第506話 天使モーゼス、再び
お待たせしました、1日遅れの投稿です。
「モーゼス!」
「フッフッフ……」
セイクリア王国王都にて、無事(?)ウィルフレッド達と再会出来たのも束の間、「天使」となったモーゼスと再び対峙する春風達。
ただ、
「え、待ってよハル! あいつ、五神教会のモーゼス教主!?」
「嘘だろ春風! あの人(?)本当にモーゼス教主なの!? なんか若返ってるんだけど!?」
と、リアナと水音が「信じられない!」と言わんばかりの表情で、春風の肩を掴んでゆっさゆっさと揺らした。
「お、おおおう?」
突然のことにちょっと驚いた春風だが、
(あ、そういえばリアナと水音は別行動してたからモーゼスのこと知らないんだった)
と納得していると、
「ん? 待って2人共、あいつが空浮かんでるのについては突っ込みなしかい?」
と、「おや?」と思って2人に尋ねた。
すると、
「「『天使』ならこっちももう見たよ!」」
と、2人同時にそう答えたので、
「あ、じゃあこの一件が片付いたら後で報告し合おう。だから取り敢えず、2人共落ち着いて」
と、春風は2人に落ち着くようにと促した。
そんなやり取りをしていると、
「モーゼス! 貴様、クラリッサとイブリーヌをどうした!?」
と、ウィルフレッドがズイッと前に出てモーゼスに向かってそう尋ねた。
その質問に対して、モーゼスは「フフ」と不敵に笑うと、
「ウィルフレッド、貴様が2人に会うことは永遠にない。何故なら……貴様らは全員、ここで死ぬからだ!」
そう言って、モーゼスはスッと右手を上げた。
すると、それに続くかのように、兵士達は次々と武器を構え出した。
『っ!』
驚く春風達に、モーゼスは更に口を開く。
「さぁ現れよ、『勇者』達!」
そう叫んだ次の瞬間、兵士達の前に光のゲートが現れて、そこから春風や水音と同じ年頃くらいの、1人の少年と2人の少女が出てきた。
その姿を見て、春風の近くにいた小夜子は愕然とする。
「あ、ああ、裏部、山吹、林道!」
そう、彼らもまた、「地球」から召喚された勇者だった。
3人共、その瞳には一切の光がなかった。
「え、う、嘘……」
「ど、どうして!?」
と、驚いて彼らのもとに近づこうとした彩織と詩織だが、
「駄目! あの3人は操られているの!」
と、直ぐに美羽が2人を止めた。
「え、『操られてる』ってどういうこと!?」
と、水音が「訳がわからない」と言わんばかりにそう尋ねると、
「水音、俺との決闘の時、女神マールに操られていた時のこと覚えてる? 今の裏部君達は、まさにその状態なんだ」
と、春風が目の前の裏部達に視線を向けたまま答えた。
「な、何だって!? 助ける方法はないの!?」
と、水音が再びそう尋ねると、
「大丈夫、彼らの耳に妙なイヤリングがついてるのが見えるだろ? あれを壊せば、みんな元に戻るんだ」
と、春風はジッと視線を裏部達に向けたまま再びそう答えた。
しかし、そんなやり取りをするうちに、裏部達も兵士達と同じようにそれぞれの武器を構え出した。
その後、
「フッフッフ……」
と、モーゼスはそう不敵に笑うと、スーッと後ろへ下がるように飛んでいった。
「! 待て、モーゼス!」
と、ウィルフレッドが追いかけようとしたが、槍を構えた兵士達に阻まれてしまう。
「兵士達よ、そこをどいてくれ!」
と、ウィルフレッドは兵士達にそう命令したが、
「……申し訳ありません、陛下」
と、その中の1人が辛そうにそう答えたように、兵士達は皆、命令を聞かない上にグッと槍を握りしめた。
「く、戦うしかないのかよ」
と、春風が小さくそう呟くと、
「春風、ここは私達に任せて、あなたはあの男を追いかけなさい」
と、凛依冴が春風の肩をポンと叩いた。
「し、師匠……?」
と、春風が頭上に「?」を浮かべると、
「大丈夫、彼らはちゃんと救い出すし、後から私達も追いかけるから」
と、凛依冴はニコッと笑いながらそう答えた。よく見ると、仲間達も皆、「行ってこい」と言わんばかりの表情になっていた。
すると、
「ハル、私も一緒に行くね!」
と、リアナが春風の隣に立った。
更に、
「僕も行くよ、もう春風を1人で行かせたりしない」
と、水音も春風の逆隣りに立った。
そして、
「春風、俺達も行くぞ!」
「ええ、一緒に行きましょう」
と、ループスとヘリアテスも側に寄ってきた。
春風はそんなリアナ達を見てポカンとなると、すぐに真面目な表情になって、
「みんな……」
仲間達の方を見て、
「ごめん、ここ任せた!」
と、謝罪しながらそう頼むと、
『おう、任された!』
と、仲間達は笑顔でそう返した。
それを聞いて、春風は「ありがとう」と呟くと、腰のポーチからフライング・カーペットを取り出して、それに乗り込んだ。それに続くように、リアナ、水音、ループス、ヘリアテス、そして、
「イチ、来てくれ」
「う、うん!」
と、水音に言われて、イチと呼ばれたループスそっくりの子犬も乗り込んだ。
その後、全員が乗ったのを確認すると、春風はフライング・カーペットに魔力を込めて、
「いっけぇ!」
その場から飛び立った。
突然のことに呆気に取られた様子の裏部達と兵士達だったが、すぐに春風達を追いかけようとした。
しかし、
「おっとぉ! あんた達の相手はこっちよ!」
と、凛依冴が放った攻撃によって阻まれてしまい、彼らはターゲットを凛依冴達に変えた。
凛依冴はニヤリと笑って口を開く。
「それじゃあみんな、サクッと終わらせて、ハニー達を追いかけるわよぉ!」
そう叫んだ後、残された者達による、広場での戦いが始まった。
謝罪)
大変申し訳ありませんでした。
この話の展開を考えていたら、結局1日遅れの投稿となってしまいました。
また、新たに登場したクラスメイト達ですが、まことに勝手ながら、一部を除いてフルネームではなく苗字で書くことにしたので、395〜400話と、403話の話を一部修正しました。
本当にすみません。




