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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第14章 更なる「力」を求めて

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第434話 水音編30 本当の「悲劇」

 お待たせしました、本日2本目の投稿です。


 青黒い「何か」に触れて、中学時代の水音達は再び3年前の「記憶」の景色に出た。


 周りをよく見ると、その景色は最初に出た時は所々が歪んでいたが、今ははっきりと細部まで見えるようになっていて、そのおかげでその場所が、大きな廃工場の中だということが理解できた。


 「……っ」


 そんな中、目の前で起きてることを見て体を震わせる中学時代の水音に、


 「だ、大丈夫だからね、僕達がついてるから」


 と、分身1号が優しく励ましたので、中学時代の水音は、


 「ありがとう、ございます」


 と、弱々しい笑顔でお礼を言った。


 すると、


 「そろそろだぞ」


 というループスの言葉に反応して、中学時代の水音と分身1号が前を見ると、そこは陽菜が航士に突き飛ばされ、少年達に取り押さえられた場面だった。


 「止めろ、陽菜ーーーーー!」


 途中から何を言ってたのかわからなかった「あの場面」の時のセリフだったが、今ははっきりと聞こえた。


 「止めろ、陽菜を、陽菜を()()()()()ぁあああああっ!」


 そのセリフを聞いて、その場にいた航士達は勿論、ループスも、分身1号も、白い水音も、そして、中学時代の水音本人も、


 『……え?』


 となった。


 次の瞬間、取り押さえられた陽菜の体から、()()()()が出てきた。


 その炎に驚いたのか、少年達が一斉に陽菜から離れると、陽菜はゆっくりと立ち上がり、


 「うあああああああっ!」


 と、悲鳴に似た叫び声をあげた。


 すると、青黒い炎は陽菜の全身を包み込んだ。


 そして、炎に包まれた陽菜は、ゆっくりと水音と航士達の方へと振り向いた。


 「あ、あれは……!」


 その姿はまさに、真っ暗な空間に現れた、あの青黒い人型の「何か」の姿だった。


 その姿を見て、


 「そ、そんな……陽菜が……」


 「嘘……でしょ?」


 と、中学時代の水音分身1号はショックを受け、


 (なんてこった、あれは妹さんだったのか!)


 と、ループスは冷や汗を垂らしながら納得の表情を浮かべて、


 (……それで、あの()()()か)


 と、白い水音はここに来る前に青黒い「何か」が言ったセリフを思い出した。


 そう、あの時、中学時代の水音達に、青黒い「何か」は言った。


 ーーオ、ニ、イ、チャ、ン。


 そして今、青黒い「何か」となった陽菜に、


 『う、うわあああああっ!』


 と、恐怖にかられた少年達が襲いかかった。


 「よ、よせ!」


 「駄目だ、陽菜ぁ!」


 と、少年達を止めようとした航士と水音だが、時すでに遅く、


 「フゥ!」


 ーーブオン!


 『ギャアアアアアッ!』


 陽菜は思いっきり腕を振るって、少年達を残らず薙ぎ払った。


 ある少年は地面に何度もバウンドし、ある少年は背後の壁に激突した。そして他の少年達も、それぞれ悲惨なことになっていたが、いずれも皆『死』の一歩手前で、かろうじて息をしていた。 


 そんな状態の彼らを見て、

 

 「お、お前ぇ、よくもぉ!」


 と、航士は怒って「鬼の闘気」を解放し、陽菜に襲いかかろうとした。


 すると、


 「フゥッ!」


 と、陽菜が大きく両目を見開いた。


 そして、次の瞬間、


 「ぐあああああああっ!」


 航士の体から出ていた「鬼の闘気」が、()()()()()()()()()のだ。


 「な、何故だ! 何故、僕の『鬼の闘気』が、僕を燃やそうとするんだぁ!?」


 それはまさに、炎で全身を焼くかのような状況だった。


 その後、全身を焼かれたに近い状態の航士がその場に倒れ伏したので、


 「た、大変だ……」


 と、水音が航士に近づこうとした、まさにその時、


 ーーゴォオッ!


 「うわあああああああっ!」


 水音の「鬼の闘気」も、水音を焼き尽くそうとしていた。


 「や、やめてくれ陽菜! 僕だよぉ!」


 自身の「力」に焼かれている状態の水音は、必死に陽菜を止めようと声をかけたが、


 「……」


 残念なことに、青黒い「何か」となった陽菜に、水音の言葉は届かなかった。


 「だ、誰か……助けて……」


 と、今にも水音が航士と同じ末路を迎えようとしていた、まさにその時、


 「オッケー、今助けるからね」


 というセリフと共に、1人の女性が水音の目の前に現れた。


 (あ、師匠)


 そう、凛依冴だ。


 凛依冴は右手の人差し指と中指で「印」を結ぶと、それで水音の額をツンと突いた。


 すると、水音を焼いていた「鬼の闘気」は一瞬で消え去った。


 それを見て、


 「うん、これで良し!」


 と、凛依冴が満足したと言わんばかりの表情になると、


 「ハ、ナ、レ、ロォ……」


 という声が背後でしたので、凛依冴は「ん?」と後を振り向くと、そこには右手を大きくした陽菜がいた。よく見ると、その爪(?)は鋭そうに尖っていた。


 「なぁによあんた、やる気?」


 と、凛依冴が陽菜に向かってそう挑発すると、それにカチンとなったのか、


 「オニイチャンカラ、ハナレロォオオオオオオオッ!」


 と、陽菜はそう叫んで突進し、凛依冴に向かって鋭い爪を持つ大きな右手を振り上げた。


 それを見て、


 「駄目だ、陽菜ぁ……!」


 と、水音が陽菜を止めようとしてそう叫んだ、まさにその時、


 「やめなさい、陽菜ぁあああああっ!」


 と、水音と凛依冴を庇うように、母・清光が目の前に現れた。


 それを見た水音が「え?」となった次の瞬間、()()()()()()()()()()()()()()()()()


 (あ、母さん……。陽菜……)


 そして、それを見た瞬間……。


 (そんな……陽菜が……母さんを)


 ーーパリィイイイイイン!


 「うあああああああっ!」


 水音の中で、何かが壊れる音がした。


 


 

 

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