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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第14章 更なる「力」を求めて

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第448話 春風編9 「記憶」についての質問


 「……あ、元の場所に戻った」


 気がつくと、春風達は「光国春風」の記憶の景色から、元いた何もない部屋へと戻っていた。


 「……」


 大切な人達との記憶を思い出して、春風が少しセンチメンタルになっていると、


 「春風」


 「ん?」


 冬夜が話しかけてきた。


 「兄さん、どうしたの?」


 と、春風が尋ねると、


 「大丈夫?」


 と、冬夜は心配そうな表情でそう尋ね返したので、それを見て何が言いたいのかを察した春風は、


 「……ありがとう、俺は大丈夫だよ」


 と、笑顔でそう答えた。


 すると、


 「あー、ちょっといいか?」


 「ん?」


 今度は鉄雄が「はい」と手を上げながら声をかけてきた。


 「テツ、どうしたの?」


 と、春風が鉄雄に向かって尋ねると、


 「お前の『記憶』を見て、お前がどうゆう交友関係(?)みたいなのを築いてきたのかは、まぁ少しだけどわかった」


 と、鉄雄はそう答えた後、「けどな」と言って春風に近づき、その両肩をガシッと掴むと、


 「お前、年上の女の子になんてこと言ってんだコラァアアアアアアアッ!」


 と怒鳴りながら、ユッサユッサと力強く揺すった。


 突然のことに春風は、


 「お、おおう!? ちょ、落ち着いて……」


 と、全身を揺さぶられながら鉄雄に落ち着くよう促したが、


 「いやいやハルッちぃ……」


 「『落ち着け』って言われてもねぇ……」


 と、恵樹と美羽がゆっくりと春風に近づいて、恵樹が春風の左肩を、美羽が春風の右肩を掴むと、


 「俺的にも()()はどうかと思うんだけどぉおっ!」


 「そうよ! あなたが()()()()()言うから、師匠何か()()()()に目覚めちゃったんじゃないの!? 特に最後の『電話番号教えて』って言った時の表情、あれ思いっきり『恋する乙女』みたいじゃない!」


 と、2人して鉄雄と同じように、怒鳴りながら春風をユッサユッサと左右に揺すった。


 鉄雄だけでなく恵樹と美羽にも揺さぶられた春風は、


 「だ、だってぇ! ああでも言わなきゃ、あの人死んじゃうんじゃないかと思ったから……!」


 と、必死に理由を説明しようとしたが、


 「「「だからって『命令だ』はないだろぉおおおおおおおっ!」」」


 と、3人に怒鳴られてしまい、ますます激しく揺さぶられてしまった。


 その時だ。


 「私からもいいかしら」


 と、不意にそんな声がしたので、春風は「え?」とその方向を向くと、そこには真面目な表情で手を上げたユリウスがいた。


 「えっと、何でしょうか?」


 と、春風がユリウスに向かって尋ねると、


 「私達が最初に見た、あの『施設(?)』みたいなところについて教えてほしいのだけど」


 と、ユリウスはそう答えて、その瞬間、春風は「愛染総合科学研究所」のことだと理解して、少し悲しそうな表情をした後、


 「……あそこは、死んだ父の職場です」


 と、答えた。


 「お父さんの?」


 と、今度はユリウスが尋ねると、


 「……ああ、あそこはかつての僕の職場だ」


 と、冬夜が答えた。


 その答えを聞いて、


 「ああ、そういえばあなた確か、『転生』した人間だったわね?」


 と、ユリウスが再び尋ねると、冬夜はコクリと頷きながら答える。


 「そう、僕は転生前、あの施設、『愛染総合科学研究所』で働く科学者だった」


 「科学者?」


 「簡単に説明すると、『身につけた知識や理論を駆使して未知の存在に挑む者達』って言えばいいのかな?」


 「そこにスキルとかが介入する余地は?」


 「ない。そして、一口に『科学』って言っても様々な分野があってね、例えば人体や生物についての研究と解明を中心としたものから、自然界についての研究と解明を中心としたものが存在するんだ。で、そういった分野が得意な人達が集まって働いているのが、あの『愛染総合科学研究所』、通称『愛研』というわけさ」


 そう説明した冬夜に、ユリウスは「なるほどね」と納得すると、


 「で、その愛研って今もあるの?」


 と、春風を見てそう尋ねると、春風は悲しそうな表情になって答える。


 「……今はもうないよ」


 「どうして?」


 「……父もそうですけど、所長さんも、父の仲間達も、職員さんの皆さんも、みんな死んじゃったから」


 その答えを聞いて、ユリウスはハッとなって、


 「ごめんなさい、辛いことを聞いてしまったわね」

 

 と、春風に向かって深々と頭を下げて謝罪した。


 そんなユリウスを見て、春風が「気にしないでください」と言った、まさにその時、ゴゴゴという大きな音と共に、次の通路への扉(?)が開かれたので、


 「おっと。じゃあ、行きましょうか」


 と言って、春風はすぐに通路へと向かい、冬夜をはじめとした仲間達も、その通路へと向かった。

 


 


 

 

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