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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第5章 対決、断罪官

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第56話 ある日の出会い

 お待たせしました。1日遅れの投稿です。


 「銅2級」ハンターに昇格しても、春風は相変わらず仕事に対しては手を抜かなかった。寧ろ、「昇格したからこそ気を引き締めないと」と言って、さらに一生懸命仕事をした。


 しかし、仕事をしていくに連れて、


 「地球がピンチなのにこんな事やってて良いのか?」


 という不安も同時に高くなってしまい、リアナに隠れて思い悩む日々を送ってもいた。


 そんな春風だったが、ある日、いつものように仕事を受けようとすると、


 「たまには休みなさい!」


 と、リアナに何故か叱られてしまい、今日は仕事はやめて休む事にした。


 因みにリアナはというと、


 「リアナさん、総本部長より緊急の依頼が来ています」


 と、受付の職員に言われて、総本部長室へと向かった。


 職員の説明によると、どうやら全てのハンターは、ある程度までランクが上がると、緊急の使命依頼を引き受ける義務が生じる様になるという。そして、今回は銀2級以上のハンターに依頼が発生した様だった。


 「ごめん、ハル。今から数日間、依頼でここを離れなきゃいけなくなっちゃった」


 総本部長室から戻ってきたリアナは、真っ先に春風に謝罪をした。


 総本部長曰く、このシャーサルより遠く離れた町で、魔物の、それもかなり強力なやつが大量に発生した様で、総本部に銀2級以上のハンターに討伐依頼が舞い込んだのだが、その町は馬車を使っても1、2日くらいかかるほどの距離にある様で、その為に春風を置いてここを離れなきゃいけなくなってしまったのだ。


 「そういう事なら仕方ないよ。俺の方は自分でどうにかやっていくから、リアナは依頼頑張ってね」


 春風はそう言うと、リアナを快く送り出し、リアナは他の銀2級以上のハンター達と共にシャーサルを旅立った。


 さて、現在シャーサルには春風とジゼルだけになったわけだが、リアナに言われた通りまずは仕事を休む事にした。と言っても、流石に何もしないというのもなんだかなと思い、春風はずっとやってみたかった、とある「実験」をする事にした。

 

 シャーサルを出て少し離れた位置にある草原に着くと、春風は腰のポーチから実験に必要なものを取り出した。このポーチはヘリアテスのログハウスがある空間で、精霊達の協力のもと、スキル[魔導具錬成]で作った魔導具の1つで、所謂「アイテムボックス」の様なものだ。


 そのポーチから取り出したのは、1枚の長くて薄い長方形の板と、緑色に煌めく風の魔石だった。


 その後、春風はその板と風の魔石を材料に、魔導具錬成を発動する。


 体から魔力を消費した所為か、春風はちょっとした疲労感に襲われた。


 そして出来上がったのは、騎士が使う長方形の盾の様なもので、中央には緑の魔石が嵌め込まれていた。


 春風は[英知]のスキルを使い、その盾の様なものを調べた。その結果……。


 魔導フライングボード…… 風の魔力を流す事によって空を自在に飛ぶための魔導具。頑丈なので盾としても使える。


 「よし、出来た」


 出来上がったその魔導フライングボードーー長いので、春風は以後「フライボード」と呼ぶ事にしたーーを、魔石が嵌め込まれた面を下にして地面に置くと、春風は早速それに乗って、両足を通して風属性の魔力を流した。当然、落ちない様に両足をしっかり固定してからだ。


 すると……。


 ーーブオン!


 (よし!)


 春風を乗せたフライボードが、地面を離れて空中に浮かんだ。


 そして、春風は意識を集中して小さく叫んだ。


 「飛べ!」


 ーーブオオンッ!


 次の瞬間、フライボードは春風の声に従ったかの様に、上空に向かって高く飛んだ。


 「や、やった!」


 実験の成功に喜ぶ春風は、その後、フライボードに乗った状態で前後左右に動く練習をした。


 (良いぞ! 良いぞぉ!)


 だいぶ良い感じになってきたと喜ぶ春風。


 ところが。


 ーーガクン!


 「!?」


 暫く飛んでいると、急に力が抜けていく様な感覚に襲われて、地面に向かって落下し始めたのだ。


 「(ま、不味い!)求めるは“風”、『ウインド』!」


 焦った春風は、地面に向かって風魔術「ウインド」を唱えた。落下の勢いを殺すためだ。


 それから春風は何発か「ウインド」を唱えた。そして、どうにか地面に着地すると、魔力を消費しすぎた所為か、バランスを崩してその場に座り込んだ。


 「あ、危なかったぁ」


 「大丈夫ですか春風様!」


 座り込んだ状態の肩で息をする春風。そんな春風に、ジゼルは零号の中から話しかけた。


 「だ、大丈夫。ちょっと魔力を使いすぎただけだから」


 ジゼルに心配させない様に、春風は「ハハハ」と笑いながら答えた。


 その後、春風は固定した両足をフライボードから外すと、立ち上がって辺りを見回した。そこは森の外の様で、春風が飛び立った場所から少し離れた所の様だった。


 「うん。実験も満足の結果だし、そろそろ帰るか……」


 と言って、春風がフライボードをポーチにしまおうとした、その時、


 『す、スッゲェ!』


 「「!?」」


 突然の声に春風とジゼルが驚いていると、目の前の森の中から、3人の子供達が現れたのだ。


 これが、後に春風の運命を大きく動かす事になる、新たな「運命の出会い」だった。


 


 

 


 

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