第479話 春風編40 突っ込みと、「再会」
(アンディさん……)
アンディこと流子との「別れ」の記憶を見た後、眩い光と共に景色が変わり、春風達は元の部屋へと戻った。
(ほんと、勘弁してほしいよ……)
と、春風が心の中でそう呟くと、ガシッと後ろから肩を掴まれたので、春風は「何だ?」と後ろを振り向くと、そこには春風の肩を掴みながら、プルプルと体を震わせる鉄雄がいた。
「ど、どうしたのテツ?」
と、春風が恐る恐る尋ねると、
「お、お……」
「お?」
「お前、ほんと何なんだよぉおおおおおっ!」
と、鉄雄は春風の両肩を掴んで、ゆっさゆっさと揺すりながらそう尋ね返した。
「ちょ、お、落ち着いてテツ……」
と、春風が鉄雄に「落ち着け」と言うと、
「1人で敵のアジト行くとか何考えてんだよ!? そんで裏口から侵入とかって何だよ!? てか何あの小田川博士って人! ヨボヨボのじーさんの癖に筋肉スゲェよ! そんで、その助手のサンディ! 何で助手がオカマなんだよ!? で、ロボット乗って大暴れって何だよ、羨ましいよ! ロボットかっけぇよ! そんで、そのロボットぶった斬るとかお前やべえだろ! つーか……」
と、そこまで言った後、鉄雄は冬夜を見て、
「アンディ、女だったんかいいいいいっ!」
と、突っ込みのようなものを入れた。
それに対して冬夜は、
「あー、うん。アンディ君……いや、流子さんは間違いなく女の子なんだけど、彼女、何故か女の子扱いされるの凄く嫌がってねぇ」
と、「アハハ」と乾いた笑い声を出しながらそう言った。
「……それでみんなで男扱いしてたのかよ?」
と、鉄雄が静かに尋ねると、
「うん。それが流子さんの望みだったから」
と、冬夜は真面目な表情でそう答えた。
そんな冬夜を見て、鉄雄は「そうかよ……」と小さく言うと、
「なぁ、ハル」
「な、何?」
「お前、今でも『自分がアンディを殺した』って思ってんのかよ?」
と、下を向いた状態で尋ねてきたので、
「……うん、思ってる」
と、春風も冬夜と同じように真面目な表情でそう答えた。
すると、鉄雄は肩を掴んでいた手を離し、それで握り拳を作ると、春風の胸の辺りをドンドンと叩いて、
「何でだよ……。お前、悪くねぇじゃん。悪くねぇじゃんか……」
と、震えた声でそう言った。
下を向いたままの状態でよく見えなかったが、震えている様子からして、泣いているんだろうなと春風はそう感じた。
その言葉を聞いて、
「それでも、俺は……」
と、春風が何か言い返そうとした、まさにその時、
「……そうだよ、フーちゃん」
「え?」
今度は歩夢がそう言って、春風を背後から抱きしめた。
「ゆ、ユメちゃん?」
と、春風が後ろの歩夢に視線を向けると、
「……フーちゃんは、悪くない。悪くないよぉ」
と、歩夢も鉄雄と同じように震えた声でそう言った。
すると、
「……そうね、春風は悪くないよ」
「は、はい。わ、私も、そう思います」
と、美羽とルーシーもそう言って、春風に抱きついた。
「え、ちょっと2人とも……」
と、春風は何か言おうとしたが、聞く気がないのか、2人は春風から離れようとしなかった。
このとんでもない状況に春風は、
「え、ええっと、誰か助けて……」
と、周囲に助けを求めたが、全員、
『いや、ここは大人しくしてなさい』
と、誰も春風を助けようとしなかったので、
「そ、そりゃないよ」
と、春風はがっくりと肩を落とした。
それから暫くして、また新たな通路が現れると、春風達は「さぁ、行こう!」と、その通路を歩き始めた。
(さて、次の部屋はどんな記憶を見られてしまうんだろう?)
と、春風が不安になっていると、次の部屋に着いた。
だが、今度の部屋は違った。
何故なら、その部屋は今までの何もない部屋とは違ってとても広く、全体的にはかつて春風と水音が決闘をしていた、ウォーリス帝国帝都の闘技場によく似ていたからだ。
そして、その闘技場によく似た部屋の中央に、1つの人影が見えたので、
「あ、あのー……」
と、春風は何か言おうとすると、
「え、あなたは!?」
と、その人物を見て、驚きの声を上げた。
そんな春風に対して、目の前の人物は「フフ」と笑うと、
「お久しぶりです。春風さん」
と、その人物、ハンターギルド総本部長のフレデリックが、春風達に向かってそう言った。
謝罪)
大変申し訳ありません。まことに勝手ながら、間話17と第311話の文章を一部修正させてもらいました。
本当にすみません。




