第2部 第4章 登場人物紹介
本章に登場した人物(登場なしの人物も一部含む)の一覧です。
記載されている情報は本章終了時までのものですので、本章をお読みになってからご覧ください。
なお、○は本章初出の人物、●は前章までで既出の人物(前章登場人物紹介からの追加情報ある場合あり)です。
※年齢は作中初登場時のものであり、作中で誕生日を迎えるような描写が無い限り、変更しません。
□少年魔王と英雄少女
●ネザク・アストライア 年齢:13歳
金髪碧眼の美少年。少年魔王。他者からの影響を自分の力に変えてしまう。幻樹王との対決のさなか、星界数百万人の心に『魔王』としての自身の存在を刻み込むに至った。しかし、本章で特筆すべきは彼が温泉での『強制混浴』や王女様の猛烈アプローチといった艱難辛苦を乗り越え、人間的(?)に成長した点かもしれない。
《主な能力》
・黒魔術系『ルナティックドレイン』
自分を知る他者から、その色を問わず『真月』を吸収する特異能力。上位互換として『ルナティック・ハイドレイン』がある。
・白霊術系『ルナティックミラー』
召喚した『魔』を合わせ鏡のように複製する特異能力。
・魔闘術系『ルナティックアームズ』
召喚した『魔』そのものを自身の特異能力として身体に纏う特異能力。
・霊戦術系『ルナティックルール』
他者が召喚した『魔』に魔力を憑依させ、強制的に支配する特異能力。
・月召術系『魔王兵装:無月の天魔錫杖』
星界・月界を問わず、世界全土の『真月』を吸収・増幅し、あらゆる魔法を行使可能な錫杖を召喚する特異能力。
●エリザ・ルナルフレア 年齢:15歳
炎のような赤い髪の少女。英雄少女。星喚術師。月界の『魔』から『星辰の御子』の名で呼ばれる。今回の『樹木の災厄』事件においては、相変わらずの猪突猛進振りが裏目に出た結果、囚われのお姫様となってしまった。なお、彼女は自分が今や、ロザリー王女の『恋のライバル』として学院内で認識されてしまっていることに気づいていない。
《主な能力》
・星喚術系『英雄兵装:斬月の降魔神剣』
月を斬り、魔を降し、星の力を自在に操る神剣を召喚する特異能力。
□その他、学院の特殊クラス
●リリア・ブルーブラッド 年齢:15歳
白金の髪をツインテールにした蒼い瞳の少女。吸血の姫。北の国家、黎明の国『プラグマ伯爵領』に百年に一度生まれる蒼い血の娘。霊界第三階位『冥府血統ブルーブラッド』。エリザからの吸血の結果、血は赤くなっている。『マハの花嫁』、『限りなく澄んだ水』などの異名がある。前章に引き続き、今回はネザクにあられもない姿を見られるなど、最近ではなぜか『お色気担当』の地位を確立しつつある。
《主な能力》
・霊界第三階位『鏡化吸月』
吸血した対象の術の力を一時的に使用可能とする特異能力。
・黒魔術系『黒雷破』または『水鏡兵装:黒雷弓』
相手の精神を侵食し、肉体を焼き焦がす黒雷を放つ特異能力。
・白霊術系『白炎陣』または『水鏡兵装:白炎装』
一定範囲内に接近した敵性体を焼き尽くす白炎を放つ特異能力。
・魔闘術系『紅天爪』または『水鏡兵装:紅天槍』
吸血(吸月)の力を有する紅く鋭い刃を肉体に生じさせる特異能力。
・霊戦術系『明鏡止水』または『水鏡兵装:明鏡止水の反射障壁』
あらゆる力を鏡に映して反射する、『吸血の姫』が誇る最強の盾を生み出す特異能力。
・霊戦術『水鏡法術:明鏡止水の夢幻楼閣』
都市レベルの大規模構造物に魔力を憑依させる、『吸血の姫』としても前代未聞の特異魔法。憑依させたものに仕掛けられたあらゆる攻撃を反射する。
※エリザからの『吸血』の結果、彼女の特異能力は『水鏡兵装』へと昇華。
●エドガー・バーミリオン 年齢:16歳
銀の髪から獣耳を生やし、ふさふさとした銀の尾を持つ少年。魔闘術師。獣人の中でも特に強靭な肉体を持った銀狼族。五英雄の一人、銀牙の獣王イデオン・バーミリオンの息子。『星心克月』の才能はないものの、黒霊賢者に師事することで、特殊な技能を身に着けた。己の浅はかな欲望のために親友を利用し、結果としてその報い(眼!)を受けた愚かなる悪魔の弟子。
《主な能力》
・魔闘術『黒糸夢爪』
血を染み込ませた糸を身体の一部と同様に操ることで、黒人形を操作することができるほか、糸そのもので敵を捕縛したり切り刻んだりすることが可能な固有技。
●ルヴィナ・ハーティシア 年齢:17歳
長く白い髪に銀の瞳をした少女。月影一族(エルフ族との混血児)。白霊術師かつ月召術師。優れた白霊術の使い手でありながら、同時に強力な『魔』を召喚する。捕虜の『拷問』に長けた、茶目っ気たっぷりの『女湯防衛軍総司令官』。
《主な能力》
・月召術と白霊術『白霊戦術』
戦術級の『魔』の能力のみを白霊術で具現化する固有技。
●ルーファス・クラスタ 年齢:18歳
黒髪に深緑の瞳、女性的な白い顔に斜めに走る刀傷が印象的な少年。ダークエルフ族。白霊術師。性質が悪くて都合が悪く、察しが悪くて間が悪い──特異体質(?)を有している。臨死体験を経た彼は、『死亡フラグ』なるものの回避方法を習得したらしい。
《主な能力》
・白霊術『白霊剣技』
周囲の風を操って自在に身体を動かし、多種多彩な武器を生み出し攻撃する固有技。
・白霊術『並列魔法』
イメージの力で多数の魔法を同時並列的に処理することで、設置型、遅延発動型などの多彩な白霊術を使用できる固有技。
・白霊術『森羅万象の因数分解』
世界最弱の魔法。粒子単位で発動する無数の魔法の集合体を気の遠くなるような集中力で制御するルーファスの特異魔法。
□五英雄
●アルフレッド・ルーヴェル 年齢:26歳
落ち着いた蒼い眼差しに、癖のある薄茶色の髪をした青年。星霊剣士。白霊術師かつ星喚術師。十年前に邪竜を倒した五英雄の一人。英雄養成学院の設立者でもある。イデオンとの一騎打ちに敗北したこともあるが、仲間と力を合わせての戦いなら右に出る者はいない強さを発揮する。温泉において『他の誰かが先んじて自分の思い人の裸を見ること』の阻止に成功するが、その代償は大きかった模様。
《主な能力》
・星喚術:星具『星霊剣レーヴァ』
白霊術の増幅媒体ともなる剣を生み出す特異魔法。
・星喚術:星具『星霊楯ラルヴァ』
防御壁となる菱形の光を周囲に展開する特異魔法。はっきりした形を持たない珍しい星具。
●ミリアナ・ファルハウト 年齢40(?)歳 ※本編には登場なし
白い髪に銀の瞳の女性で、巫女服に身を包んでいる。月影の巫女。月召術師。十年前の邪竜戦争における五英雄の一人。当時は強力な災害級の『魔』であるリンドブルムを駆り、戦場で多大な戦果を挙げていた。『おばさん』は禁句。ロザリー王女とネザクの婚姻について、ネザク自身の同意を条件に認めたのも彼女の『親心』ゆえだったのかもしれない。
●アズラル・エクリプス 年齢31歳
黒い髪に黒縁眼鏡をかけた細身の男性。変態……ではなく、黒霊賢者。霊戦術師かつ黒魔術師。十年前の邪竜戦争における五英雄の一人にして、『戦場の悪魔』の異名を持つ。愚かな弟子と共謀し、己の野望を実現するべく暗躍したが、総司令官の指揮を受けた双子姫の前に敗北を喫する。ただし、その後の戦いでは自分の性癖を誤解し続ける妻を助けるため、大活躍をしてみせた。
《主な能力》
・黒魔術と霊戦術『黒霊術』
精神を他の器物に憑依させたり、器物に擬似的な精神を与えたりといった特殊な効果の多い『挟間の子』の特異魔法。
●イデオン・バーミリオン 年齢36歳
銀の髪を短く刈り込んだ精悍な顔つきの銀狼族。銀牙の獣王。魔闘術師。十年前の邪竜戦争における五英雄の一人。エドガーの父親であり、武骨で不器用、あつくなりやすい武人。アルフレッドに一騎打ちで勝利するほどの実力者。エリザの恩に報いるべく、粋なご褒美を出したものの、後にそれが元で大変な騒動が起こるとは夢にも思わなかったようである。
《主な能力》
・魔闘術『銀牙の獣王』
爆発的に増幅させた魔力で肉体を獣化モードに変化させ、飛躍的に近接戦闘能力を高める特異魔法。
●アリアノート・ミナス 年齢24歳
新緑の髪に深緑の瞳をした女性。現在の星界唯一のハイエルフ。白星弓の守護妖精。最強の魔法使い。星喚術師かつ白霊術師。一見すると年若い少女に見えるが、成人した女性である。十年前の邪竜戦争における五英雄の一人。胸のことは禁句。『夫が自分の胸の小ささに気を使ってくれている』という、誰もが天を仰ぐようなありえない誤解を続けている。
《主な能力》
・星喚術:星具『白星弓シャリア』
白霊術の増幅媒体ともなるとともに、実体のない自然の力を矢の形に固める弓を生み出す特異魔法。
・白霊術:『命萌ゆる新緑の大地』
ハイエルフの特異魔法。イメージの力で自身とその周囲の味方を大地に還元し、再び具現化することであらゆる攻撃を無効化し、あらゆる傷を回復する。
・白霊術:『弓月の白霊砲』
極めて強力な超長距離狙撃魔法であり、『弓張り月の結界』を媒体とするハイエルフの特異魔法。
□月界の『魔』
●宵闇の女神ネメシス 年齢:不明
『黒月』。暗界第一階位の『魔』。伝説級。数百年前、リゼルアドラに力を与えて星界に送り込み、『白月』の支配から星界を奪取する。リゼルアドラに与えた力は彼女を離れ、星界を漂っていたが、やがて女神の『映し身』になるにふさわしい魂が星界に生まれたことから、彼女──カグヤに宿った。
《主な能力》
・暗界第一階位『わたしの闇』
『黒月』の願い。ネメシスいわく「『あのヒト』の光射す心月の地を……染め上げ、同化し、共にあり、やがて『灰色』になる。すべては、『あのヒト』に『真のわたしたち』を見てもらうために」
●暗愚王リゼルアドラ 年齢:不明
闇色の髪と紫紺の瞳を持つ美女。今では学院の制服を身に纏うクールな印象の美少女となっている。かつて人々を恐怖と絶望の淵に叩き込んだ暗界第二階位、伝説級の『魔』である……はずだが、あらゆる意味で残念な魔人。カグヤやネザク、リリアといったメンバー以外に対しても、徐々に仲間意識を持ち始めているらしい。
《主な能力》
・暗界第二階位『星心黒月』
星界そのものにすら、『思い込み』の力を作用させる特異能力。
○幻霧の姫神シーラ 年齢:不明
『白月』。幻界第一階位の『魔』。伝説級。愛しい憧れの相手に同化することを切望するモノ。数百年前の『ルナ・ハウリング』以降、星界に残った自分の娘、幻樹王ティアマリベルに己の力を同化し続け、幻樹王が『星辰の御子』を取り込んだことを契機に顕現を果たした。
《主な能力》
・幻界第一階位『わたしは星辰』
『白月』の願い。
幻樹王ティアマリベル 年齢:不明
『白月』が司る幻界第二階位の『魔』。伝説級。数百年前の敗北により砕けた体をかき集め、『神霊原木エルシャリア』に宿りながら星界と同化することで力を増してきた。同化された影響で、母の存在にはかえって気づくことができないでいた。『染色本能』を超えた『同化本能』を持つ『魔』の王の一人。
《主な能力》
・幻界第二階位『星化主偽』
星界そのものに自己を同化することで、月界の『魔』でありながら、『星心克月』を使いこなす特異能力。
○神霊原木エルシャリア 年齢:不明
幻界第三階位の『月の牙』。『白霊樹』の名で呼ばれ、森林国家ファンスヴァールの守護神ともいうべき存在であり、森の結界や最強の魔法の発動媒体にもなっている。幻樹王の能力とリンクすることで、無限に再生する白木の異形や幻界の『魔』を顕現させることが可能。
《主な能力》
・幻界第三階位『白化繚乱』
森に這わせた根から『星辰』を吸収し、森に生まれる命に注ぎ込むことで彼らの宿す『真月』との同化を促進する特異能力。
●霊賢王ミナレスハイド 年齢:不明
『蒼月』が司る霊界第二階位の『魔』。伝説級。『亡霊船』が破壊された影響で星界に『蒼の気配』が満ちたことにより、その影を顕現したがネザクに敗れる。その後、獄獣王にネザクを倒すよう促すものの、獄獣王の力によって吹き散らされてしまう。さらには幻樹王に接近したところを同化させられてしまうなど、不遇な存在。『染色本能』を超えた『支配本能』を持つ『魔』の王の一人。
《主な能力》
・霊界第二階位『絶体王星』
星界そのものに魔力を憑依させ、周囲のすべてを意のままに操る特異能力。
●死霊の女王アクティラージャ 年齢:不明
『蒼月』が司る霊界第五階位の『魔』。災害級。蒼髪の妖艶な美女。イリナとキリナと共に学院に棲みついた彼女は、ネザクと『触れ合う』なかで、『染色本能』を克服するようになった。それでもネザクと『触れ合う』ことを止めないのは、『染色本能』ばかりが理由ではないらしい。
《主な能力》
・霊界第五階位『屍斬血牙』
死者の思念を武器化する特異能力。
□その他
●エルムンド・ギエナビク 年齢:54歳
外れやすい顎を持つ(?)初老の男性。学院の副院長。学院経営や教育に不慣れなアルフレッドを支えてきた人物。常識人ではあるが、どんなに身分の高い生徒でも特別扱いしないという徹底した方針を持つ優れた教育者。ついには学院に王女様までやってきたことで、彼のストレスは限界を超えようとしている。
●カグヤ・ネメシス 年齢:24歳
黒衣黒髪の妖艶な美女。黒の魔女。黒魔術師。生まれた時に宵闇の女神の力に魅入られた魂の持ち主。エリザのおかげか、最近ではアルフレッドのことを見直しつつあったはずだが、とあるハプニングの結果、再び距離を置いている。
《主な能力》
・暗界第一階位の映し身『わたしの闇』
宵闇の女神の力。彼女が常に衣服のように身にまとっている《闇》。あらゆる魔法を吸収する特異魔法。
●イリナ・ファルハウト 年齢:15歳
月影一族の双子姫。月召術師。月影の巫女ミリアナの娘で、白い髪と銀の瞳をした一見お淑やかな少女。ただし、その実態は、やたらとネザクに命令をさせたがる奴隷気質の持ち主。恋愛経験豊富(ただし、妄想限定)なお姉さん。女湯防衛軍遊撃隊長。
●キリナ・ファルハウト 年齢:15歳
月影一族の双子姫。月召術師。月影の巫女ミリアナの娘で、白い髪と銀の瞳をした一見気品のある少女。ただし、その実態は、やたらとネザクを管理したがるご主人様気質の持ち主。実はメンバーの中で一番の危険人物であり、その毒牙は未来の『二人の子ども』にまで向かいつつあるらしい。女湯防衛軍守備隊長。
●シュリ・マルクトクァール 年齢:17歳
短めの金髪から金の猫耳を生やし、しなやかな金の尾を持つ少女。魔闘術師かつ霊戦術師の『狭間の子』。獣人族の中でも敏捷性に定評のある金虎族。祖国の危機に馳せ参じた、もう一人の救国の英雄少女。ネコ科の割には、温泉は嫌いではないらしい。
《主な能力》
・魔闘術と霊戦術『魔戦術』
本来、非生物にしか作用できない霊戦術を魔闘術のように他者へ作用させる『挟間の子』の特異魔法。月獣を操る際に、その肉体を強化・変化させる。
●エリック・ヴェスターグ 年齢:33歳
魔王ネザクの第一の騎士。無精髭を生やしていたが、とある出来事がきっかけで髭を剃るようになった。かつてはリールベルタ王国の魔導騎士団に所属していたこともある。学院内を席巻しつつある噂『魔王と王女と英雄少女の三角関係』については、エルムンドの胃に対するトドメの一撃となることが明らかであるため、彼が中心となって情報封鎖(副院長限定)に努めている。
●ルカ・フローレンス 年齢:16歳
ブラウンの髪を三つ編みにしたメイド。天性の才能(?)を持つがゆえに、リゼルに弟子入りされてしまった不幸な少女。『学食のメイドさん』。本章では出番がなかったが、ネザクとエリザとロザリーの三角関係を題材に、とある計画を進行中。
●リラ・レミグランス 年齢:16歳
短めの黒髪に幼い顔立ちをしたメイド。ルカの親友で、可愛いものが大好きな『学食のメイドさん』。本章では出番がなかったが、ルカとともによからぬたくらみに努めている模様。
●エレナ・リールベルタ 年齢:4歳
可愛らしい金髪の幼女。リールベルタ王国の王女殿下。世界征服を目指す魔王ネザクを実効支配下(?)に置いているほか、未来の英雄たちを次々と籠絡している稀代の悪女。最近になって『恋敵』の存在に気づき、次の一手を模索している。
●レイファ・バーミリオン 年齢:36歳
エドガーの母。銀髪が美しい銀狼族の女性。竹を割ったようにさばさばとした性格をしている。夫のイデオンにぞっこんではあるが、その実、当の夫も含め、家庭の男性陣からは誰よりも恐れられていたりする。ほかの女性の『匂い』には非常に敏感。
○リライト・アキナケス 年齢:29歳
森林国家ファンスヴァールの精鋭『白霊兵団』の副団長。黒髪に深緑色の目をしたダークエルフ。アリアノートを崇拝する一方、彼女を『奪った』アズラルを敵視している。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
ここまでが「第2部 第4章 飲み込む森と意気込む魔王」になります。
次話からは「第2部 第5章 魔王と英雄と狂気の挙式」が始まります。




