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少年魔王の『世界征服』と英雄少女の『魔王退治』  作者: NewWorld
第1部 第4章 英雄のはじまり
54/162

─暗愚王と限りなく澄んだ水─

 時は遡り、戦闘開始前。エレンタード王国要塞内の作戦会議室にて。


「でも、先生。遊撃とは言いますけど、わたしたちが出撃するタイミングはどうすればいいでしょうか?」


 ルヴィナはテーブルに広げられた地図を眺めつつ、問いかける。


「それはルヴィナ。君に任せるよ。君の戦術眼は信用できる。……ただ、敵に『魔王』と『災害級』が出てきた場合だけは、そこへの攻撃は控えてほしい」


「は、はい!」


 思わぬ大役を任せられ、ルヴィナは緊張の面持ちで返事をした。


「エドガーも間に合えば良かったんだがな」


 イデオンがつぶやくように言う。彼の息子、エドガー・バーミリオンは現在、『修羅の演武場』と呼ばれる遺跡で命がけの特訓に励んでいる。さすがにいきなり三日三晩という無茶はさせられないということで、徐々に戦い方に慣れるところから始めており、魔王の進軍が明らかになった時点で、イデオンだけが再びエレンタードに戻ってきていた。


「……まあ、あいつには別に活躍の機会もあるか。じゃあ、俺はそろそろ行くぜ。できれば奇襲攻撃だけで片を付けちまいたいところだしな」


「無理はするなよ。わたしの矢の届く範囲なら援護射撃もできるが、お前は突っ込み過ぎるところがあるからな」


「は! お前こそ間違って、俺の背中に当てんなよ?」


「誰に言っている」


 ハイエルフ族のアリアノートと銀狼族のイデオン。年齢はおろか種族すら大きく異なる二人だが、彼らは親友のように会話を交わしていた。




 ──それから間もなく。


 戦況の変化を受け、未来の英雄たちは初めての『戦場』へと飛び出していく。

 とはいえ、前線に向かって駆け出したのはエリザとルーファスの二人のみ。ルヴィナは空を飛ぶ戦術級の『魔』を召喚し、リリアは周囲に無数のアンデッドを出現させる。


「強化した月獣か。趣味が悪い姿だな……発動《貫く雷槍》」


 ルーファスは宙を滑るように移動し、巨大な四本腕で暴れまわる『キマイラ』めがけて鋭い雷撃の槍を投擲する。身体の中心部を貫かれ、叫び声を上げる複合月獣。


「にゃはは! それぐらいじゃ、シュリとカグヤ様が造った『強化複合月獣』はやられたりしないのだ!」


 上空から怪鳥に乗った少女の声が届く。ルーファスは油断することなく、立ったまま咆哮を上げ続ける不気味な月獣の巨体を見つめている。

 やがて身体を貫く雷が消失すると、キマイラは血走った目でルーファスを睨みつけてきた。そして、狂ったように腕を激しく振り回し、口から紫の炎を吐き出してくる。


 だがルーファスは、宙を舞うようにその攻撃を回避すると、炎や氷など様々なイメージで生み出した武器をその巨体へと叩き込む。


「……しぶといな。これだけ斬ってもまだ、大して効いた様子もないか」


 それでもルーファスの声は、冷静そのもの。倒れないならば、倒れるまで斬ればいい。ルーファスは黙々と『白霊剣技イマジン・ソード』を振るい続ける。


 一方、上空では──


「……相変わらず、自分の居場所を敵に漏らすとか、あなたって頭悪いわよね」


「ふえ!? わわ! 空飛んでくるなんてずるいよ!」


 自分のことを棚に上げて叫ぶシュリ。


「……この前は、ただの作物泥棒だったから優しくしてあげたけど、今回はそうはいかないわ」


「や、優しく? いや、シュリ、あの時も随分怖い目にあわされた気がするよ!?」


 シュリは自分が作物泥棒で捕まった際のルヴィナの様子を思いだし、抗議の声を上げた。


「覚悟しなさい。……やるわよ。『マイアドロン』」


 風を身体に纏って飛ぶ、獄界第十六階位の『魔』、旋風の鳥竜マイアドロン。足元の相棒に指示を出しながらも、ルヴィナは自身の白霊術イマジンを構築し始めている。


「ふん! シュリだって前とは違うんだから! 負けないにゃん!」


 シュリもまた、『魔戦術』を発動させる。すると彼女の足元の怪鳥は、真っ赤な口から赤い火の玉を吐きだした。


「かわしなさい!」


 風で炎を防ぎつつ、回避行動をとる鳥竜。


「発動、《炎の雹弾》」


 ルヴィナの発動した炎の魔法がシュリに迫る。


「発動、《水の聖衣》」


 シュリは懐から媒介となる水を染み込ませた布を振りかざし、霊戦術ポゼッションでガードする。


「……なかなかやるじゃない」


「ふふん! そっちこそ!」


 未だ乱戦が続く戦場。邪魔する者のない上空では、二人の少女が火花を散らしていた。



 ──他方、リリアは周囲のアンデッドに月獣への攻撃を指示しながら、縦横無尽に暴れまわる赤毛の少女をちらりと見る。


「……やっぱり。どうせあの子のことだから、あっちに向かうと思いましたわ」


 並みいる敵を薙ぎ払い、エリザが駆けるその先には、金髪の少年相手に苦戦を強いられているイデオンの姿があった。


「……まあ、わたくしも人のことは言えませんわね」


 彼女の蒼い目は、アルフレッドと対峙する黒髪の魔人へと向けられていた。


「……この気配、間違いありませんわ。あの時、城下町でわたくしに声をかけてきた奴ですわね。……ふっふっふ、あの時の屈辱、倍にして返して差し上げますわ!」


 リリアは迷いなく、最も危険な敵がいる方へと足を向ける。いみじくもルヴィナが言った通り、エリザと彼女は似た者同士に間違いなかった。




 ──カグヤの予想とは異なり、アルフレッドとリゼルアドラの戦闘は、ほぼ互角の様相を呈していた。お互いが放つ《夢幻増殖の聖剣》と《漆黒の千本魔槍》は中央の空間でぶつかり合い、相殺するように消滅していく。


 リゼルが力任せに放つ攻撃は時に回避され、時に星霊楯に防がれる。アルフレッドの星霊剣から放たれる強力無比な白霊術イマジンの数々は、リゼルがことごとく素手で弾き、またはかき消していく。


 リゼルは戦いながら、時折自分の胸を押さえていた。《命萌ゆる新緑の大地》により、具現化した直後のアルフレッドから受けた胸への一撃。それが思った以上に彼女にダメージを及ぼしているようだった。


「アリアノートには感謝しないとな」


 戦いながらそれを感じ取ったアルフレッドは、内心でそうつぶやいた。恐らくアリアノートは、アルフレッドの身体が具現化する場所をリゼルの背後となるよう調整したのだ。そうでなければ、ああも上手く不意打ちは成功しなかったはずだ。


「発動《虐殺の黒月》」


 飛びさがり、再び強大な魔法を放とうとするリゼル。


「それももう、ネタが割れているよ」


 すさまじいプレッシャーが放たれる黒月を、アルフレッドは冷静に見据える。するとリゼルは、何を思ったかその黒月を放つことなく消してしまった。


 黒魔術インベイドの超高位魔法である《虐殺の黒月》。かつてリールベルタ王国で辺境領主軍数千人をまとめて飲み込み、破壊の嵐を巻き起こした魔法。

 さきほどもアルフレッドたちを飲み込み、周囲の地面を消し飛ばすほどの凄まじい破壊力を発揮していたが、考えてみればおかしな話だ。アルフレッドはそう思った。


 そもそも、黒魔術インベイドは闇と精神を操る魔法だ。対人戦闘では抗いようのない力を誇る強力なものだが、直接的な破壊力は本来、無きに等しいはずなのだ。にも関わらず、あの破壊力。それが意味するものは、ひとつだった。


 あの破壊は、リゼルアドラが引き起こしたものではない。強力なプレッシャーを放つ暗黒の球体を目の前にして、アルフレッドやアリアノートが想像した──否『想像させられた』破壊力。それが現実のものとなったに過ぎない。


 彼の友人の言葉を借りるならば、「自己の心象風景を具象化するのが白霊術イマジンだとするならば、他者の心象風景を『具象化させる』のが黒魔術インベイドというわけさ」ということになる。


 数千人を飲み込む魔法はその実、数千人の思い込みの産物に過ぎない。対象が多く、対象の思い込みが強ければ強いほど強力な力を発揮する魔法。それが《虐殺の黒月》の正体だ。


「あなたは強い」


 リゼルは平坦な声音で、感嘆の言葉を口にする。

 実際のところ、仮にその原理が分かったところで、黒月の放つ威圧感を無視して心の平穏を保つことなど、常人に真似できるものではない。ましてや彼は、一度その破壊力を目にしているのだ。


「お褒めにあずかりどうも」


 とはいえ、アルフレッドは焦りを感じていた。徐々にではあるが、リゼルの動きが良くなってきている。恐らくは胸に与えた傷が回復してきているのだろう。アリアノートの復帰まで、このまま耐えられるかどうかは不安の残るところだった。


「発動、《記憶の暴虐》」


 その術の発動と同時に、リゼルの姿が霞むように消える。それまでとは桁違いの速さ。速度そのものというより、緩急の急激な変化に翻弄されるアルフレッド。


「ぐあああ!」


 気づいた時には懐に潜り込まれていた。全力で展開する星霊楯を砕かんばかりに放たれる拳の一撃。アルフレッドは、障壁越しに浸透してくる衝撃波に息を詰まらせ、後方へと吹き飛ばされる。


「降参するか?」


 そんなことを言いながらも、とどめの一撃を放つことに躊躇はないらしい。とっさに身を起こしたアルフレッドに向けて、リゼルが飛び掛かってくる。と、そこへ──


「……発動、《そそり立つ死者の壁》」


 玲瓏たる少女の声が響く。するとリゼルの足元から、突如として無数の骨が絡まったような塊が出現し、彼女の脚をすくい上げる。予想外の方向からの妨害に、彼女は転びかけた体勢を立て直すように横へと飛びのいた。


「な! リリア! 何をやっているんだ君は! こんなところに来るなんて!」


 咎めるような声を上げるアルフレッド。だが、リリアはそれには答えず、腰のポーチから取り出した小瓶の中身を彼の身体めがけてぶちまけた。


「うわっぷ! な、何を?」


「発動、《癒しの聖水》」


 清められた水を憑代にした霊戦術ポゼッションの治癒魔法。器物を媒介にする分、即効性に優れた治癒効果が発揮され、肋骨を痛めていたアルフレッドの身体がたちまちのうちに治癒されていく。


「いくら先生でも、怪我の治療までしてくれた相手に、非難がましいことを言うべきではありませんわよ? 来てしまった以上、文句を言っている暇はありませんしね」


「君も大概、酷い言い方をするね……」


 アルフレッドは、有無を言わさず治療しておきながらの台詞に、呆れた声で言い返す。どうにか立ち上がって前を見れば、リゼルアドラが困惑気味の顔をしている。状況の変化を受けて、再びカグヤにでも指示を仰ぐのかとも思ったが、そうではない。彼女の紫紺の瞳は、まっすぐリリアへと向けられている。


「マハの花嫁。どうしてあなたがここに?」


 その言葉に驚いて、アルフレッドはリリアを振り返る。しかし、彼女は蒼い瞳で鋭くリゼルを睨みかえすのみだ。


「……その呼び方。やめてくださらない? わたくしには、リリア・ブルーブラッドという由緒正しき名がありますのよ」


 周囲に無数の死霊を出現させ、リリアは胸を張って言う。


「ならば……『限りなく澄んだ水』よ。やはりあなたも、星に色を求めるか?」


「何を訳の分からないことを。わたくしはただ、以前貴女に虚仮にされた借りを返しに来ただけですわ」


「……あなたの色は、美しい。あなたが『蒼』に染まったならば、わたくしが、あなたを殺そう。でも今は、あなたを磨いてみるのもいい」


「……発動《奪う亡者の腕》」


 リリアは、くだらない問答には飽きたとばかりに精気吸収魔法を放つ。だが、そんなものがこの化け物に対して有効なはずはない。そのことはリリアにもわかっていた。微動だにせず死霊の腕を見つめるリゼルに向けて、リリアはポーチから取り出した銀の鎖を投げつける。


「発動、《煉獄より伸びる鎖》」


 リゼルの周囲に展開された亡者の腕に、投じられた鎖が接触した瞬間だった。それは黒く変色しながら巨大化する。束縛の魔法である《法の鎖》に精気吸収能力を付加し、鎖そのものの強度を底上げするという高度な術。そして黒光りする鎖は、そのまま巻きつくように魔人の身体を拘束する。

 そこへ、アルフレッドが声もなく駆け寄る。手にした星霊剣を腰だめに構え、鎖の拘束からリゼルが抜け出すわずかな隙を突いて斬撃を放つ。


 その一撃は彼女の身体をかすめたものの、致命打には至らない。だが、飛びのいたリゼルは、斬られた腕を押さえるように立ち尽くしている。


「……やっぱりか。星具そのもので斬りつけた傷については、ダメージが大きいみたいだね」


「発動、《死の騎士》。発動《死の魔獣》」


 リリアの声と共に、立て続けに召喚されるアンデッドたちは、普段のものより一段と強力な部類のものだ。その分、高価な媒介を必要とするが、今のリリアには戦闘前にエレンタード王国から支給された手持ちの道具が大量にあった。


 そんな強力なアンデッドも、リゼルアドラの前ではものの数分と持たないが、それでもアルフレッドが彼女の身体に刃を届かせるに十分な隙を生み出すことはできた。徐々に増えていく傷に、さすがのリゼルも動きを鈍らせていく。


 だが、しかし──


「発動、《記憶の暴虐》」


 再び発動する肉体強化の黒魔術インベイド。他者の思い込みを自己に作用させるという離れ業。これまでの戦闘の中で敵が見た、最も速く、最も強い動きを、強制的に相手に想起させ、自身に再現させるもの。


「くそ!」


 アルフレッドは慌てて星霊楯を発動させるが、彼女の狙いは彼ではなかった。


「リリア!」


 その意図に気づいたアルフレッドが叫ぶが、すでに遅い。爆発的に加速するリゼルの姿が、一瞬で視界から消え失せる。


「え? きゃあ!」


 凶悪な速さで迫りくる影に反応することもままならず、リリアはただ、悲鳴を上げる。


「ぐっ……!」


 しかし、続く苦痛の声は、影の主──リゼルアドラのものだった。彼女は全身を純白の炎に焼かれ、慌てて後方へと飛びさがる。


「……これは、《白炎陣》?」


 リゼルの身体にまとわりつく『白い炎』。苦しげに身体をふらつかせ、リゼルはどうにかその炎を振り払う。見ればリリアの周囲には、白い光の環が展開されていた。

 だが、リゼルはこの予想外ともいえる事態に、それ以上の戸惑いを見せることもなく、掌を前へと突き出した。


「発動、《悪夢の時間》」


「え? きゃあああ!」


 リリアはたまらず、絹を裂くような悲鳴を上げる。


 強制的な眠りともに、精神にダメージを与える悪夢を見せる黒魔術インベイド。暗界の『魔』ならではの悪夢のイメージは、人間が使うものの比ではない。


「これでよし。……後は一人」


 満足そうに頷くリゼル。だが、この直後。彼女は覚めない悪夢に閉じ込めたはずの少女に、思いもよらぬ反撃を受けることになる。


「……これがわたくしの『奥の手』ですわ!」


 リリアの手に、弓矢が握られている。

 アルフレッドにも見覚えのあるその弓の名は、『白星弓シャリア』。


「発動、《水鏡兵装:白星の弓》」


 放たれた白光の矢は、防ごうとしたリゼルの腕を弾き飛ばし、その胸元へと突き刺さる。たまらず後方に吹き飛ばされ、土煙を上げて大地を転がるリゼル。


「……限りなく澄んだ水。あなたは『蒼』にも染まらず、『真月』にすら依らず……『星辰』を、その身に映すのか?」


 リゼルは、ゆっくりと半身を起こす。その胸元には、白く輝く一本の矢が刺さったままだ。


「あの子の力を借りるのは癪ですけど、背に腹は代えられませんわ」


 慣れない力を使ったリリアは、肩で大きく息をつく。




──この戦闘が始まる前、リリアはエリザにあるお願いをしていた。


「え? あたしの血を吸うの? いいけど、今頃になって何で?」


 要塞の廊下を歩きながら、意を決して話しかけたリリアに、エリザはきょとんとした顔で問いかける。


「……いいけどって、あなたねえ」


 いきなり血を吸わせろと言われて、あっさりそんな返事ができる者など普通はいない。リリアは呆れてしまったが、それでもその方が話は早い。


「……と、とにかく、今度の戦いは総力戦になるはずですわ。だ、だったら。使えるものは何でも使っておきませんと……」


「使えるもの?」


「話しませんでしたかしら? わたくしの『吸血の姫』としての特異能力のひとつ──《鏡化吸月》。これは、血を吸った相手の術を一時的に使用できるようになる力ですのよ」


 『お前の力が使いたいから、血を吸わせろ』という言い分は、図々しいにもほどがある。リリアが拒絶されることを覚悟の上でそう言うと、エリザは目を輝かせてリリアの手を掴んできた。


「おお! それってすごいじゃん! じゃあ、早速やってみようよ。ほらほら、早く!」


「なんでそんなにノリノリですのよ……」


 勢いよく自分の首を突きだしてくるエリザを見て、リリアはため息をつきたい気分にさせられたのだった。


 ──エリザの有する星喚術プレイ。その力でアリアノートの『白星弓シャリア』を具現化することになったのは、同時にリリア自身の術である霊戦術ポゼッションの特性により、この場にある『記憶』をもとに再現したからだ。


 白く輝く矢を胸に刺したまま立ち上がるリゼル。かなりのダメージがあるのか、その動きは鈍い。これを好機と見たアルフレッドは、よろよろと後退するリゼルに追い打ちをかけるべく、駆け寄ろうとした。


 だが、その時。


〈みんな、そこまでよ。魔王軍は、今回は負けを認めて引き下がることにするわ。だから剣を収めてちょうだい〉


 頭の中に、直接響くような女性の声。だが、あまりにも一方的な宣言だ。優勢となりつつあるエレンタード王国側に、剣を引く理由などあるはずはない。


「カ、カグヤ……」


 しかし、アルフレッドは立ち止まり、震える声で彼女の名前を口にする。


〈もちろん、ただとは言わないわ。わたしたちが捕えている『黒霊賢者』の身柄を解放してあげる。それでどうかしら?〉


 さすがにエレンタード王国の魔法騎士たちも、この言葉には動きを止めた。すでに周囲からは、月獣や『魔』の姿が消えていた。

第4章の最終話です。

次回「第4章 登場人物紹介」の後、第5章となります。

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