているほか、未来の英雄たち（エドガーを除く）を次々と籠絡している稀代の悪女。

□エレンタード王国

○国王ベルモント二世　年齢：55歳

　大陸中央の華、エレンタード王国の誇り高き国王陛下。エクリプス王国の侵略により、一時期は囚われの身となったものの、五英雄やエリザ、ネザク達の活躍により復権を果たす。……が、その後の叙勲式では非常識な二人組に面目をつぶされ、泡を吹かせられることとなる。

○ロザリー・エレンタード　年齢：15歳

　大陸中央の華、エレンタード王国の可憐な王女様。エクリプス王国の侵略により、貞操の危機にもさらされたものの、白馬の王子様よろしく現れたネザクにより救出される。か弱い箱入り娘だったはずだが、ネザクへの恋心が彼女を変えたのか、その後の叙勲式では魔王ネザクに求婚するなど大胆な行動に出た。