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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第14章 更なる「力」を求めて

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第435話 水音編31 修正される「記憶」

 今回は、いつもより長めの話になります。


 「「「……」」」


 目の前で再現された3年前の出来事の「真相」を見て、ループス、分身1号、白い水音は絶句した。


 そして、中学時代の水音はというと、


 「そ、そんな。母さんを傷つけたのは、僕じゃなくて……陽菜?」


 と、ショックで顔を真っ青にしていた。


 無理もないだろう。なにせ、母親を傷つけたのは自分ではなく妹だという事実を、知ってしまったのだから。


 そんな中学時代の水音を見て、


 「み、水音君……」


 と、分身1号が話しかけると、


 「そ、そんな……嘘だ……でも……」


 と、水音は頭を抱えてブツブツと呟き始めた。


 これには分身1号だけでなくループスも不安になって「お、オイ……」と話しかけたが、当然その声も中学時代の水音には届かず、


 「う……うあああああああっ!」


 と、中学時代の水音は頭を抱えたまま絶叫した。


 次の瞬間、パリィンという音と共に、3年前の出来事の景色が崩れた。


 「な、なんだなんだ!?」


 と、ループスが驚いていると、崩れた景色が別の景色へと変わった。


 そこは、ループス達が最初に見た「記憶」、そう、幼い水音が航士達に囲まれていた時の「記憶」の景色だったのだが、1つだけ最初に見た時と異なっていた。


 幼い水音の背後に、


 「ごめんなさい、ごめんなさい……」


 と、泣きながら震える幼い少女がいたのだ。


 「あれは……」


 と、ループスが口を開こうとした時、幼い水音達の会話が聞こえたのだ。


 「どけよ水音! ()()()は人を傷つけたんだぞ!」


 幼い航士が、幼い水音の後ろで震えている少女を指差しながらそう怒鳴る。それに対抗するように、


 「そのことならもう終わったじゃないか! それに、悪いのは相手の方なんだぞ!」


 と、幼い水音も航士に向かってそう怒鳴った。


 「こ、こいつ!」


 その言葉に逆上したのか、航士の仲間の少年達が水音に襲い掛かろうとしたが、


 「来るなぁ!」


 と、水音は「鬼の闘気」を解放して少年達を威嚇した。


 『うわ!』


 突然のことに驚く少年達だったが、


 「う……!」


 と、幼い水音はすぐに地面に片膝をついた。それと同時に、「鬼の闘気」も幼い水音の中に戻るように消えた。


 「お兄ちゃん!」


 少女は幼い水音に寄り添い、しっかりと支えようとする。


 そんな幼い水音を見て、


 「く……。フン! 力が大きいだけの()()()()()が!」


 と、航士は口汚く罵ると、少年達と共にその場を後にした。


 航士達が去った後、


 「お兄ちゃん……」


 涙を流してそう言った少女に、


 「大丈夫だからね、陽菜」


 と、幼い水音は笑顔でその少女ーー陽菜を励ました。


 その様子を見て、


 「オイ、どうなってんだこりゃあ?」


 と、ループスが首を傾げると、白い水音が答えた。


 「恐らくですが、水音君が『真実』を知ったのをきっかけに、一部の『記憶』が修正されたのでしょう」


 「ってことは、今俺達が見た()()が?」


 「ええ、これが水音君の、『本当の記憶』なのでしょう」


 白い水音がそう説明し終えたその時、


 「あああああああっ!」


 という中学時代の水音が絶叫し、それと同時にパリィンという音と共に景色が変わった。


 今度は幼い水音が、道場にて祖父・洋次郎と対峙していた時の記憶だった。


 よく見ると、幼い水音の背後には、体から青黒い炎を出して、苦しそうにしている幼い陽菜の姿があった。


 洋次郎が幼い水音に向かって叫ぶ。


 「退くのだ水音! 陽菜はもう駄目だ!」


 幼い水音も負けじと洋次郎に向かって叫ぶ。


 「嫌だよ爺ちゃん! 陽菜は僕が助けるんだ!」


 そう叫んだ後、幼い水音は「鬼の闘気」を解放し、


 「陽菜、もう大丈夫。お兄ちゃんが今助けるね」


 と、それで苦しんでいる幼い陽菜の体を優しく包んだ。


 すると、水音の「鬼の闘気」がスゥッと消えて、それと同時に幼い陽菜の体から出ていた青黒い炎も消えていた。


 その後、


 「お、お兄ちゃん、うわぁん!」


 と、幼い陽菜は幼い水音にしがみついてわんわんと泣き出した。


 その様子を見て、


 「なるほど、これが2番目に見た『記憶』の真実か」


 と、白い水音が納得していると、


 「あああああああっ!」


 という中学時代の水音の絶叫と共に、また景色が変わった。


 今度は幼い水音が、両親と洋次郎の会話を盗み聞きしていた時の記憶だ。


 最初に見た時は彼らが何を言ってるのかわからなかったが、今ははっきりと聞こえていた。


 部屋の中で、母・清光が洋次郎に話しかける。


 「お父さん、水音と陽菜は……」


 洋次郎が口を開く。


 「駄目だな。水音は力が大き過ぎて制御が上手く出来とらん。かといって陽菜は力が()()過ぎる所為か、発動することに対して日に日に臆病になってきておる」


 すると、ここで父・優誓が口を開く。


 「ですがお義父さん、2人はまだ幼い子供なんですよ。ここで私達大人がサポートしなければ、いずれ水音達は間違いを起こしてしまうのでは?」


 そう尋ねた優誓に、清光も「そうね」と言うと、洋次郎は天井を仰ぎ見て、


 「大き過ぎる兄と、凶悪過ぎる妹、か……」


 と、溜め息を吐くように呟いた。


 その後、


 「あああああああっ!」


 という中学時代の水音の絶叫と共に、また、新たな景色が現れた。


 「あ、戻ったみたいだ」

 

 と、ループスがボソリと呟いたように、そこは3年前の出来事の景色だった。


 場面は「全て」が終わった後のようで、そこには、


 「水音! しっかりするんだ水音!」

 

 必死に水音に呼びかける優誓の姿があった。


 それに応えるように、


 「あ……父さん?」


 と、気がついた水音が口を開いた。


 そして、


 「あれ? 陽菜に、母さん、と誰?」


 目の前で泣きじゃくる陽菜に、その側で倒れている清光と、そんな清光に何かをしている女性(凛依冴)。勿論、倒れている航士達もいたが、水音はそれを無視して陽菜達に近づいた。


 「陽菜?」


 と、水音が陽菜に話しかけると、


 「お、お兄ちゃん、私……」


 と、陽菜は泣きじゃくりながら何か言おうとしたが、


 「……母さん?」


 と、その前に血を流して倒れている清光を見てしまい、


 「ま、まさか、()()()()()()?」


 と、水音は陽菜に尋ねた。


 「僕が、航士達を、母さんを傷つけたの?」


 それを聞いた陽菜が、


 「ち、ちが……!」


 と、「違う」と否定しようとしたが、それを遮るかのように水音は体を震わせて、


 「母さんっ! うわあああああああっ!」


 と、頭を抱えて絶叫した。


 その後、


 「うあああああああっ!」


 という絶叫と共に景色は変わって、ループス達は元の真っ暗な闇の中に戻った。


 「「「……」」」


 あまりにも衝撃的な「真実」を知って、ループス達が何も言えないでいると、


 「……そうだ、思い出した」


 という声がしたので、ループス達は「ん?」と、声がした方へと振り向くと、


 「()()、思い出した」


 そこには、大粒の涙を流す、()()の水音がいた。

 

 


 

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